礫川全次のコラムと名言

礫川全次〈コイシカワ・ゼンジ〉のコラムと名言。コラムは、その時々に思いついたことなど。名言は、その日に見つけた名言など。

「ひらがな」中心の五十音図、濁音図、次清音図

2021-08-01 02:44:24 | コラムと名言

◎「ひらがな」中心の五十音図、濁音図、次清音図

 文部省編輯局編『読書入門』の田沼書店版(一八九五)を紹介している。本日は、その七回目で、第三十二課のあとにある「五十音図」、「濁音図」、「次清音図」を紹介する(二十一丁表~二十二丁裏)。いずれも、「ひらがな」を中心とし、これに「カタカナ」を対照させている。「↓」は、改ページを示す。

  五 十 音 図
あ【ア】 い【イ】 う【ウ】 江【エ】 お【オ】
か【カ】 き【キ】 く【ク】 け【ケ】 こ【コ】
さ【サ】 し【シ】 す【ス】 せ【セ】 そ【ソ】
た【タ】 ち【チ】 つ【ツ】 て【テ】 と【ト】
な【ナ】 に【ニ】 ぬ【ヌ】 ね【ネ】 の【ノ】   ↓

は【ハ】 ひ【ヒ】 ふ【フ】 へ【ヘ】 ほ【ホ】
ま【マ】 み【ミ】 む【ム】 め【メ】 も【モ】
や【ヤ】 い【イ】 る【ユ】 江【エ】 よ【ヨ】
わ【ワ】 ゐ【井】 う【ウ】 ゑ【ヱ】 を【ヲ】   ↓ 
ん【ン】

  濁 音 図
が【ガ】 ぎ【ギ】 ぐ【グ】 げ【ゲ】 ご【ゴ】
ざ【ザ】 じ【ジ】 ず【ズ】 ぜ【ゼ】 ぞ【ゾ】
だ【ダ】 ぢ【ヂ】 づ【ヅ】 で【デ】 ど【ド】
ば【バ】 び【ビ】 ぶ【ブ】 べ【ベ】 ぼ【ボ】   ↓

  次 清 音 図
ぱ【パ】 ぴ【ピ】 ぶ【プ】 ぺ【ペ】 ぽ【ポ】

「あいう江お」の「江」は、「え」ではなく、「江」の草書体に由来する字形である。
「まみむめも」の「も」は、横棒が一本になっている字形である。

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いそげよ、いそげ、まなびのみちを。

2021-07-31 00:32:55 | コラムと名言

◎いそげよ、いそげ、まなびのみちを。

 文部省編輯局編『読書入門』の田沼書店版(一八九五)を紹介している。本日は、その六回目で、第廿一課から第三十二課までの内容を紹介する(十五丁表~二十丁裏)。

 第廿一課    ツ、ル、カ、メ、
         つ、る、か、め、
つ る

か め


 第廿二課    ウ、ツ、ク、シ、イ、ハ、ナ、
         う、つ、く、し、い、は、な、

うつくしい

 はな


 第廿三課    ア、レ、テ、ニ、ジ、タ、
         あ、れ、て、に、じ、た、

あめ はれて

にじ たつ


 第廿四課    ソ、ノ、フ、ヘ、チ、リ、
         そ、の、ひ、へ、ち、り、

その ひくい へい
の うち に
あの たかい
いへ あり

 第廿五課    コ、ム、ス、キ、マ、モ、ヲ、
         こ、む、す、き、ま、も、を、

この むすめ は
きれいな まるい
もの を もつ
それは なに か

 第廿六課    ベ、ヨ、ツ、ズ、ゲ、ビ、ミ、
         べ、お、ゆ、ず、げ、び、み、

まなげよまなべよ
 たゆまず うまず
いそげよいそげ
 まなびの みち を

 第廿七課    グ、ガ、ヅ、ワ、ラ、ヤ、ド、ト、
         ぐ、が、づ、わ、ら、や、ど、と、
めぐれる くるま
 ながるゝ みづ
われら は
 やすめど
やむ とき
   なし

 第廿八課    井、セ、ン、ヱ、ゴ、ロ、サ、
         ゐ、せ、ん、ゑ、ご、ろ、さ、

これ は、 うめ と
すゐせん と の ゑ なり
これら の はな は
いつ ごろ さく か

 第廿九課    バ、ペ、ケ、ピ、ポ、プ、
         ば、ぺ、け、ぷ、ぽ、ぷ、
ばんぺい はつゝ を
もちてもん の
まへ に たち
ひけし ははつぴ
を きてぽんぷ の
そば に たつ

 第三十課    オ、ゼ、ホ、ギ、フ、ネ、パ、
         お、ぜ、ほ、ぎ、ふ、ね、ぱ、
おひかぜ に ほ を 
あげて、 こぎ だす
ふね あり
ひと はふね に 一ぱい
のりかぜは、ほ に
十ぶん みちたり

 第三十一課    ザ、ボ、エ、ダ、ゾ、
          ざ、ぼ、江、だ、ぞ、
この ざくろ の き にはおほく の
つぼみ と はな と あり
きみ はその 江だ の
はな を
かぞへ
うる か

 第三十二課    ヌ、ヂ、デ
          ぬ、ぢ、で
この こ はつね に
いぬ を かはゆがりて
一ど も いぢめし
こと なし
いぬ は、また よろこんで
この こ の いふ こと を きく

 若干、注釈する。第廿七課の「くるま」とは、水車のことである。この課には、ふたりの人物が、大きな水車をながめている挿し絵がある。
 第廿九課の「つゝ」は、漢字で書けば、「銃」。この課には、小銃を持った兵卒が、門の前に立っている挿し絵がある。
 第三十一課では、「え」が使われず、「江」の草書体に由来する、いわゆる「変体仮名」が使われている。ここでは、その変体仮名を、「江」で示した。ちなみに、今日、用いられている、ひらがなの「え」は、「衣」の草書体に由来する。
 ひらがなの「そ」「お」は、それぞれ、「曽」「於」の草書体に由来する。第廿四課に出てくる「そ」の字体、第三十課に出てくる「お」の字体は、今日、私たちが用いている「そ」「お」とは、かなりの違いがあり、変体仮名と呼びうる。ただし、それぞれ、「曽」「於」の草書体に由来することに変わりはない。なお、第廿五課以降に出てくる「も」の字体は、よくみると、横棒が一本しかない。

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濁音図、次清音図、および数字図

2021-07-30 01:21:49 | コラムと名言

◎濁音図、次清音図、および数字図

 文部省編輯局編『読書入門』の田沼書店版(一八九五)を紹介している。本日は、その五回目で、十四丁表にある「濁音図」、および同丁裏にある「次清音図」と「数字図」を紹介する。
 本書の第十二課以降では、濁音および次清音(半濁音)が登場していた。第十七課以降では、数字(漢数字)も登場していた。それらを受けて、ここで、「濁音図」、「次清音図」、および「数字図」が示されたのである。
 なお、ここで「次清音」とは、今日で言う半濁音のことであり、ここで「数字」とは、漢数字のことである。

  濁 音 図
ガ ギ グ ゲ ゴ
ザ ジ ズ ゼ ゾ
ダ ヂ ヅ デ ド
バ ビ ブ ベ ボ

  次 清 音 図
パ ピ プ ペ ポ
  数 字 図
一 二 三 四 五
六 七 八 九 十

 この「濁音図」にある濁音のうち、第十二課から第二十課までの間に登場しないものが、四つある(ガ・ジ・ズ・ゼ)。一方、「次清音図」にある次清音(半濁音)は、第十二課から第二十課までの間に、そのすべてが登場する(パン・エンピツ・ランプ・ペン・ポチ)。

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ポチハ、スナホナイヌナリ。

2021-07-29 00:29:00 | コラムと名言

◎ポチハ、スナホナイヌナリ。

 文部省編輯局編『読書入門』の田沼書店版(一八九五)を紹介している。本日は、その四回目で、第十二課から第二十課までを紹介する(九丁裏~十三丁裏)。

  第十二課
フジ ト
ボタン ト
アリ
キミ
ドノ ハナ ヲ
コノム ゾ

  第十三課
アノ コドモ ヲ
ミ ヨ
ブランコ ニ ノリテ
アソビ
マリ ヲ ナゲテ
サワグ

  第十四課
カゼ ヨ
 フケ フケ
タコ アガレ
ミナミナ
 ココ マデ
  キテ アソベ

  第十五課
ツバメ、 スヾメ
ナカヨク
アソベ
マヘ ヨ、 ナケ ヨ
ヤナギ ニ
タケ ニ

  第十六課

ヒバリ ハ、 ノハラ ニ
サヘヅリ
ウグヒス ハ、 カゴ ニ
ウタフ

  第十七課
コヽ ニ、 一二三
四ヒキ ノ サル
アリ
サル ハ、 イロ\/ ノ
ワザ ヲ スル
ケモノ ナリ

  第十八課
ツクヱ ノ ウヘ ニ
ランプ ト フデタテ
ト アリ
フデタテ ニハ、 ニホン ノ
ペン ト 五ホン ノ
エンピツ ト アリ

  第十九課
ポチ ハ、 スナホナ
イヌ ナリ
ポチ ヨ、 コイ\/
ダンゴ ヲ ヤル ゾ
パン モ ヤル ゾ

  第二十課
イマ ハ、 ナンドキ
ナル カ
トケイ ノ オト ヲ
カゾヘテ ミ ヨ
一 二 三 四 五
六 七 八 九 十
十 ジ ナリ

 若干、注釈する。第十四課では、「ココ」と表記されていたが、第十七課では、「コヽ」。第十五課では、「スズメ」でなく、「スヾメ」。第十五課の「マヘヨ、ナケヨ、」は、「舞えよ、鳴けよ、」の意味であろう。第十六課の「ヒバリハ、ノハラニサヘヅリ。」の「。」は、原文のまま。

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ヤイユエヨ ワ井ウヱヲ ン

2021-07-28 01:42:11 | コラムと名言

◎ヤイユエヨ ワ井ウヱヲ ン

 文部省編輯局編『読書入門』の田沼書店版(一八九五)を紹介している。本日は、その三回目で、第十一課のあとに見開き(八丁裏および九丁表)で置かれている「五十音図」を紹介する。
 
  五 十 音 図
ア イ ウ エ オ
カ キ ク ケ コ
サ シ ス セ ソ
タ チ ツ テ ト
ナ ニ ヌ ネ【子】

ハ ヒ フ ヘ ホ
マ ミ ム メ モ
ヤ イ ユ エ ヨ
ワ 井【ヰ】ウ ヱ ヲ

 カタカナによる「五十音図」である。今日と異なっているのは、二点。
 まず、「ネ」の右下に、小さく「子」とある。「子」は、カタカナ「ネ」の異体字である。この異体字も使用可ということであろう。なお本文では、「ネ」が使われている(第六課「ネコ」)。
 もうひとつ、ワ行では、「井」の右下に、小さく「ヰ」とある。本文では、「井」が使われている(第十課「トリ井」)。今日では、「井」は、カタカナ「ヰ」の異体字とされている。

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