goo blog サービス終了のお知らせ 

ささやんの天邪鬼 ほぼ隔日刊

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

原発 廃炉の難物

2024-08-23 15:39:31 | 日記
なんともまあ、呆れた話ではないか。

東京電力は22日、福島第一原発事故で溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)を初めて取り出す作業を開始したが、手順に誤りが見つかり、中断した。東電は、原因究明と再発防止策を策定するまで延期するとしている。
(朝日新聞8月23日)

燃料デブリの取り出し作業といえば、「廃炉の本丸」と呼ばれ、廃炉の成功を左右しかねない大事な作業である。そのとっかかりで作業員が「手順の誤り」という単純なミスをしでかしてしまったというのだ。

まあ、燃料デブリの取り出し作業は一歩間違えば人命に関わる危険な作業であり、それだけにとても難しい作業ではある。朝日の記事には

政府と東電の当初計画では21年の着手をめざしていたが、装置の開発などが難航し、約3年遅れの開始となっていた

とある。

廃炉に向けた「燃料デブリの取り出し」作業が失敗した今回のニュースを聞いて、私は呆れ果てたが、これを咎める気にはなれなかった。この作業は危険をともなうきわめて難しい作業だと聞いていたからである。

作業の中断は、現場作業員が「作業手順の誤り」という初歩的で単純なミスをおかしただけ、との東電の発表は、「なあに、ちょっとミスっちゃいましてね。ホントにちょっとしたミスでして、べつに大したことではないのです。ご心配なく」と言わんがための印象操作だった疑いがある。

今回の作業の中断は、そうではなく、むしろ廃炉作業の成功を左右しかねない重大かつ致命的なミスだった可能性が高い。
今回の「作業ミス」報道を受けて、我々が銘記しなければならないのは、次のことである。原発は遅かれ早かれいつか必ず廃炉にしなければならない時期が来るが、廃炉には(「燃料デブリの取り出し」作業のあるなしにかかわらず)何十年もかかる、とんでもなく危険で難しい作業が待ち受けている、ということである。

そんな困難がともなう原発施設を、政府は今後、増設しようと企てているようだが、どうして政府がそんな計画を立てるのか、私は理解に苦しむ。今回の「燃料デブリの取り出し」作業の失敗を、政府は東電とグルになって「簡単な作業手順のミス」に仕立てようとしているが、それもこれも原発の増設を進めるための策略の一環だろう。「後の祭り」、ーーそんな言葉が脳裏をよぎったきょうの天邪鬼爺である。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 自民党 もう一つの謎 | トップ | 自民党 総裁選について思うこと »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。

日記」カテゴリの最新記事