ささやんの週刊X曜日

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

激突する米中

2023-02-06 14:44:33 | 日記
とりこし苦労だろうか。中国が行った挑発に対して、アメリカが示した反応は、私を嫌な気分にさせた。これが米中戦争のトリガーにならなければ良いが、と私は危惧する。こんなニュースを聞いた。

アメリカ軍はアメリカ本土やカナダの上空を横断していた中国の気球を、南部サウスカロライナ州の沖合で戦闘機によって撃墜しました。
引き揚げ用の船やダイバーなども投入して残骸の回収作業を行い、中国が気球を利用してどのような情報を収集しようとしていたのか、解明を進めています。
気球は偵察が目的だとするアメリカ側と、気象研究用の民間飛行船だとする中国側。
(中略)
中国国防省の報道官は5日、談話を出し『アメリカ側が武力でわが国の民間の無人飛行船を襲撃したのは明らかに過剰反応だ。アメリカ側のやり方に厳重に抗議し、必要な手段を使って類似の状況に対処する権利を留保する』として、必要に応じて対抗措置をとる姿勢を示唆しました。

(NHK NEWS WEB 2月6日配信)

アメリカ本土の上空に偵察気球を飛ばした中国と、それを戦闘機で撃墜したアメリカ。このアメリカの対抗措置に対して、中国は今後、どう対応するつもりなのか。分からないのはそのことである。「必要な手段を使って類似の状況に対処する権利を留保する」と中国側は述べるが、これは一体何を意味しているのか。

ここで中国が言う「類似の状況」とは、アメリカが中国本土の上空に偵察気球を飛ばす状況を意味するのだろうか。しかしアメリカが中国本土の上空に偵察気球を飛ばすなど、およそ考えられない。とすれば、中国がこれに(武力で)対処することもあり得ず、今回の騒動はこれで一件落着となる。

しかし、である。軍事の世界では、我々には思いもよらないことが日夜行われている可能性がある。アメリカも中国と同様、敵国(中国)の上空にしばしば偵察気球を飛ばしているのかもしれず、そうなれば、中国が対抗措置として、これを戦闘機で撃墜することもあり得ない話ではない。

この場合は、お互いの対抗措置の応酬が次第にエスカレートして、本格的な戦争にまで発展することも、充分あり得ることになる。私が恐れるのは、こうした事態なのである。

米中間の緊張は今、いつになく高まっている。中国の台湾侵攻が間近に迫り、それを機に両国は戦争状態に突入すると考えられている。
しかし戦争とは、そんな大仰な事態からではなく、もっと小さな小競り合いに端を発するのではないか。そんな気がする。
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