ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

始まるのか イチロー劇場

2019-03-05 14:11:13 | 日記
合流をめざす国民民主党と自由党が、原発や安保などの基本政策で合意したという。以前、私は本ブログで以下のように書いた。両党の関係者がこの私の意見を聞いたわけではないだろうが、私のような批判的意見は、案外多かったのかも知れない。国民民主党の玉木代表と、自由党の小沢代表の言動をみると、彼らがこうした批判をかなり意識し、気にしていることがうかがわれる。

本ブログで、私は次のように書いたのだった。

「反安倍」、「非自民」「政権獲得」という合言葉で結びついても、それ以外の政策面で違いがある以上、しょせんは烏合の衆。「小異を捨てて大同につく」などときれいごとを言っても、いったん事があれば相互の反目は免れず、これでは政権政党の体をなさない。
             (2月9日《野党結集への道 まだまだ遠し》)

国民民主党と自由党は、合流して政権政党をめざす限りは、政策合意を欠かすわけにはいかない。両党が原発や安保などの基本政策で合意したことは、両党が政権政党たらんと意識していることの明確な表れだと言えるだろう。

注目すべきは、この合意が小沢代表の全面的譲歩によって成立したことである。次のような報道がある。

国民民主党と自由党は党の合流に向けた政策協議を行い、原発や安全保障、消費税などの基本政策について合意しました。
自由党・小沢一郎代表:「国民民主党の基本政策の趣旨で理解してもらいたいということなので私としては、『分かりました』ということで合意致しました」
国民民主党の平野幹事長と自由党の小沢代表は合流の前提となる政策協議を行い、国民民主党が掲げる原発や消費税、安全保障などの基本政策を自由党側が受け入れることで合意しました。焦点となっていた原発政策については、国民民主党は条件付きで再稼働を認める立場ですが、事実上、再稼働は不可能だとして自由党側が理解を示しました。
                    (テレ朝ニュース3月2日配信)

次のような情報もある。

原発政策について、自由党は再稼働を認めない考えですが、条件付きで再稼働を認める国民民主党の政策を受け入れました。これについて、小沢代表は「最初から『ノー』と言うか、条件を並べるかの違いで、結論的には一緒だ」と意見の一致を強調しました。
                    (テレ朝ニュース3月4日配信)

苦しい詭弁を弄してまで相手に取り入り、合意を得ようとする態度は、豪腕で鳴らした小沢代表らしからぬ軟弱ぶりだが、政策へのこだわりよりも、政権へのこだわりのほうが勝ったということだろう。政策など、この男にとっては、しょせん政権獲りの方便に過ぎないのである。

その証拠に、政策の面でみれば、今回の合流劇は自由党が国民民主党に吸収合併された形だが、権力面からみれば、実態はその逆であって、自由党が国民民主党を呑み込んだ趣きである。それを象徴するのが、次の出来事である。参院予算委員会の野党筆頭理事に、自由党の武闘派・森ゆうこ幹事長が、国民・自由の統一会派を代表する形で就任したというのである。

策士の小沢代表は、次は今回の政策合意などかなぐり捨て、いよいよ立憲民主党を呑み込みに掛かるだろう。さて、ヘビに睨まれたカエルの枝野代表は、これにどう対処するのか。イチロー劇場から目が離せなくなってきた。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする