「煮ても焼いても食えない」、「度しがたい」といった表現がある。きのう夕食時に耳にした次のニュースは、そういう表現がぴったりのニュースだった。
「神戸市の公立小学校に勤める30代から40代の教諭4人が、20代の男性教諭に性的なメッセージを同僚に送信するよう強要するなど、合わせて4人の教員に対し悪質ないじめを行っていたことがわかりました。市の教育委員会は4人を処分する方針で、刑事告発も検討しています。
神戸市教育委員会によりますと、須磨区の市立東須磨小学校に勤務する30代の男性教諭3人と40代の女性教諭1人の合わせて4人は、同僚でいずれも20代の男女4人に、悪質ないじめを繰り返していたということです。」
( NHK NEWS WEB 10月4日配信)
ここまでなら、別にどうということはない。「ミイラ取りがミイラになる」というやつだ。小学校の教諭が、まるで小学生のようないじめを繰り返していたとは・・・。これでは悲喜劇というか、ヨシモトのお笑い芸人も真っ青である。
だが、それだけではなかった。ニュースは次のように続いた。
「このうち、20代の男性教諭に対しては、去年からことしにかけて、日常的に暴言を浴びせたり、筒状のもので殴ったりしたほか、LINEを使って性的なメッセージを同僚に送信するよう強要したり、車を蹴ったり中に飲み物をわざとこぼしたりと、悪質ないじめを繰り返していたということです。」
おいおい、ちょっとやりすぎじゃないのか。いじめにも限度というものがあるだろう。お笑い番組の罰ゲームじゃあるまいし、ちょっとやりすぎだよ。
だが、それだけではなかった。ニュースは次のように続いた。私は耳を疑った。
「この男性教諭は、ほかにも、目や唇に激辛ラーメンの汁を塗られたり、羽交い締めにされて激辛カレーを無理やり食べさせられたり、カレーを体に塗られたりしたなどと訴えているということです。」
テレビのアナウンサーがここまで原稿を読み上げたとき、私は激しい怒りにとらわれた。これまもう「いじめ」などというものではない。ヤクザまがいの、れっきとした暴力ではないか。4対1の、陰惨な暴力である。私は、被害者になった男性教諭に同情を禁じ得なかった。案の定というべきか、アナウンサーは次のように続けた。
「いじめを受けた20代の男性教諭は、精神的に不安定な状態になり、先月から休んでいるということです。」
この事件の報道を聞きながら、私が思い出したのは、1971年から72年にかけて起きた、連合赤軍による陰惨なリンチ殺人事件、いわゆる「山岳ベース事件」である。
革命の志を共有する仲間同士が「総括」の名の下、殴り合い、殺し合う。こんな血みどろの異常な事件が起きたのは、逃亡生活の長い閉塞状態の中で、メンバーたちの精神状態が極限に達し、異常を来したからだろう。
神戸市の小学校教諭たちの場合も、彼らの職場環境は、同様の閉塞状態だったのだろうか。周りが見えなくなる、人間、これほど恐ろしいことはない。
人間の尊厳を踏みにじるような、こういう悪質無残な事件が二度と起こらないようにするには、まず、学校の職場環境を改善することが欠かせない。そのためには、外部社会との交流を促進し、風通しを良くすることが大事だろう。センセイたちを学校の檻の中に閉じ込めないことである。
もう一つ大事なのは、事件の加害者たちを厳罰に処すことである。彼らを10年ほどムショにぶち込み、その間、凶悪犯の怖〜いお兄さん・お姉さんたちに、せいぜいみっちりといたぶってもらうのだ。その様子を動画に録画し、YouTube に投稿するのも、抑止効果があって良いかも知れない。そういう体験を通して、彼らも「暴力は良くない」ということを学ぶだろう。
小学校教諭たちの(後の祭りの)ムショでの体験学習、とでも言うべきか。
「神戸市の公立小学校に勤める30代から40代の教諭4人が、20代の男性教諭に性的なメッセージを同僚に送信するよう強要するなど、合わせて4人の教員に対し悪質ないじめを行っていたことがわかりました。市の教育委員会は4人を処分する方針で、刑事告発も検討しています。
神戸市教育委員会によりますと、須磨区の市立東須磨小学校に勤務する30代の男性教諭3人と40代の女性教諭1人の合わせて4人は、同僚でいずれも20代の男女4人に、悪質ないじめを繰り返していたということです。」
( NHK NEWS WEB 10月4日配信)
ここまでなら、別にどうということはない。「ミイラ取りがミイラになる」というやつだ。小学校の教諭が、まるで小学生のようないじめを繰り返していたとは・・・。これでは悲喜劇というか、ヨシモトのお笑い芸人も真っ青である。
だが、それだけではなかった。ニュースは次のように続いた。
「このうち、20代の男性教諭に対しては、去年からことしにかけて、日常的に暴言を浴びせたり、筒状のもので殴ったりしたほか、LINEを使って性的なメッセージを同僚に送信するよう強要したり、車を蹴ったり中に飲み物をわざとこぼしたりと、悪質ないじめを繰り返していたということです。」
おいおい、ちょっとやりすぎじゃないのか。いじめにも限度というものがあるだろう。お笑い番組の罰ゲームじゃあるまいし、ちょっとやりすぎだよ。
だが、それだけではなかった。ニュースは次のように続いた。私は耳を疑った。
「この男性教諭は、ほかにも、目や唇に激辛ラーメンの汁を塗られたり、羽交い締めにされて激辛カレーを無理やり食べさせられたり、カレーを体に塗られたりしたなどと訴えているということです。」
テレビのアナウンサーがここまで原稿を読み上げたとき、私は激しい怒りにとらわれた。これまもう「いじめ」などというものではない。ヤクザまがいの、れっきとした暴力ではないか。4対1の、陰惨な暴力である。私は、被害者になった男性教諭に同情を禁じ得なかった。案の定というべきか、アナウンサーは次のように続けた。
「いじめを受けた20代の男性教諭は、精神的に不安定な状態になり、先月から休んでいるということです。」
この事件の報道を聞きながら、私が思い出したのは、1971年から72年にかけて起きた、連合赤軍による陰惨なリンチ殺人事件、いわゆる「山岳ベース事件」である。
革命の志を共有する仲間同士が「総括」の名の下、殴り合い、殺し合う。こんな血みどろの異常な事件が起きたのは、逃亡生活の長い閉塞状態の中で、メンバーたちの精神状態が極限に達し、異常を来したからだろう。
神戸市の小学校教諭たちの場合も、彼らの職場環境は、同様の閉塞状態だったのだろうか。周りが見えなくなる、人間、これほど恐ろしいことはない。
人間の尊厳を踏みにじるような、こういう悪質無残な事件が二度と起こらないようにするには、まず、学校の職場環境を改善することが欠かせない。そのためには、外部社会との交流を促進し、風通しを良くすることが大事だろう。センセイたちを学校の檻の中に閉じ込めないことである。
もう一つ大事なのは、事件の加害者たちを厳罰に処すことである。彼らを10年ほどムショにぶち込み、その間、凶悪犯の怖〜いお兄さん・お姉さんたちに、せいぜいみっちりといたぶってもらうのだ。その様子を動画に録画し、YouTube に投稿するのも、抑止効果があって良いかも知れない。そういう体験を通して、彼らも「暴力は良くない」ということを学ぶだろう。
小学校教諭たちの(後の祭りの)ムショでの体験学習、とでも言うべきか。