おじさんの映画三昧

旧作を含めほぼ毎日映画を見ております。
それらの映画評(ほとんど感想文ですが)を掲載していきます。

ターミネーター3

2023-12-20 07:35:33 | 映画
「た」行です。

「ターミネーター3」 2003年 アメリカ


監督 ジョナサン・モストウ
出演 アーノルド・シュワルツェネッガー
   ニック・スタール クレア・デインズ
   クリスタナ・ローケン デヴィッド・アンドリュース
   マーク・ファミリエッティ アール・ボーエン

ストーリー
T-1000との死闘を制し、核兵器管理システムのスカイネットが自らの意志を持ち人類を滅ぼす“審判の日”を、見事阻止してから10年後、ジョンは新たな人生の目的を模索するように放浪生活を送っていた。
スカイネットが人類に反乱し、核戦争が起きるはずだった1997年8月29日は無事に過ぎ去り、「審判の日」は回避されたかに思われた。
母サラ・コナーを白血病で失い、青年に成長したジョン・コナーは、平穏かつ無目的な日々を送るが、未だに胸のどこかで不安を感じており、時にはターミネーターの夢を見ることさえもあった。
不安は的中し、2032年から新たに2体のターミネーターが送り込まれた。
1体は未来のジョンの副官となる者達の抹殺を目的とする、T-1000の性能を遙かに凌ぐ、強力なターミネーターT-Xで、そしてもう1体は、十数年前にコナー親子をT-1000の襲撃から守り、燃え盛る溶鉱炉へ入って自決したT-800の改良版T-850である。
すぐさま副官達の殺害に回ったT-Xは、その過程でジョンの行方を把握し、殺害しようとするが、そこへT-850が現れてジョンを救う。
スカイネットの誕生を阻止したはずなのに再びターミネーターが現れたことに驚くジョンへ、T-850は「核戦争は回避されたわけではなく、ただ予定が狂い延期されたのみ」かつ「審判の日は回避不可能」であることを告げる。
幼馴染であり、未来では妻かつ反乱軍副官となるケイト・ブリュースターも巻き込んだ逃避行の中、ジョンはその新たな「審判の日」がまさに今日がその日であり、ケイトの父かつ軍の高官ロバート・ブリュースターがその鍵を握る人物であることを知る。
一行はスカイネットの誕生を阻止すべくロバートの許へ向かうが、一足遅く彼はT-Xに殺害されてしまう。
自らもろともT-Xを倒したT-850に別れを告げ、スカイネットとは何であるかを確かめようとしたジョンが核シェルター内で目にしたものは、冷戦時代の時代遅れの大型コンピューターに過ぎなかった。


寸評
アクションシーンやカーチェイスのシーンなどはパワーアップして迫力を増しているが、描かれている内容は前2作とほぼ同じで新鮮味はない。
敵対するのが女ターミネーターになっていることが目を引くくらいで、この映画の特徴であるアクションシーンが延々と描き続けられる。
クリスタナ・ローケンが見せるT-Xの無表情は印象に残るし、ターミネーターとしての動きも面白い。

母親のサラ・コナーは死亡しているので、同級生の女性ケイトが力強い同志となり、彼女のたくましい姿に、ジョン・コナーが「母さんそっくり」と言う笑えるセリフがある。
サラ・コナーのリンダ・ハミルトンのパワフルさが思い起こされる。
シュワちゃんターミネーターもギャグっぽいセリフを発して楽しませてくれる。
12年ぶりの続編なので懐かしさも手伝って楽しく見られるが、復習的に前作を見てこの作品を見るとややマンネリ感が出てきているなと感じる。
生きる目的をなくしたジョンの自分探しのドラマという側面があるけれど、それが十分に描かれたとは言えず、やはりターミネーターは人間ドラマになりえず、あくまでもアクション映画なのだと感じる。

審判の日を回避しようと奮闘するジョンとケイトはスカイネットシステムを破壊するために、スカイネットの開発責任者であるケイトの父に指示された場所に向かう。
本来ならここから劇的な展開が繰り広げられるはずだが、内容の割には意外とあっさりと終わってしまうのは肩透かしを食ったようで、次回作に続くと言われたような気分になってしまう。
行き着いた場所は大統領が指揮を執る政府高官のための核シェルターだったのだが、そこは何十年も利用されたことがないので廃墟のようになっている。
しかし、いつ起きるか分からない核戦争に備えたものであるならば、たとえ使用されなくても最新設備に更新されていくべきものだと思うから、廃墟になっているのは説得力に欠ける。
ジョン・コナーが生き残った人類のリーダーになった経緯だけが理解できた。

インターネットで繋がれた仮想空間では、一体誰がどこで何をやっているのか分からない世界だ。
便利なシステムではあるが、ウィルスの拡散やサイバー攻撃など発信者の不明性が恐怖でもある。
インターネットは軍事用のネットワークから出発したものだけに、核兵器管理システムのスカイネットが空想の産物と言い切れないものがある。
現社会では核戦争は引き起こされていないが、テロ行為がそれに代わるように頻発している。
攻撃対象が明確でないテロ行為は防ぎようがない。
死を恐れず自らの命をかけて仕掛けてくるテロ行為は増々世界に拡散しそうである。
そのテロ行為を行うのも、また導き出しているのも人間なのである。
テロ行為は人対人の戦いなのだが、まるでターミネーターとの戦いの様でもある。
審判の日は避けることが出来なかったけれど、ジョンはそれでも戦い続ける決意を表す。
アメリカがテロとの対決を表明しているように・・・。


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