住職のひとりごと

広島県福山市神辺町にある備後國分寺から配信する
住職のひとりごと
幅広く仏教について考える

万灯施餓鬼会にてインド舞踊奉納

2005年08月11日 19時05分10秒 | 様々な出来事について
8月21日、午後7時よりインド古典舞踊の奉納が国分寺本堂で行われます。演じるのは、外川セツ氏。演目は、インド四大古典舞踊の一つマニプリダンスから、ライ・ハラオバ他。

マニプリダンスとは、インド北東部のマニプール州に伝えられる民俗舞踊です。このマニプールとは、宝石の都との意味で、この地方は、一方をミャンマーと国境を接する山岳地帯に囲まれ、豊かな自然に恵まれています。

中央の盆地に州都インパールを擁し、人口は182万人、シナ・チベット語族に属するモンゴロイドです。主要な民族はメイテイ族で、多くはヒンドゥー教徒ですが、ヒンドゥー教がこの地方に伝わる以前の精霊信仰や宇宙創造神話を持ち、今日でも豊かな民族儀礼や芸能を伝えています。

マニプリダンスの歴史は古く、言い伝えによれば、この宇宙が創造されたときに生まれた踊りとされています。が、今日のマニプリダンスは、18世紀にこの地を治めたバギヤチャンドラ王がヴィシュヌ神に完全に帰依してヒンドゥー王国を打ち立てた時代に確立されました。

ガンジス川流域に発達したインド文化と異なった文化がマニプールにはありますが、それは長い歴史の間にインドだけではなく中国、ミャンマー、その他東南アジアの国々との紛争や交流を通じて、それらの文化を吸収して今日に受け継がれたものです。

そして、この地を訪れたタゴールによって初めてマニプールの美しい踊りや音楽が紹介され、それによりインド四大古典舞踊、つまりバラタナーティヤム、カタカリ、カタック、マニプリの一つとして世界的な評価を得るまでになりました。

踊りの形式には大きく二つの系統があり、マニプリ人の古くからの自然崇拝の宗教儀礼から生まれた踊り「ライ・ハラオバ」と、ヒンドゥー教のクリシュナ信仰の影響によって新たに形成された踊り「ラース・リーラー」があります。

もともとこのダンスは、人生儀礼や宗教儀式の時に、寺院の神々に捧げていたものであり、一般に公開されることはありませんでした。観て楽しむものではなく、瞑想あるいは神への祈りとしてあったものですが、今日ではステージで行われるようになりました。そうした過程でこのような二つの踊りの形式が確立していくのですが、現在では、特にクリシュナ神とその恋人ラーダーの物語を演じる優美なグループダンスとして知られています。

なお、この度踊ってくださる外川セツ氏は、インドでお生まれになり、高校までインドで過ごし、日本の大学を卒業。その後日本国内での勤務経験を経て、インドにお帰りになり、シャンチニケタンのタゴール国際大学にて、音楽学部舞踊科を卒業、引き続き修士課程を修了されました。現在ご縁あって、東広島市に在住。

10数年前に、初めて外川セツ氏はじめお父様お母様ともお会いする機会があり、その後インドのご自宅にもお伺いして、お父様からは特にインドの宗教やタゴールの思想などについて様々教えを受けました。その関係で、この度お忙しい中特別にお願いしてお越し頂けることとなりました。外川セツ氏のインドダンスは本物です。是非この機会に、どなた様もお気軽にお越し下さいますようご案内いたします。
コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 仏教のあるべき姿 | トップ | 郵政民営化法案が否決された »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
はじめまして (Unknown)
2006-01-17 16:44:10
偶然見つけたサイトに、私の敬愛する親族が書かれていて、ビックリしました。

私は財士おじちゃんのまた姪です。

そして私も、セッチャンの踊りが大好きです。



今後とも、おじちゃん達をお見守りくださるよう、願います。
返信する
こちらこそ (全雄)
2006-01-18 06:53:23
ご覧下さりありがとうございます。



先生には随分前からお世話になっております。



昨年7月にはこちらまでご夫妻でお参り下さいました。



そのこともブログに書いております。ご覧下さっているかも知れませんが。



またセツさんにはお願いしたいと思っています。その折には是非こちらにもお越し下さい。ありがとうございました。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

様々な出来事について」カテゴリの最新記事