おじさんの映画三昧

旧作を含めほぼ毎日映画を見ております。
それらの映画評(ほとんど感想文ですが)を掲載していきます。

オーメン

2020-11-27 07:52:53 | 映画
「オーメン」 1976年 アメリカ


監督 リチャード・ドナー
出演 グレゴリー・ペック
   リー・レミック
   デヴィッド・ワーナー
   ハーヴェイ・スティーヴンス
   ビリー・ホワイトロー
   ホリー・パランス

ストーリー
6月6日、午前6時、ローマの産院で、アメリカの外交官ロバート・ソーンの夫人キャサリンは、男の子を出産したが、その子は生まれるとすぐ死んだ。
ロバートは、産院で知り合った神父から、同じ日、同じ時間に生まれた男の子を、母は産後すぐに死んだので、死んだ子の身がわりにもらってほしいと頼まれた。
ロバートは、妻にそのいきさつを話さず、その赤ん坊をもらいダミアンと名づけた。
キャサリンはダミアンを自分の子と信じていた。
やがて、ロバートは駐英大使としてロンドンに栄転しダミアンはすくすくと育った。
ダミアンの5歳の誕生日のガーデン・パーティの時、ダミアンの若い乳母が出席者の目前で屋上から「ダミアン見て!」と叫び、首を吊って死んだ……。
翌日、ブレナンという神父がロバートを訪ねてきて、神父は"自分はダミアンの出産に立ちあったが、ダミアンは悪魔の子であるので悪魔払いをするように"と言うのだが、ロバートは一笑してとりあわない。
大使館の護衛に連れ出される時、神父は「母親は山犬だったんです!」と叫んだ。
まもなくロバートの家に周旋所から紹介されたというベイロック夫人が、半ば強引に家政婦として住み込みで働くことになった。
一方、ロバートはブレナン神父と再び会った。
神父はキャサリンが妊娠していることを告げ、ダミアンが死産させ、キャサリンの命ばかりかやがてはロバートをも殺すと警告した。
神父の予言通りキャサリンは妊娠していた・・・。


寸評
僕にはこの手の作品に系譜があって、始まりは1968年ロマン・ポランスキー監督作品「ローズマリーの赤ちゃん」で、次が1973年ウィリアム・フリードキン監督作品「エクソシスト」、そしてこの「オーメンである」。
いずれも悪魔が子供なのは偶然の一致か?
きわもの的な内容であるがしっかりと作り込まれている所が良い。
子供だましではなく、十分に大人の鑑賞に堪えうる内容となっている。

アメリカの外交官ロバート・ソーンは、待ちわびていた出産が死産だったため、妻を落胆させたくない為に病院付きの神父からの「養子をもらっては?」という誘いに応じてしまう。
ちょうど同時刻に男の子を産んだ身寄りのない女性が死に、その子は孤児となっていたため、双方に好都合だったからなのだが、その事実をロバートは妻のキャサリンに告げていない。
キャサリンは自分の子供と信じて育てるのだが、ロバートは最後まで秘密にしておくつもりだったのだろうか。
妻を欺きとおす行為で、その為に報いを受ける結果を引き起こしたのだと思わぬでもないが、やっと子供を得て幸せそうな夫婦のカットが何カットか描かれることで、僕の疑念は忘れ去られる。

予期した通り彼らの周りで奇妙なことが起こり始めるが、十分に鑑賞に堪えられる内容となっている。
黒い犬が屋敷のそばに現れるようになる。
黒い犬と言うだけで不気味な感じがする。
ダミアンのシッターがパーティの最中にダミアンに呼びかけ首を吊って死亡する。
ダミアンが動物園に行くとキリンは逃げ出し、マントヒヒが騒ぎ出し襲ってくる。
怪しそうなメイドがやって来て、ダミアンに関して口出しをしてくるようになる。
メイドの目つきは明らかに異常なのだが、口出しをするだけで当面は何もしないのも不気味感を出す。
ブレナンという神父がロバートに会いに来て、「ダミアンは悪魔の子で、母親はジャッカルだ」と告げるあたりから、ホラーとしてボルテージが上がってくる。
ブレナンが写真に写った予告通りに落下した避雷針によって非業の死を遂げるのも雰囲気アップとなっている。

ダミアンがロバートの養子になるように仕組まれていたことも判明するが、普通の作品なら夫妻が悪魔に打ち勝つ描き方になると思うのだが、そうはならない所がこの映画のいいところだ。
キャサリンも犠牲になるが、その場面はよくできていて迫力十分な描き方である。
カメラマンも予告通りの死を迎えるが、なかなか見せるものがある。
ロバートは重大決心をするが、その結果も工夫されていて満足感がある。
そうか、そういう結果だったのかと想像させるのだが、この結果が人類がアメリカを中心にして滅亡までの戦いを始めていると言うことなのだろう。
キャサリンは自分の事を未来の大統領夫人だと言っていたが、息子が大統領になるのかもしれない。
大統領になった息子は・・・と思わせるラストも決まっている。
駐英大使となるロバートを演じているのがグレゴリー・ペックというキャスティングも的を得ていたように思う。


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