「どついたるねん」 1989年 日本
監督 阪本順治
出演 赤井英和 相楽晴子 原田芳雄 麿赤兒
大和武士 笑福亭松之助 正司照枝
芦屋小雁 輪島功一 結城哲也 升毅
ハイヒールモモコ 山本竜二 美川憲一
ストーリー
イーグル友田(大和田正春)との試合で負傷し、再起不能となった元チャンピオン、安達英志(赤井英和)は、所属のナショナルジムを飛び出して、ニューハーフのクラブママである北山(美川憲一)の支援を受けて自らのジムを設立した。
ある日、英志のジムにふらりと中年男が現れた。
男は左島牧雄(原田芳雄)という元ウェルター級の日本チャンピオンだった。
英志は左島をコーチとして雇うが、ジムに集まった練習生たちは英志のあまりの横暴さに嫌気をさし、みな去ってしまう。
結局、ジムを閉めることになった英志は、ナショナルジムに戻ろうとするが、会長の鴨井(麿赤兒)は英志の頭のケガを心配しカムバックに反対する。
しかし結局、鴨井の娘・貴子(相楽晴子)、そして左島と共に現役カムバックへと向かっていった。
そんな時、英志のカムバック戦の相手が決まった。
ナショナルジムでの英志の後輩で今は原田ジムにいる清田(大和武士)だった。
そして、遂に試合の日となり英志は再びリングに立った。
ゴングが鳴り、清田と命賭けの死闘を繰り広げる英志。
しかし、前の試合での負傷を背負っている英志にはやはり不利であった。
そして、見兼ねた貴子がタオルを投げた瞬間、同時に英志のパンチが清田をダウンさせたのだった。
寸評
まるで喜劇映画かと思わせるような滑稽なシーンがあふれている。
粗野で暴力的ながらボクシングにのめり込んでいる安達英志=赤井英和がぶっきらぼうに怒鳴りまくるセリフがとてつもなく面白い。
その彼がとる子供じみた態度にも大笑いさせられてしまう。
またそれを補完しているのが相楽晴子が演じる貴子で、彼女の存在なくしてこの映画はなかったと言えるぐらい奮闘している。
英志と貴子は幼馴染で、子供の頃から英志は腕っぷしが強く、貴子は男勝りの性格で英志に従っている。
その二人が大人になって、貴子は父親の経営するボクシングジムでトレーナーをやっていて、英志はそこに所属するプロボクサーとなっているのだが、映画がはじまり少年時代のエピソードが描かれた後、いきなりのボクシングの試合シーン。
世界タイトル挑戦が予定されているので英志はかなりランクは上で、その試合も世界戦の前哨戦的な意味合いだったのだろうが、予想に反して英志は格下のイーグル友田にノックアウトされてしまい、おまけに頭に大けがをして手術を受ける羽目になってしまう。
手術後の英志のとる態度からこの映画のパワーが全開となっていく。
舞台が大阪の新世界なので大阪人の僕はそれだけでのめり込めるし、炸裂する大阪弁と大阪喜劇人の出演が更に映画に親密感を持たせた。
英志と清田のボクシングシーンは、演じる赤井英和も大和武士も元プロボクサーだけに決まっている。
迫力を出すためのクローズアップなど必要でなく、リング上の二人を俯瞰的にとらえているだけで十分に迫力あるものになっていた。
もちろん減量シーンやトレーニングシーンなども滑稽でありながらもリアリティがあった。
減量に苦しむ清田の前で鶏肉をむしゃぶりつくシーンなどは包括絶倒なのだが、そのあとで英志が指を口に突っ込んで食べたものを吐くシーンを挿入させ、減量の大変さを見せつけていた。
左島牧雄の原田芳雄が登場してくると、さすがに原田は実力俳優だけあって画面が絞まる。
赤井英和が役者としてはまだまだ粗削りながらも頑張っているので、それを原田芳雄がサポートするように脇を固めていた。
しかし、前述したように何といってもいいのが相楽晴子だ。
気が強く荒々しい世界に身を置いている女性なのだが、時折見せる弱さがたまらなく可愛いこの映画のマスコットの様な役柄である。
赤井英和との掛け合いがまるでボヤキ漫才を見ているような可笑しさと心地よさがある。
英志のカムバックがタイトル戦などではなく4回戦という設定も現実的でいい。
精一杯の見栄を張る英志の姿を描いて最後まで笑わせる。
ラストシーン・・・・・・決まってる!
大阪を描いた映画は色々あるけれど、その中でも十指に入る作品として仕上がっていると思う。
監督 阪本順治
出演 赤井英和 相楽晴子 原田芳雄 麿赤兒
大和武士 笑福亭松之助 正司照枝
芦屋小雁 輪島功一 結城哲也 升毅
ハイヒールモモコ 山本竜二 美川憲一
ストーリー
イーグル友田(大和田正春)との試合で負傷し、再起不能となった元チャンピオン、安達英志(赤井英和)は、所属のナショナルジムを飛び出して、ニューハーフのクラブママである北山(美川憲一)の支援を受けて自らのジムを設立した。
ある日、英志のジムにふらりと中年男が現れた。
男は左島牧雄(原田芳雄)という元ウェルター級の日本チャンピオンだった。
英志は左島をコーチとして雇うが、ジムに集まった練習生たちは英志のあまりの横暴さに嫌気をさし、みな去ってしまう。
結局、ジムを閉めることになった英志は、ナショナルジムに戻ろうとするが、会長の鴨井(麿赤兒)は英志の頭のケガを心配しカムバックに反対する。
しかし結局、鴨井の娘・貴子(相楽晴子)、そして左島と共に現役カムバックへと向かっていった。
そんな時、英志のカムバック戦の相手が決まった。
ナショナルジムでの英志の後輩で今は原田ジムにいる清田(大和武士)だった。
そして、遂に試合の日となり英志は再びリングに立った。
ゴングが鳴り、清田と命賭けの死闘を繰り広げる英志。
しかし、前の試合での負傷を背負っている英志にはやはり不利であった。
そして、見兼ねた貴子がタオルを投げた瞬間、同時に英志のパンチが清田をダウンさせたのだった。
寸評
まるで喜劇映画かと思わせるような滑稽なシーンがあふれている。
粗野で暴力的ながらボクシングにのめり込んでいる安達英志=赤井英和がぶっきらぼうに怒鳴りまくるセリフがとてつもなく面白い。
その彼がとる子供じみた態度にも大笑いさせられてしまう。
またそれを補完しているのが相楽晴子が演じる貴子で、彼女の存在なくしてこの映画はなかったと言えるぐらい奮闘している。
英志と貴子は幼馴染で、子供の頃から英志は腕っぷしが強く、貴子は男勝りの性格で英志に従っている。
その二人が大人になって、貴子は父親の経営するボクシングジムでトレーナーをやっていて、英志はそこに所属するプロボクサーとなっているのだが、映画がはじまり少年時代のエピソードが描かれた後、いきなりのボクシングの試合シーン。
世界タイトル挑戦が予定されているので英志はかなりランクは上で、その試合も世界戦の前哨戦的な意味合いだったのだろうが、予想に反して英志は格下のイーグル友田にノックアウトされてしまい、おまけに頭に大けがをして手術を受ける羽目になってしまう。
手術後の英志のとる態度からこの映画のパワーが全開となっていく。
舞台が大阪の新世界なので大阪人の僕はそれだけでのめり込めるし、炸裂する大阪弁と大阪喜劇人の出演が更に映画に親密感を持たせた。
英志と清田のボクシングシーンは、演じる赤井英和も大和武士も元プロボクサーだけに決まっている。
迫力を出すためのクローズアップなど必要でなく、リング上の二人を俯瞰的にとらえているだけで十分に迫力あるものになっていた。
もちろん減量シーンやトレーニングシーンなども滑稽でありながらもリアリティがあった。
減量に苦しむ清田の前で鶏肉をむしゃぶりつくシーンなどは包括絶倒なのだが、そのあとで英志が指を口に突っ込んで食べたものを吐くシーンを挿入させ、減量の大変さを見せつけていた。
左島牧雄の原田芳雄が登場してくると、さすがに原田は実力俳優だけあって画面が絞まる。
赤井英和が役者としてはまだまだ粗削りながらも頑張っているので、それを原田芳雄がサポートするように脇を固めていた。
しかし、前述したように何といってもいいのが相楽晴子だ。
気が強く荒々しい世界に身を置いている女性なのだが、時折見せる弱さがたまらなく可愛いこの映画のマスコットの様な役柄である。
赤井英和との掛け合いがまるでボヤキ漫才を見ているような可笑しさと心地よさがある。
英志のカムバックがタイトル戦などではなく4回戦という設定も現実的でいい。
精一杯の見栄を張る英志の姿を描いて最後まで笑わせる。
ラストシーン・・・・・・決まってる!
大阪を描いた映画は色々あるけれど、その中でも十指に入る作品として仕上がっていると思う。
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