「ゆるちょ・インサウスティ!」の「海の上の入道雲」

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オトコの評価は、同時代の世間と最後は同時代のオンナが決めるモノ!「足利義昭さん」!

2014年10月06日 | 夜の日本学


一人の髪の毛の長い背の高い細身の女性が机に座り、ノートパソコンを叩いています。

彼女の名はレイカ(31)・・・とある雑誌の取材記者です。

「えー、それでは、タケルさん、夜の日本学「先人考察編」・・・お願いします。今日は誰について語ってくれるんですか?」

と、レイカはノートパソコンを叩きながら、赤縁のメガネを手で直し、こちらを見つめます。

「うん。そうだな・・・今日は足利将軍家シリーズとしては取り上げないわけにはいかない、足利将軍家最後の将軍「足利義昭」をとりあげてみようか」

と、タケルは話し始めます・・・。


さて、今日の「夜の日本学」はじまり、はじまりー・・・・。


「タケルさんは前回の「先人考察編(男性)」で足利義政を取り上げた時に」

「「「将軍の性格ポテンシャル」と「将軍の判断力ポテンシャル」を義政が無くしたばっかりに足利将軍家が「求心力」を失い、幕府の機能を失い、日本の秩序が破壊され」

「「その結果、守護大名が勝手に私戦を始め、それが「応仁の乱」及び戦国時代に突入するきっかけとなった」と、していますね」

と、レイカは言葉にする。

「・・・となると、この足利義昭に対する、タケルさんの評価はどうなりますか?」

と、レイカ。

「うーん、僕から言わせると、血に頼らざるを得なかった足利将軍家の「出がらし」・・・程度の評価かな」

と、タケル。

「足利義昭と言えば、上杉謙信や武田信玄、本願寺や毛利家など、いわゆる信長包囲網を作り上げた人物として有名ですけれど、それは評価しませんか?」

と、レイカ。

「別に足利義昭が書状を送らずとも、自然と織田信長は、それらの武将達の敵になったから、彼の存在は別に必要ないんだ。人間的にもだらしがないし」

「歴代の足利将軍家が行ってきた、禁裏修繕もしていない事から朝廷からも非難があがっている。吉田兼見は前将軍の足利義輝と比較しても」

「その行動が不誠実としているんだから・・・足利義輝も相当お金に困っていたにも関わらず、義務を果たしているところを比べても」

「足利義昭の、その人物像は「義務を果たさず、自分のしたい事だけする・・・単なるわがまま」と客観的に評価してもいいと思うね」

と、タケル。

「将軍としてのプライドだけはあるようですけど・・・でも、信長に上洛させてもらった後、その信長とあまり年齢は変わらない(信長が3,4歳上なだけ)のに」

「その信長を「御父」と呼んだのはあまりにも有名な話ですね」

と、レイカ。

「人間的に軽い人物なんだよな。重厚さの欠片もない。この人はいろいろ流浪したり苦労したりはしているんだけど、それが身にならないタイプの人間だったんだろうね」

「そういうタイプの人間っているじゃん。なにもかも人任せで「きっと誰かが助けてくれる」って、常に思っていて「なにしろ、自分は足利将軍家の血筋じゃから」的に」

「思っているからこそ、常に「他力本願」だから、一切、成長しないわけ。だから、人間的な中身は「空疎」。まあ、究極の「かまってチャン」だろうね、この人」

と、タケル。

「でも、「信長包囲網」を作り上げた人物としては、戦国時代の中でも高い評価を受けれる戦略家と言う見方も一方ではあるようですけど・・・」

と、レイカ。

「いいかい。その人物を評価する時に大事なのは、「その人物がいなければ、その事実が現実化しなかったかどうか」と言う視点が大事なんだ」

「例えば信長がいなければ、秀吉も家康も「天下統一」など出来なかっただろう。信長がいい意味でも悪い意味でも「天下統一」実施者のモデルになったからこそ」

「後年の秀吉、家康の活躍があるんだ。だからこそ、信長の存在の評価は高いんだ」

と、タケルは言葉にする。

「・・・それに比べて、足利義昭が存在していなくても、「信長包囲網」は信長に反発する武家や宗教組織によって作られていた事は確実視出来る」

「であるなら、足利義昭の価値はないだろう?足利義昭でなければ出来なかった事があるなら、足利義昭に価値も出てくるけど」

「結局「義務を果たさず、自分のしたい事だけをする・・・単なるわがままにして、究極のかまってチャン」なんだぜ・・・あとは推して知るべしだよ」

と、タケル。

「なるほど・・・確かにそう言われれば、彼に価値はありませんね・・・」

「・・・とりあえず、足利義昭の人生を見ていきますけど・・・彼は僧として興福寺に入れられ、「権少僧都」にまでなっているんですね」

「そのままいれば、興福寺の別当(当主)となっていたようですね・・・」

と、レイカ。

「「権少僧都」と言えば、大雑把にいって、少佐の手前、大尉の上くらいの位階だから、まあ、管理職には向いている性格だったんだろうね」

「管理職に向いている性格ってのは、要はサラリーマン的思考しか出来ない人間ってことで「長いものには巻かれろ」的価値観を持ち」

「「勉強だけが得意な「学級委員脳」」の「知識者」の「俺偉い病」にして「思考停止者」、だから、プライドだけは高いけど」

「空気は読まないし、読めないし、勉強した事しか身につかない。要は経験から学ぶ事が出来ない。だから、「知恵」も出来ない」

「・・・ま、「他力本願」だから、一切成長出来ないんだから、どうしようもない「かまってチャン」ってところだろうね」

と、タケル。

「うーん、彼って調べてみると、いろいろ放浪しているんですよね。結構苦労しているはずなんですけど、それが身になっていないイメージですね」

「常に自身の血の価値のみを信じ、常に他力本願だから・・・他者が自身の為にチカラを尽くしてくれるのが、「有り難い」ではなくて「当然」と考えているから」

「ある意味、「傲岸不遜」と考えてもいいんですよね、日本人としては・・・」

と、レイカ。

「「知識者」の「俺偉い病」にして「思考停止者」そのものだね・・・成長しないはずだ・・・」

と、タケル。

「彼は還俗した折、名を「義秋」と名乗っているんですね・・・これは秋の字が「冬に向かう、不吉な字」と識者から指摘されて、その後、義昭とするんですが」

「このあたりもセンスが悪いというか・・・「足利将軍家に連なるぞ」という大志があれば、最初からわかるだろうにって思いますね」

と、レイカ。

「まあ、風流に「秋」の字を選んだんだろうけど・・・自分の置かれた立場を理解していない発想だね」

と、タケル。

「足利義昭と言えば、信長の権威的後ろ盾となった後、上京し、カタチばかりの室町幕府の再興を遂げますが・・・」

「その後、絶対の権力者、織田信長に、1569年に「殿中御掟」と言う掟を言い渡されていますね・・・」

「それが、結果的に21箇条になるんですが・・・例えばその裏を返すと足利義昭がいろいろ独断でやっている事が見え隠れします」

と、レイカ。

「例えばどんな事?」

と、タケル。

「幕臣が信長の許可も得ずに将軍と直接話し合ったり、訴訟を直接将軍へ直訴したり、申次を経ずに将軍と話したり・・・陰陽師を呼んだり」

「比叡山の僧兵を屋内にいれたり、僧侶や門跡を屋敷内にいれていたみたいですね、足利義昭は・・・」

と、レイカ。

「さらには・・・追加の掟で指摘されているのは、こそこそと秘事を企画して御教書を全国の大名に出して、信長討滅を図っていると言うことですね、義昭が・・・」

と、レイカ。

「それが信長包囲網ね、いわゆる・・・」

と、タケル。

「面白いのは・・・義昭が全国の大名に領地を与えていたらしいんですが、それに対して「義昭には領地が無いのだから、信長の領地から都合をつけること」なんて」

「のもあって・・・信長は、義昭の妄想気味の性格を治そうとしたんでしょうかね」

「・・・あと「天下が太平になったのだから、将軍はちゃんと儀式をやれ」みたいな事も書いてあって」

「義昭の怠慢ぶりを指摘する条項もありますね・・・」

と、レイカ。

「さらにその中でも、すごいのは「信長は将軍の上意なくとも、信長の判断で成敗出来る」としているところで」

「・・・要は将軍などカタチばかりであって、権力を握っているのは、この信長なのだ・・・と宣言しているところなんですね。これすら理解していない義昭は」

「何も見えていない妄想狂と言ってもいいでしょうね」

と、レイカ。

「妄想狂か・・・それはドンピシャな表現だね、足利義昭に対する・・・」

と、タケル。

「その後、悪癖の止まない足利義昭に対し、信長は21箇条にも及ぶ意見書を出しているのですが・・・この中でも面白いのが・・・」

「「諸事につき欲が深く、理も非も外聞も気にかけられぬ公方様と世間は言っております。そのため、何も知らぬ土民百姓までが悪将軍と呼んでいます」」。

「「普光院(足利義教)殿がそのように呼ばれたと言われていますが、それならば格別な事であります」」。

「「何故そのような陰口を言われるのか、よくお考えになって、御分別を働かせていただきたいものです」と言うところですね・・・」

と、レイカ。

「ほう。信長は足利義教の存在にもちゃあんと気づいていた証左にもなるけど」

「・・・足利義昭って、この人、幕府の米を密かに売りさばいて、お金に換えたりもしているんだよね」

と、タケル。

「ええ、それも指摘されてます。「商売をする将軍など見たことも聞いたこともない」みたいに書かれています」

と、レイカ。

「なんだか、このあたりを見ていると・・・すっげー、似た人間を思い出した・・・」

と、タケル。

「そのタイミングで・・・タケルさんに改めて聞きますが政治家の評価と言うのは、どのように具体的にやればいいんでしょう?」

と、レイカ。

「ま、基本的にはどのような事をやり、日本の歴史にどのような影響を与えたか?という視点で眺めればいいのかな、と思うね」

「あと、同時代の世間からの評価と同時代の女性に愛されたかどうか?と言うのも大事な視点になると思う。あとは当然、似た政治家との比較かな」

と、タケル。

「足利義昭に似た政治家・・・誰か思いつきますか?」

と、レイカ。

「血筋に絶対のプライドを持ち、わがまま放題だった政治家にして、カネに汚く、自分によくしてくれた人間には褒美をやりまくって」

「秩序の崩壊を招いたオトコ・・・もちろん、忠臣に意見書を書かれた事も共通している・・・」

と、タケル。

「そのオトコの名は?」

と、レイカ。

「この日本で最もダメな政治家・・・南北朝を創りあげる原因ともなった・・・後醍醐天皇その人だよ・・・」

と、タケル。

「いましたね・・・わがままで、嘘つきでカネに汚い・・・最悪な政治家だった後醍醐天皇・・・確かに、足利義昭のあり方とそっくりですね」

「彼も忠臣と言われた、北畠顕家にその行いをたしなめる意見書を出されていました」

と、レイカ。

「結局、血脈にしかプライドの無い人間は、同じあり方になると言う証左かな、これは・・・」

と、タケル。

「でも・・・足利義昭と後醍醐天皇を見比べると・・・まず、歴史的な価値と言う点で見れば、後醍醐天皇は理由はどうあれ、機能不全状態に陥っていた」

「鎌倉幕府を倒し、新たな秩序作り・・・言わば秩序のリセットを行った際の権威の後見人役を務めています」

と、レイカ。

「そうだね・・・そこは大きい価値だ。まあ、彼には当時最新の政治的知識宋学があったから、その知識を背景にした天皇親政の世を実現しようとした意欲は買える」

「ただ、時代はすでに武家中心の時代になっていたし、彼が考える程、後醍醐天皇自身に政治の才能が無かった・・・と言うのが実際のところだけどね」

と、タケル。

「宋学・・・彼は真言立川流を基本とした考えを持っていたんですよね?男女の交合の時に女性が分泌する愛液をドクロに何千回と塗って、秘具を作り」

「それをご神体に見立てる政治・・・まあ、一見卑猥そうですけど、男女の交合をこの世のしあわせの象徴と見る考えは世界中にあるし、言わば素朴な考えなんですよね」

「柿本人麻呂が奈良時代に日本人のしあわせのカタチとして見つけた「玉藻成す」だって、要は男女の交合こそ、日本人の最高のしあわせのカタチと」

「言っているようなモノですからね・・・」

と、レイカ。

「さらに言えば、同時代の世間的評価と言う点で言えば・・・後醍醐天皇は、政治を始める迄は、英雄として見られていたわけですから・・・」

「彼は天皇親政などやらずに、政治は足利尊氏に任せて、天皇として、権威の絶頂を味わえばよかったんですけどね・・・」

と、レイカ。

「ま、そういう判断の出来ないわがままちゃんだったんだよね・・・後醍醐天皇は・・・」

と、タケル。

「もう一点・・・同時代の女性の評価と言う点で言えば、後醍醐天皇には、付き従った女性が・・・三位局とも呼ばれた阿野廉子がいました」

「彼女は隠岐にも付き添い、京にも付き添い、その後、後醍醐天皇が吉野に脱出した時も付き添っていて・・・彼女の信頼厚かった後醍醐天皇と言う構図が」

「見られます・・・」

と、レイカ。

「それに対して足利義昭は、どうだったかな?」

と、タケル。

「歴史的には・・・織田信長が京にデビューする時の権威の後見人役・・・それは足利尊氏に対する後醍醐天皇と全く同じあり方になりますね」

「でも、タケルさんが指摘した通り、その後、彼は歴史的には、無用の長物となります。権力者信長は、意見を言わないそれ以上の権威、天皇を利用しだしますし」

「室町幕府も実際には無用の長物と化していますしね・・・」

と、レイカ。

「同時代的な世間の評価と言えば、上でも見ましたが・・・」

「「諸事につき欲が深く、理も非も外聞も気にかけられぬ公方様と世間は言っております。そのため、何も知らぬ土民百姓までが悪将軍と呼んでいます」」

「ですから・・・最低の評価ですよね・・・」

と、レイカ。

「さらに言えば、彼の周囲に名のある女性がいない。まあ、側女や手伝いの女性などはさすがにいたのでしょうけど、三位局とも呼ばれた阿野廉子程の女性は見えない」

「・・・悪将軍と言われた足利義教とは実績的にも月とスッポンだし、彼の場合、単なるアホと言う評価ですから、名のある女性には蛇蝎の如く嫌われたと」

「考える方が自然でしょうね・・・」

と、レイカ。

「ま、同時代の女性に嫌われるようじゃ・・・それがそのオトコの評価を端的に語るよね・・・」

と、タケル。

「このオトコ、最後は秀吉に拾われ、一万石の大名にしてもらい、「唐入り」の肥前名護屋城にまで、従軍したようですよ」

「元将軍として、他の武将に崇められ、秀吉の御伽衆に加えられて、秀吉のいいおしゃべり相手だったとか・・・このあたりが彼にとって」

「一番過ごしやすい時代だったかもしれませんね・・・」

と、レイカ。

「結局、オトコとは、最終的には、自分の能力に見合った場所に流れ着くと言う事だろう。秀吉のおしゃべり相手くらいが、足利義昭の最も見合った場所だったんだろうね」

と、タケルは結論を言い抜いた。


「タケルさん・・・足利義昭と後醍醐天皇の共通点を最後に見つけました」

と、レイカが言う。

「ほう、どんなところ?」

と、タケル。

「時代は、もう、自分に出番を与えていないのに、勝手にしゃしゃり出てきて政治をやろうとして、否定された・・・時代の見えないアホ」

「・・・それこそ、足利義昭と後醍醐天皇の最終的な評価です」

と、レイカ。

「・・・二人とも、時代の見えないアホか・・・いい結論だ」

と、タケルは笑った。


「さて、結論も出たようだし、んじゃ、レイカちゃん、今日も飲みに行こうか」

と、タケルは言葉にする。

「はい、どこまでもお供します」

と、レイカは言うと、赤縁のメガネを取り、髪を解いた。


(おしまい)


結局、人間とは、同時代の世間と同時代の女性が端的に評価してくれると言う事でしょうね。

後醍醐天皇と足利義昭・・・非常に似ているけれども、同時代の女性に最後まで愛された後醍醐天皇と、

女性の影の見えない足利義昭・・・そこに大きな違いがあったと言うことでしょうね。


結構、楽しめた、今回になりました。


ではでは。

恋の歌はやっぱり楽しい!なんとこの女性の母親はあの人!「大弐三位さん!」

2014年10月03日 | 夜の日本学


一人の髪の毛の長い背の高い細身の女性が机に座り、ノートパソコンを叩いています。

彼女の名はレイカ(31)・・・とある雑誌の取材記者です。

「えー、それでは、タケルさん、夜の日本学「歌入門編」・・・お願いします。ええと、歌入門編の日は、割りと楽しくやっていこうということでしたよね?」

と、レイカはノートパソコンを叩きながら、赤縁のメガネを手で直し、こちらを見つめます。

「そうそう。日本においては「歌の前の平等」という事が言われているから、まずは入門して、あれこれ語りながら、理解を深める感じかな」

と、タケルは話します。

「ということなら、私も楽しく参加させて頂きますわ。じゃあ、ミルクティーなど飲みながら、のんびり始めていきましょう」

と、レイカはミルクティーを用意しています。

「ま、金曜日だし、のんびり行きたいね」

と、タケルは笑顔になりながら、言葉にするのでした。


今日の「夜の日本学」はじまり、はじまりー・・・・。


「えーと、基本的に、この「歌入門編」では、とにかく最終的には歌が詠めるようになりたいわけだけど、まあ、急がず、それに古語の勉強は、一切する気がないので」

「どちらかと言うと、時系列的に歌を鑑賞することで「歌心」を自分の中に育てて行く事を目的としているのね」

と、タケルは言葉にする。

「そうですね。わたしもその方が楽しく歌の世界に触れる事が出来て・・・王道だと思いますよ」

と、レイカ。

「それに・・・万葉集から始まり、古今和歌集も勉強して、柿本人麻呂などの万葉の歌人の歌にも触れたし、古今和歌集では、在原業平さ、小野小町さんの」

「大人のオトコマエの男性、女性の恋歌が一番価値があるし、面白い事も知りました。次はどういうカタチで歌を楽しみますか?タケルさん」

と、レイカ。

「まあ、柿本人麻呂を万葉の歌人の代表と考えれば、次に楽しんだ、在原業平と小野小町は、紀貫之に評された六歌仙と言う事になる」

「・・・となれば、次は、やはり、女流歌人の歌をそれぞれ楽しむのが筋かと思うんだ」

「和泉式部、大弐三位、赤染衛門、小式部内侍、伊勢大輔と言った人達だね・・・このあたりを楽しんでから、日本人の美意識の原点、百人一首に入って行こうと」

「思っている・・・百人一首は、それこそ日本人が持つべき基礎知識中の基礎知識になるからね・・・」

と、タケル。

「じゃあ、今日は女流歌人の誰から、見ていきますか?」

と、レイカ。

「大弐三位から、行ってみようか?どんな歌があるんだろうね?」

と、タケル。

「今から、楽しみです!」

と、レイカ。


「えー、大弐三位さんは・・・なんと、あの紫式部さんの娘さんなんだね・・・」

と、タケル。

「え?昨日、見た「源氏物語」の作者「紫式部」の娘さんですか・・・なんと言う巡り合わせ!」

と、レイカ。

「・・・と言う事で、もちろん、最初に仕えたお妃は、彰子様・・・この大弐三位さんもお母さんの書いた「源氏物語」を読んでいるだろうし」

「影響も受けているんだろうね」

と、タケル。

「子供の頃から、ませた女性になっていたでしょうね・・・ま、面白そうです」

と、レイカ。

「早速、歌を鑑賞していこう」

と、タケルは言葉にした。


詞書「高陽院の梅の花を折りてつかはして侍りければ」


「いとどしく春の心の空なるにまた花の香を身にぞしめつる」

(ただでさえ春は心がうわの空になりますのに、その上また贈って下さった梅の花の香を身に染み付けて、いっそう浮き浮きした気持ちになりました)


「なるほど・・・これが紫式部さんの娘さんの歌か・・・」

と、タケル。

「なかなか、女性っぽい本音の出た歌ですね。それでいて上品にまとめられていて、いい感じですね」

と、レイカ。

「女性からすると、歌にどれだけ上品に本音をプレゼン出来るか・・・それによってわたし的には秀句か秀句じゃないかの分かれ際になる感じですね」

と、レイカ。

「これ、藤原頼通が梅の花を贈ってきた事に対する返礼の歌なんだね。「心の空なるに」という言葉が実は「わたしの事思ってないんでしょう?」」

「「浮気している噂は聞こえていますよ」と言う意味を持たせているんだ・・・いいね、辛辣な女性は僕は大好きだ」

と、タケル。

「頼通のその時の返歌が「そらならばたづね来なまし梅の花まだ身にしまぬ匂ひとぞ見る」という歌で要は」

「「そう思うなら、うちに来なよ。まだ、浮気相手の女性の匂いには埋もれていないよ」と言う意味の歌で・・・なかなか素敵なやり合いですよねー」

「こういうやりとりが大人の男女のやりとりですよね。頼通も、大弐三位が自分の事を思っていることをちゃんとわかっていて」

「そういう歌を返しているんですから・・・」

と、レイカ。

「やっぱり、大人の男女の恋のやりあいこそ・・・歌の世界の本質だよね・・・」

と、タケル。

「はい。わたしもそう思います・・・」

と、レイカ。


詞書「梅の花にそへて、大弐三位に遣はしける」権中納言藤原定頼


「こぬ人によそへて見つる梅の花ちりなむ後のなぐさめぞなき」

(花の香に、いつまで待っても来てくれない人を偲びながら、我が家の梅を眺めていたんすけどね。ま、花が散ってしまったら、後はもう何も慰めがないっすよ)


返し


「春ごとに心をしむる花の枝(え)に誰(た)がなほざりの袖かふれつる」

(春が来るたび、あなたの家の梅の花を心待ちにしていたのに、その枝に、誰が袖を触れさせたの?。私みたいに深い思い込みもなく、いい加減な気持ちだわ、その女性)


「これは面白いね。まあ、大弐三位さんはモテモテなわけだけど、大弐三位さんが上手いんだよね。こう、男性陣の事をわたしは好きなのに」

「他の女性が悪いのよ、もう・・・みたいな色気のある返事を出しているから・・・歌を送る方も満足するよね、この反応だったら」

と、タケル。

「そうですね、わたしは好きなのに・・・誰かがあなたにちょっかいを出しているんでしょう?わたしは深く思っているのに・・・って事ですからね」

「たしなみもありながら、堂々と自分の気持ちを歌に詠み込んでいるところが秀逸ですね・・・こういう女性、好きですね、わたしは。オトコマエです」

と、レイカ。

「まあ、従三位まで登る女性だからね・・・そこらへんは胆力のある女性なんだろうね」

と、タケル。

「ええ、それは同感ですね・・・」

と、レイカ。


詞書「永承五年六月五日祐子内親王の家に歌合し侍るによめる」


「吹く風ぞ思へばつらき桜花心とちれる春しなければ」

(吹きつける風ってば、思えば無情なものよね。桜の花は春ごとに散るけれど、いつも自分の意思で散っているのではないんだし・・・)


「これは女性の愚痴を詠み込んでいるね。恋はいつも、自分の意思通りにいかない・・・男性の思惑で、自分の意思とは別に散る恋もある・・・そんなところかな」

と、タケル。

「そうですね。女性の身の不安定さや、女性の恋がいつもうまく行くとは限らない・・・男性によって散らされた自らの恋を歌っていますね」

「その場にいた、同じ女性なら、わかるはずです・・・」

と、レイカ。


詞書「ほととぎすをよめる」


「待たぬ夜も待つ夜も聞きつほととぎす花橘のにほふあたりは」

(待たない夜も、待つ夜も、あなたの声を聞いたわ、ほととぎす。橘の花の匂うあたりでは)


「橘の花をホトトギスが好むと言う事から、それにかけている歌なんだけど、ホトトギスを男性、橘の花を自分とすると」

「あなたがわたしに恋している間は、歌が贈られてきたけど・・・最近はさっぱりね・・・的に詠める感じだね・・・」

と、タケル。

「そういう解釈で、大弐三位さんは詠んでますね。女性は恋されているうちが華・・・恋されなくなった女性は・・・ねえ?っていう感じですね」

「待たない夜も、待つ夜も、あなたは歌を贈ってきてくれたのに・・・そういう女性的な思いが透けてみえます」

と、レイカ。


「はるかなるもろこしまでもゆくものは秋の寝覚の心なりけり」

(遥かな異国、唐の国までもゆくくらいの心持ちになったわ。秋の夜長の夜、目が醒めちゃって、眠りに戻れない時の夜の長さと言ったら・・・ホント長いのね)


「好きなオトコからの恋文が届いていた頃は遠い昔・・・最近は秋になっちゃって・・・いまいましいから早く寝たのに、それが仇になって」

「夜の途中で目が覚める・・・「まったく外国旅行に行く飛行機の中の夜って長いのよねー。ほんと、恋したーい」こんな感じの歌だね。面白い」

と、タケル

「当時は、もろこしこそ、外国旅行の代名詞ですものね・・・恋を懐かしがる・・・ううん、恋したい乙女ゴコロそのもののような歌です。はい」

と、レイカ。


詞書「中納言定頼かれがれになり侍りにけるに、菊の花にさしてつかはしける」


「つらからむ方こそあらめ君ならで誰にか見せむ白菊の花」

(あなたの私に対する態度には薄情な面があるけどー、それでもあなた以外の誰に見せると思うの、この白菊の花。もちろん、見せるのは、あなただけ・・・)


「思い切り、全告白って感じだけど、これ、藤原定頼さんの通ってくるのが途絶えがちになっている時に、起死回生を狙っての、大弐三位さんの定頼さんに向けた」

「ラブ・ミサイルなんだよねー。もちろん、これ、イチかバチかの策になるだろうけど・・・ま、定頼さんの性格にも依るけど、こういう時、オトコは大抵引くよね」

と、タケル。

「なんとなく、女性側が焦っている感じの歌ですよね・・・定頼さんの気持ちを自分に向けたい・・・その心情がモロに出てしまって」

「女性側が負けている感じがしますね・・・」

と、レイカ。

「オトコは追う恋は好きなんだけど、ぐわっと来られると・・・しかも、恋の終わりにそうされると・・・逃げる生き物だから」

と、タケル。

「女性も恋は追われるようにしないと・・・でも、それだけ、この頃の大弐三位さんにとっては、大事な定頼さんだったんでしょうね」

と、レイカ。


詞書「かれがれになる男の、「おぼつかなく」など言ひたりけるによめる」


「有馬山ゐなの笹原風ふけばいでそよ人を忘れやはする」

(有馬山、その麓に広がる猪名野の笹原――山から風が吹き下ろせば、そよがずにはいかないの・・・だからー、音信があれば、心は靡くものなの)

(音信さえ、あれば、あなたのことを忘れたりするものですか!風流さえ身につけた、いいオトコなんだし・・・)


「これまず、上の句にも出てきた「かれがれになる男」という表現だけど、自分のところへ通うのが途絶えがちになっているオトコと言う意味なんだね」

と、タケル。

「・・・と言うと、詞書の意味は「通うのが途絶えがちになってるオトコが「あなたの気持ちが見えないので不安なんです!」と言ってる」と言う意味になりますね」

と、レイカ。

「そういう事だね。・・・ていうか、今の世で言えば、LINEやってて既読になってるのに、返答が無いみたいなものか、これは」

と、タケル。

「そうね・・・だから、不安になって「どういうこと?」ってオトコが聞いてきた感じね・・・大弐三位さんは、割りとオトコにはいい顔したい女性みたいね」

「相手を否定とか、絶対にしないし・・・」

と、レイカ。

「ま、ここに載っていないだけかもしれないけどね」

と、タケル。

「そっか。それもあるかも・・・」

と、レイカ。


「うん、今日は大弐三位さんの恋の歌大会って感じで・・・なかなか、こういうのが楽しいよね、やっぱり」

と、タケル。

「ええ・・・大弐三位さんは、逃げられると追う女性と言う感じがしましたね。あと、男性には弱い感じがしたかな・・・」

と、レイカ。

「まあ、紫式部さんの娘だから、知性はあるにせよ、容貌的には、ねー」

と、タケル。

「そっか・・・そうでしたね。そこが彼女の弱点・・・とはいえ、多くの公家の公達に恋されているんですよね?」

と、レイカ。

「そ。なにしろ、従三位まであがる女性だから、性格的にも強いところがあったのかもしれないね・・・」

と、タケル。

「ま、大弐三位さんの歌はまだあるから・・・そこは来週のお楽しみですね」

と、レイカ。

「ああ、そこを楽しみに・・・今日はこれくらいにしよう」

と、タケルは笑顔で言った。



「ま、勉強は始まったばかり・・・焦らずのんびり、言葉にしていこう」

と、タケルは言うと、

「さ、レイカちゃん、飲みに行こうか」

と、タケルは机の上を片付け始める。

「はい。お伴します」

と、レイカはメガネを取り、髪を解いた。


(おしまい)


金曜日の夜・・・まあ、こういう日は楽しく飲むに限りますね。

焼き肉なんかやりながら、ビール。

ま、レイカちゃんと楽しく飲んじゃお!ってなところで、

週末に繰り込んでいく感じですかねー。


ではでは。

天下人の人間性は皆同じだった!(それ出来なくちゃダメじゃん、ねー!)

2014年10月02日 | 夜の日本学


一人の髪の毛の長い背の高い細身の女性が机に座り、ノートパソコンを叩いています。

彼女の名はレイカ(31)・・・とある雑誌の取材記者です。

「えー、それでは、タケルさん、夜の日本学「戦国武将考察編」・・・お願いします。今日は誰について語ってくれるんですか?」

と、レイカはノートパソコンを叩きながら、赤縁のメガネを手で直し、こちらを見つめます。

「うん。そうだな・・・3英傑のひとりにして「平和の完成者」「徳川家康さん」を見ていこうよ」

と、タケルは話し始めます・・・。


さて、今日の「夜の日本学」はじまり、はじまりー・・・・。


「僕は子供の頃から他家へ出された人質として過ごしていた家康にとって、その人質生活から、開放してくれた織田信長と言うアニキは」

「家康にとっては神様とも慕いたい人物だと思っていたと考えているのね」

と、タケルは言葉にする。

「なるほど・・・まだまだ、母親の傍で甘えたい盛りの小さな頃から他家へ人質に出され忍従の生活をしていた松平元康にしてみれば」

「17歳の梅雨の時期に起こった「桶狭間の戦い」程、彼の境遇を一変させたイベントはそれまでなかったわけですからね・・・」

と、レイカも言葉にする。

「彼はそれを契機に帰りたくても帰れなかった岡崎城に入城し、今川義元に対する偏諱を捨て「元康」から「家康」に即刻名前を変えている」

「このあたりにも、家康の人質生活への苦い思いが透けて見えるね」

と、タケル。

「国主でありながら、自分が若年なのをいいことに、今川義元は、人質として扱い、三河衆は常に先陣で、要は戦での使い捨て要員・・・」

「そのあたりの理不尽さを受け入れさせられていた事は後年の「律儀」と言われた家康の性格形成に多大な影響をもたらしたと言えるんだろうね」

と、タケル。

「もっとも、桶狭間の戦いでも、17歳の元康が先陣だった事が逆に功を奏したカタチになりましたけどね」

と、レイカ。

「ああ・・・そのあたりも、家康は信長を頼れるアニキと見た、要因になったかもしれないね」

と、タケル。

「僕は「絶対の知恵者」であり、「純思考者」であった信長だから、対今川義元戦略は早くから練っていたと考えているんだよね」

「今川家と織田家は、父の代からの敵対関係にあったわけだから、「純思考者」信長は、物心つく頃から、対今川戦略は考えに考え抜いているはずだからね」

と、タケル。

「そんな頃に隣国三河の次期国主の子供が織田家に人質としてやってきた。しかも今川家の人質となるはずだった子・・・もちろん、後の家康ですが」

「そういう人物が傍にいたら、好奇心旺盛大魔王の信長だったら、絶対に遭いにいったでしょうね」

と、レイカ。

「ああ・・・絶対に遊んでやったと思うね。「おぬしは覚えておらんかもしれぬが・・・わしはそなたと遊んでやったこともあるのだぞ」くらいの事は」

「家康に言っていたような気がするね。織田信長の事だ、それくらいは言っているさ」

と、タケル。

「その時の印象が家康の深層心理に残り・・・織田徳川同盟は長きに渡り続いたのかもしれませんね」

と、レイカ。


「先日、「夜の日本学」で見た通り、室町幕府第八代将軍、足利義政が将軍として相応しくない優柔不断でモノ事を決められない、仕事の出来ない中途半端人間として」

「育てられてしまったから、守護大名達にそっぽを向かれ、将軍として機能しなくなった。結果、守護大名達は勝手に徒党を組みだし、勝手に戦をし始めてしまった」

「この事実から見ても、日本を平和たらしめているのは、トップに君臨する人間のチカラ・・・いや、強い人間性で、本能的に相手を脅しながらも理性的に上手く調整出来る」

「ムードメーカーな人間こそがトップに君臨出来たのがこの日本だったんだよ・・・」

と、タケル。

「君臨と言うと、ちょっと意味が違いますよね?将軍直轄の兵団を持ち、軍事力も誇示しながら、将軍本人の人間力」

「・・・強い人間性が本能的に相手を説得し、守護大名達からその果断で正しい判定を出すチカラを愛され」

「物事の本質を見抜くチカラを持ち、それでいて、楽しく雑談出来、相手を本能から笑顔にすることが出来る」

「・・・そういうムードメーカーな調整力があるからこそ、守護大名達は、その人間性を愛し「この男の為ならば」と一肌も二肌も脱ぐ決意をする」

「・・・要はそういう愛された上に判断の正しさに守護大名達が舌を巻くから、守護大名たちに担がれ君臨出来る」

「・・・それが日本の将軍の必須な資質であったのに・・・そのお約束を忘れた日野家の馬鹿女達が義政をただのぼんくらに育ててしまったんですね・・・」

と、レイカ。

「ただ将軍家に生まれれば・・・血筋さえ確かなら、将軍職が務まると思った、馬鹿女達が日本を戦乱の世に貶めたのさ」

「もっとも、足利家日野家システムの限界が来ていたとも見れるけどね」

と、タケル。

「だから、ぼんくらな夫を作った日野家の責任として、その妻、日野富子があれだけの政治力を発揮した・・・そうとも言えますね」

と、レイカ。

「ああ・・・そこで、日本の・・・将軍家を頂点にし、室町幕府が農民までを保護するはずだった当時の日本の秩序は崩壊した」

「それは義政が将軍家になった瞬間、始まったんだ・・・もちろん、応仁の乱は、その序章に過ぎず・・・結局、誰もこの日本をまとめる事が出来なくなっちゃったんだよ」

「守護大名達は将軍家にそのチカラが無いと判断したし、そんな将軍家の為に働く気はさらさらなかったんだ・・・」

と、タケル。

「タケルさんが、過去、現代の政治批判の文脈で、当時の馬鹿首相、かんなおと氏が首相になった事で東日本大震災が起こり」

「「あの馬鹿が首相だから誰も働く気が起きないんだ。あいつだけは辞めさせろ」と主張していましたが、最近になって彼自身が「東電撤退」の捏造情報を作りだし」

「現場で喚き散らしたと言う首相として絶対にしてはならない失態を犯した事が明らかになりましたね」

「あの瞬間、皆、首相の事を嫌って、東電の吉田所長も「あの馬鹿、どうにかしろ」的な発言をしたとか・・・」

「「応仁の乱」は将軍が、かんなおと、守護大名の気分を吉田所長のセリフを当てはめると・・・その気分がわかりますね・・・」

と、レイカ。

「当時、かんなおとの命令なんて誰も聞かなかった、あいつが単なる馬鹿だって皆見抜いたから、口では調子よく合わせて、皆勝手に自分の信じる事をしていたんだ」

「「応仁の乱」の原因が、如実にわかるだろ・・・その例で・・・」

と、タケル。

「日本の秩序の崩壊はそのようにして始まるんですね・・・だから、馬鹿が首相になると日本の秩序の崩壊につながるんですね。もう、金輪際そういうカタチは」

「とらないようにしたいものですよね・・・現代の日本の為にも・・・わたし達の為にも」

と、レイカ。

「なにしろ、日本においては、イデオロギーで政治集団が出来ているわけじゃないからね。仕事の出来る人間は自民党に入る事が出来」

「仕事も出来ず、時代も見据える事の出来ないダメダメくんが野党に入ると言う構図だからね・・・民主党なんか、反自民と言うそれだけが旗印の」

「アンチ党に過ぎないから、いつまで経ってもまとまれないし、政治と言うのは日本文化への挑戦でもあるから、アンチ自民党と言うだけで」

「日本文化を否定している集団だから・・・誰も相手にしないのは目に見えているんだよ・・・ま、日本の政治の説明はこれくらいにしよう」

と、タケル。

「さて・・・そこで日本の秩序を崩壊させ、守護大名達も勝手に動き出し・・・その瞬間、室町幕府は単なるお飾りの組織と化した」

「・・・よく日本の政治・・・特に首相の機能として「求心力」と言う言葉が出てくるけど、要はその人物に対する絶対の信頼やら、期待などがあるんだけど」

「それを裏打ちするのが、その人物のデカイ人間性やムードメーカー的コミュニケーション能力なんだよね・・・」

と、タケル。

「室町幕府で言えば、足利義教までは、それがあった・・・と言う事ですね。そして、足利義政がその人間力の低さから「求心力」が皆無だったからこそ」

「守護大名達が勝手に動き出して、結果「応仁の乱」を招き、時代は戦国時代へ突入した」

と、レイカ。

「「応仁の乱」で一旦、日本の秩序は崩壊するし、以後の室町幕府も、将軍家も何の意味もない、ただのお飾りになる・・・」

「そこで、それを収集し、「和を以て貴しとなす」を実現出来る、統一国家として復活させようとしたのがこれまた、人間性のデカくて強い」

「オトコマエ3要素「好奇心旺盛」「チャレンジングスピリッツ旺盛」「サービス精神旺盛」なアニキ、織田信長さんだったんだ」

と、タケル。

「そうか・・・よく、足利義教と織田信長が似てると言う事が指摘されますが、それは当たり前だったんですね」

「つまり、この日本でトップに君臨出来る性格や人間性は決まっているんだから・・・そういう人間性を持った人間しか、日本のトップは取れないと」

「言う事ですから、似てて当然。いや、似るのが必須なんですね?」

と、レイカ。

「そういう事になる・・・となれば、その後、日本のトップを取った徳川家康も同じ性格をしていた事になり・・・なぜ、家康が信長をアニキ視していたかも」

「当然わかるよね?」

と、タケル。

「信長アニキの中に、自分の中にあるのと同じ人間性・・・大きな人間性と強い人間性・・・そしてオトコマエ3要素があるのを見て」

「若い徳川家康は、さらに信長アニキを好きになった・・・そういう事ですか!」

と、レイカ。

「そういう事・・・であれば、秀吉と家康が肝胆相照らしあった理由もわかるよね?」

と、タケル。

「秀吉の中にも、大きな人間性、強い人間性とオトコマエ3要素があったから・・・ですか!」

と、レイカ。

「そ。ここまで見てきてわかるように、日本のトップに求められて登れる人間の人間性は、決まっているのさ」

「人間性が果てしなくデカく、そして、強い事。そして、オトコマエ3要素エンジン「好奇心旺盛」「チャレンジングスピリッツ旺盛」「サービス精神旺盛」の」

「このエンジンを備えて、日々を生きてきたオトコとオンナこそ・・・皆に求められて、この日本の要になれる人間の人間性なのさ・・・」

と、タケル。

「・・・と言う事はこの日本においては、その人間性がトップだから、オトコもオンナもその人間性の実現目指して生きていく事が肝要で」

「その人間性がどこまで自分の人間性において実現出来ているかを評価すれば・・・自分の評価が出来てしまうって事ですね?」

「人間性がまだまだ小さいから、30点とか、「チャレンジングスピリッツ」皆無だから、0点とか・・・」

と、レイカ。

「そうだね。皆に嫌われるのが、人間性が小さくて、要は「ケツの穴の小さい男女」。こういう人間は何かと言うとプリプリ怒ってるから誰からも相手にされないね」

「さらには人間性が弱ければ、誰も相手にしないよ。話す理由が無いからね。それにオトコマエ・エンジンがその人間の中になければ」

「将来的に成長が約束されないから、これも相手にする理由が無い事になるね」

と、タケル。

「つまり、タケルさんの言っている事をまとめると・・・人間は最初こそ、人間性も小さいし、人間性も弱く生まれる」

「だけどオトコマエ・エンジン「好奇心旺盛」「チャレンジングスピリッツ旺盛」「サービス精神旺盛」があれば、それが様々な経験を増やしてくれて」

「やがて、人間性のデカイ、人間性の強い、オトコマエで、なにより、場の空気を楽しく支配する事が出来るムードメーカーになれて」

「・・・これがすべからく日本人が目指すべき人間像・・・「将軍家の性格ポテンシャル」に行きつけると・・・そういう事ですね」

と、レイカ。

「そ。そこに、どれだけたどり着けるかで、この日本でのしあわせの成り方が違ってくるだろうね。「将軍家の性格ポテンシャル」まで行き着ければ」

「結果として、多くの男女が慕ってくれるし、多くの男女に愛されるからね」

「ま、外見的には、「美人の外見ポテンシャル」・・・オトコなら体脂肪率7%以下、オンナなら、体脂肪率10%以下と言うのが具体的数値になるよ・・・」

と、タケル。

「将軍家の性格ポテンシャル」と「美人の外見ポテンシャル」を持つ事がこの日本においては、しあわせになれる条件及びトップになれる条件と成りますか?」

と、レイカ。

「いや、「将軍家の判断力ポテンシャル」が抜けてた。いくらムードメーカーでも、判断力が無ければダメだ」

「むしろ、こっちの方が大事だから、「将軍家の判断力ポテンシャル」の方が「将軍家の性格ポテンシャル」より上位の概念になるけどね」

と、タケル。

「端的に言うと「将軍家の判断力ポテンシャル」は、どういうことになるでしょう?」

と、レイカ。

「まず、何かの事件が起こったとしよう。その時の「周囲の人間のすべての性格は掴んで置くこと」だね」

「それから、「自分が何かの判断を下した場合に周囲の人間が自分に付いてくると確信出来る事」」

「そしてもちろん、その事件の裏側に誰の意思が働き、誰が関わっているかを見抜き、「和を以て貴しとなす」が出来るような裁定を下し」

「果断に決断し、周囲の人間を率いて、皆がしあわせになるように事を納める方向で、果敢に攻める事が肝要・・・」

と、タケル。

「それは、巨大な武力を背景に、有力守護大名をたくみに挑発し、戦をしかけさせ、それを絶対的に鎮圧し、守護大名の弱体化を図り成功した」

「足利将軍の中でも傑出した権勢を誇った、足利義満を念頭に置いていますね?」

と、レイカ。

「もちろん・・・そして、織田信長さんは、足利義満のやり方も、足利義教のやり方も、平清盛のやり方も参考にしていたと考えられるからね・・・」

と、タケル。

「確かに、その4人は、「将軍家の判断力ポテンシャル」を持っている人物達ですね・・・」

と、レイカ。

「そして、もちろん・・・少々、「石橋を叩いて渡る」的慎重な性格でもありますけど・・・徳川家康も、その仲間に列しますね・・・」

と、レイカ。

「そういうことになる。天下人、将軍の資質はそういうものなのさ・・・皆、共通しているんだよ・・・でなければ、この「和を以て貴しとなす」が絶対正義の」

「日本には君臨出来ないのさ・・・」

と、タケルは結論を言い抜いた。


「わかりました。タケルさん・・・その続きは、お酒を飲みながらにしませんか?」

と、レイカは赤縁のメガネを外し、髪を解いた。

「レイカちゃん、本気だね。じゃ、気合いれて飲もうか!」

と、笑顔のタケルは机を片付けだすのでした。


(おしまい)


将軍になる為のパスポートとは何か?という事を念頭に今日の記事を書きました。

これって、日本人の100点満点の人間性、外見、判断力と言う事も出来ますね。

なかなか、面白い記事になったような気がします。


さ、仕事も終わったし、楽しく飲みに行きましょう。


ではでは。

「源氏物語」なんて単なる少女教育用のレディスコミックに過ぎない!(いや、すごいけどさ!)

2014年10月01日 | 夜の日本学


一人の髪の毛の長い背の高い細身の女性が机に座り、ノートパソコンを叩いています。

彼女の名はレイカ(31)・・・とある雑誌の取材記者です。

「えー、それでは、タケルさん、夜の日本学「先人考察(女性編)」・・・お願いします。今日は誰について語ってくれるんですか?」

と、レイカはノートパソコンを叩きながら、赤縁のメガネを手で直し、こちらを見つめます。

「うん。そうだな・・・以前、紫式部さんについて書いたんだけど・・・今日はその作品「源氏物語」を見ていこう」

「もちろん、今日一回と言うだけでなく、着想が進んだら、また見ていく・・・とにかくどこまでも追求していきたい題材だからね」

と、タケルは話し始めます・・・。


さて、今日の「夜の日本学」はじまり、はじまりー・・・・。


「まず、この「源氏物語」は誰の為にどんな目的があって書かれたか・・・それを明確にしておこう。レイカちゃん、通説を説明してくれるかな」

と、タケルは言葉にする。

「はい。通説として言われているのは、当時の一条天皇には、当時の摂政・関白を務めた藤原道隆の娘定子が皇后でした」

「この定子は、一条天皇より四歳年上で、美しいだけでなく、あらゆる文化的才能を身につけていました。この定子のサロンにあの清少納言がいたんですね」

と、レイカ。

「清少納言の「枕草子」は、文学好きな一条天皇を喜ばす為に書かれたとも言われているね」

と、タケル。

「そうなんです。そして、一条天皇はこの定子を殊の外に気に入り、そのサロンに入り浸るんですが、一方で当時の有力者になりつつあった」

「藤原道長がその娘、彰子を後宮に入れています。道長とすれば、この彰子を一条天皇に気に入ってもらい、その子を作ってもらいたい」

「しかし、当の彰子はまだ、12歳でまだ、子供と言ってもいい年齢で、一条天皇も、そういう目で見ていたようです」

と、レイカ。

「道長からすれば、自身が政権を奪取した暁には、この彰子に一条天皇の子をもうけてもらって、政権の安定化を図りたい・・・」

「しかし、当の彰子はまだ子供、一条天皇も、そういう目でしか彰子を見ていないから、お気に入りの定子のところへ入り浸り」

「なかなか、彰子の元には訪れない・・・彰子の子供っぽさ、その彰子の元に、なかなか訪れない一条天皇、と言う2大ネガティブに遭遇した」

「藤原道長が考えた、それをポジティブに変える方策こそ・・・紫式部に「源氏物語」を書かせ、文学好きな一条天皇の前で、朗読の上手い女に朗読させ」

「ま、現代で言う、朝のテレビ小説的に・・・一条天皇をその物語のファンにさせちまおうと言うのが、道長の第一の作戦だったと思うね」

と、タケル。

「なるほど・・・まずは彰子の部屋に一条天皇が通う策を成したと言う事ですね?」

と、レイカ。

「もちろん、「源氏物語」を道長がプロデュースしたわけじゃない。多分、旦那に早くに死に別れた紫式部が、暇にまかせて「オトコとオンナの物語」を」

「書いていたのだろう。それを他人に見せ、その反応を楽しんでいた噂は千里を走り、道長の元に「面白い「オトコとオンナの物語」を書く女性がいます」」

「という情報としてもたらされた・・・定子が「清少納言」の「枕草子」で一条天皇を釣っているのを見ている道長は「これだ」と言うことで」

「そのオンナを一条天皇を釣る「餌」とする事を思いついた・・・そう考えるのが自然だね」

と、タケル。

「じゃあ、紫式部は初めから「清少納言」をライバル視していたんですね。だから、日記に清少納言の悪口が書いてある・・・謎が解けました」

「清少納言は、紫式部に関して口を開いていないばかりか、気にも止めていない風情。当たり前ですよね、だって彼女は好きに思ったことを「枕草子」に」

「書いていただけで・・・清少納言は「知恵者」の「純思考者」の賢い女性ですもんね」

と、レイカ。

「そ。ここに「枕草子」と「源氏物語」の構造的本質的違いがある。「枕草子」はそれこそ、清少納言が思ったことを素直に綴ったエッセイそのものだ」

「誰かに見せると言う意図がはじめに有りき、と言うより、「思ったことを書き留めたい」と言う清少納言の意図が最初にある」

「しかし、「源氏物語」は、最初から一条天皇を喜ばせる意図を持って書き出されている。だから、男女の恋愛物語なんだよ」

「もちろん、日本人の最高のしあわせ物語が「玉藻成す」と言うことは、それこそ奈良時代、柿本人麻呂が働いていた宮中だから、皆当然の如く知っていただろう」

と、タケル。

「なるほど・・・一条天皇に「朝のテレビ小説」のように、聞かせる為に、その意図を持って「源氏物語」は書かれた・・・」

「この前提が出来ると、なぜ、源氏物語の主人公に抱かれた女達がしあわせになれないか・・・そのからくりがわかってきますね?」

と、レイカ。

「ほう。それはどういうこと?」

と、タケル。

「「二人はしあわせに暮らしましたとさ、めでたしめでたし」となったら、お伽話は終わりじゃないですか。だから、一条天皇に次の話を期待させたいうちは」

「物語は終われないわけだから、光源氏に抱かれた女性達は皆、不幸にするしかなかった・・・そういう事です」

と、レイカ。

「なるほど・・・それは確かにそうだろうね」

と、タケル。

「さらに言えば・・・光源氏は常に強引にレイプしているし、さらには「僕の言う事、する事は誰も止められない。天皇自身、僕を愛しているからさ」と」

「ある種、傲慢とも言える物言いをしていますが・・・これも書き手の女性の目から見れば当然の事で、光源氏をそういう存在にしておけば」

「女性達は、何もしなくても、何も考えなくても・・・光源氏にエッチしてもらえる・・・すべての罪は光源氏が被り、女達に罪はないようにしている」

「つまり、この物語は、一条天皇に「朝のテレビ小説」的に興味を持ってもらい、彰子の部屋にお出まし願うと言う意図を最初に持って描かれた物語ですが」

「実は・・・その奥にもうひとつの理由が隠されているんです」

と、レイカ。

「ほう、今日は冴え渡っているね、レイカちゃん・・・じゃあ、そのもうひとつの理由を聞かせてもらおう」

と、タケル。

「それこそ、ズバリ、彰子の大人の女性化を狙ったんです・・・オトコとオンナがどのような経緯でエッチに到達するか」

「・・・その様々な物語を彰子に聞かす事によって・・・彰子だって女性・・・ある時から、子宮でその物語を聞くようになったでしょう」

「美しい光るの君が、時に妖艶に、時にロマンチックに、時に強引に美しい女性、美しくない女性にも情を感じ、抱いていく物語」

「・・・彰子はいつの間にか「濡れる」と言う体験を、その物語を聞くうち体験したはずです・・・大人の女性化の第一歩です」

と、レイカ。

「なるほど・・・確かにそれはあっただろうね・・・」

と、タケル。

「しかも、彼女は、その強引だけど、美しい容貌を持つ光源氏を、いつもやさしくしてくれる一条天皇の中に見始めたはずです」

「考えて見れば一条天皇は臣籍降下した光源氏より、上位の天皇そのものです」

「・・・もちろん、光源氏が臣籍降下した理由は、有力な後ろ盾を亡くした光源氏が宮家を保つのは無理と言う父親の判断ですが」

「・・・もしかしたら、一条天皇を光源氏より尊い存在として、彰子に思わせる為に、藤原道長と紫式部が協議して、そういうカタチにしたのかもしれませんね・・・」

「これは道長の意図・・・それを紫式部がカタチにしただけだろうと思います」

と、レイカ。

「なるほど・・・レイカちゃんの中では、「源氏物語」のプロデューサーは藤原道長で、それをカタチにする作家が紫式部と言う役割分担と見ているんだね」

と、タケル。

「紫式部は、一度結婚しただけで・・・しかも、普通12歳くらいから16歳くらいまでに結婚するのが普通の世の中で、紫式部が結婚したのは26,7歳」

「しかも相手は50近いおっさんです。要はもらい手が無かった。「源氏物語」を読むとわかりますが、美しい女性は美しいと素直に書いてあるのに比べ」

「醜い女性の形容詞が多彩です。末摘花なんて「鼻は象のようで先端が曲がっている」しかも「痩せて背中の骨が浮き出ている」なんて言われている」

「要は貧乏と言う事を言いたいんですね。空蝉もまあ、ブスだと書かれている。また、花散里なんて「髪の毛が薄い」なんて書かれていて」

「「髪は女の命」とまで言われた平安時代にあって、ある意味、最強の不美人表現でしょう」

と、レイカ。

「その話・・・僕も最近まで下膨れの顔で不美人だったから、わかるけど、僕はこの「源氏物語」を読んだ時に、末摘花を光源氏に抱かせたり」

「空蝉が光源氏の「忘れられない女性」にされていたり、花散里が紫の上に相談を受けるくらい慕われていたと表現をしているところから」

「紫式部は相当な不美人だったんだろうなって思ったよ。だって、紫の上こそ、紫式部が自身を投影しているキャラにして、自身の分身そのものだろ?」

「その紫の上に光源氏の妻と言う最高の役割を与えているわけだから、彼女は自分自身の幻影を光源氏に娶らせて、遊んでいたんだよ」

「・・・そこでリアルライフで獲得出来なかったしあわせを得ようとしたんじゃない?」

と、タケル。

「わたしも、ズバリ、そう思っています。下らない作家遊び・・・それだけ紫式部のリアルライフは悲惨だった・・・オトコには殆ど相手にしてもらえなかった」

「そういう中年女性の悲しい妄想・・・が透けて見えてきますね・・・なんか、すっごく嫌、そういうの・・・」

と、レイカちゃん。

「わたし、女性だから、わかりますけど、不美人な女性は不美人に厳しいんです。この日本には不美人ヒエラルキーが厳然たる事実として存在しています」

「例えば、女性同士では、こんな理不尽な判断がなされていたりするんです」

「・・・「あなたはこれくらいブサイクなんだから、ブサイク1級ね。そのブサイク1級のあなたは、ブサイク5級止まりのわたしより下なの」」

「「だから、わたしの見初めた、あのオトコにあなたは絶対に手を出してはいけないの」・・・と言う意識がブサイク女性の間で一般的に持たれているんです」

と、レイカ。

「へー、そうなんだ・・・それは知らなかったな・・・」

と、タケル。

「だから、そういう不美人な女性の中には当然「美しい男女万能説」があります。つまり、美しければ、そういう男女は何をやっても構わない」

「・・・つまり、最初に戻りますが、なぜ、光源氏が何をやっても許されると考えているかと言うと、この不美人の中にある」

「「美しい男女万能説」に拠っているんです。そこからも、作者の紫式部が不美人であったと言う事が証明出来ると思います」

と、レイカ。

「なるほど・・・さすが同じ女性だけあって見方が僕より一段も二段も上だ」

と、タケル。

「それに決定的なのは・・・「紫式部日記」に「藤原道長が夜来て戸を叩いた。だけど、わたしは朝まで戸を開けてやらなかった」と自慢げに書いているところですね」

「つまり、裏を返せば、そういう事が紫式部の人生には、ずーーーーーーーーーーーーーーーーっと無かったからこそ、そういう事が一度でもあったことが」

「紫式部としては嬉しくて嬉しくて・・・思わず自慢せずにはいられなかったんでしょうね」

と、レイカ。

「そう考えてくると、紫式部って、単に男性にモテない、外見的にも不美人な女性だったから、外にもあまり出られず・・・家で悶々と妄想するうちに」

「それを男女の物語として書き出して・・・男性に人気の無い彼女だからこそ、不美人な女性には人気で・・・それでいろいろ書いて皆に見せている内に」

「噂が藤原道長の元に届き、お互い利用しあった・・・そういう話なんだ。要は紫式部は外見的に「ローポテンシャルコミュニティ」の長になる」

「単なる寂しがり屋の不美人なおばさんだったんだね・・・ほら、今でもいるだろ?女子には人気のある、おしゃべりな不美人の中年のおばさん」

「・・・それが紫式部の本当のビジュアル的なイメージなんだね・・・」

と、タケル。

「つまり、普段から女子会を頻繁に開いていたブサイクな中年おばさんの妄想趣味が「源氏物語」に結実したんです」

と、レイカ。

「でもさ・・・じゃあ、そんな家の中で悶々としてるおばさんが何故にあんなに面白い男女のネタを、あんなにたくさん、思いつくことが出来たの?それは不思議じゃない?」

「デートすら、あまりしたことのない女性が・・・確かせっかく結婚した相手も2,3年で死んじゃうんだよね?」

と、タケル。

「ええ、結婚生活は3年余りだったと言われています。わたしが、藤原道長がプロデューサーで、書き手が紫式部と言ってるのは、まさにそのことなんです」

と、レイカ。

「え?どういうこと?」

と、タケル。

「それだけの男女のネタを持っていて、紫式部に提供出来たのは、もちろん、紫式部の夫などではありません」

「誰もが手をつけなかった醜女の紫式部を奥さんにするくらいですからね」

「・・・もちろん、すでに何人もの奥さんをその男性は持っていたけど、それ程モテる男性ではなかったのは紫式部を奥さんにしているところからもわかる」

「だって、美学が無いでしょう?醜女を周囲に侍らせるなんて・・・」

と、レイカ。

「うん、まあ、それは言えるだろうね」

と、タケル。

「つまり、これだけの男女の秘め事を情報として提供出来たのは、たったひとり・・・当時、今在原業平と言われた藤原道長その人しか考えられないでしょう?」

と、レイカ。

「そうか・・・「灯台下暗し」でその事を忘れていた・・・確かに実力者、藤原道長なら、多くの女性を籠絡してきただろうからね・・・」

と、タケル。

「藤原道長がかつての自分の秘め事を、学だけはあるけど、何の経験もない、妄想を物語にすることしか楽しみも無ければ、能もない不美人な女に語って聞かせたんですよ」

「そして、それらの膨大な情報にうっとりした紫式部は、それを自身の持つ仏教的知識と美学、女性としての美意識にて再構築し、子供の彰子が大人の女性に成熟する」

「目的を持って・・・ある意味、彰子専用のレディスコミックとして編まれたのが「源氏物語」なんですよ。もちろん、彰子はそれを聞いていく過程で」

「一条天皇を光源氏に見立ててオナニーも経験しているでしょう。もちろん、そこまで来れば一条天皇を男性としても意識するはずですから」

「彰子は、一人の女性として匂い立つような官能の炎に燃え、一条天皇を見るようになりますから、自然、その大人の女の官能を身につけた彰子に」

「一条天皇は気付き・・・彼女を抱き、子を成した・・・そういう意味で言えば、「源氏物語」は何の事は無い彰子専用のレディコミだったんですよ・・・」

と、レイカ。

「なるほど・・・同じ女性の事だけに、ビビットにその状況を語るねー、レイカちゃん」

と、タケル。

「実際、彰子は、20歳の時・・・まあ、入内して8年目ですけど、第二皇子・敦成親王(後一条天皇)を産み、翌年、敦良親王(後朱雀天皇)を産んでいます」

と、レイカ。

「・・・ということはさ、レイカちゃん。源氏物語と言えば、その昔から、「主題はあるのか?あるとすれば何か?」という論議が様々あるけど」

「・・・今のレイカちゃんの文脈から言ってどんなだと思ってる?」

と、タケル。

「「源氏物語」の主題ですか?それは簡単ですよ」

「「ひとりの少女を発情する官能的な大人の女性に教育する書・・・大人の仏教的美学と大人の女性の嗜みもちゃんと教育するもの」です」

と、レイカ。

「・・・と言う事は最後に聞くけど、この「源氏物語」は複数作家説があるけど、その真偽の程はどう?」

と、タケル。

「タケルさんが普段言ってるじゃないですか・・・聖徳太子複数説なんて低能で馬鹿な「知識者」の「俺偉い病」レベルのいわゆる「思考停止者」な学者が」

「「知識者」のおごりで、「知恵者」の素晴らしさも理解出来ずに「知恵者」=「純思考者」の手柄を単に横取りしようとして」

「「知識者」の手柄にしようとしているに過ぎないって。「燕雀いずくんぞ鴻鵠の志を知らんや」そのものだ、恥を知れって・・・」

と、レイカ。

「そうだったね」

と、タケル。

「「源氏物語」の場合もそうです。わたし的には、彰子が入内して8年目に子供を生みますから・・・その8年間でどこまで紫式部が「源氏物語」を書いたか」

「・・・それを知りたいですけど・・・彰子が第二子を生んだあたりで、プライドの高い紫式部は自分の役目を終えた事を悟ったと思います」

と、レイカ。

「なぜ、レイカちゃんは、紫式部がプライドが高いと?」

と、タケル。

「彼女は自分の容姿の事には一切触れていませんから・・・それだけ、プライドも高かった・・・」

「作家の中には、「俺、ブサイクだからな」って書くことで読者の心を掴む手法を取る男性だってたくさんいるじゃないですか?」

「でも、そういう男性は決まってイケメンだったり、「純思考者」の「知恵者」だったりするんです。だって本を売るためなら、なんだってするでしょう?作家って」

と、レイカ。

「そうだね。僕も自分の顔が下膨れだった事は写真をブログに出している瞬間にバラしているからね。もっともそれは将来解消する気があって」

「ビフォー・アフター的にその写真を使えれば読者的にも面白いかなって思ってしたことなんだけどね」

と、タケル。

「タケルさんは、人間性が果てしなくデカイから、そう思えるんですよ」

「それに対して紫式部は、デートの経験すら無いんじゃないかってくらい、人間性が小さく弱い存在です」

「だから、家にいるしか無くてある意味、妄想力が進んだ結果が「源氏物語」に結実したんです。だから、プライドだけは断然高かったと言えるんです」

と、レイカ。

「だから、彼女は彰子が第二子を生んで程なく、宮廷生活から離れ、出家したんじゃないでしょうか?」

「それでも、周囲はこの女性が「源氏物語」の作者であることを知っていた・・・だから、周囲から、リクエストされるうち、紫式部も思い直して」

「場所を変えて、残りの「源氏物語」・・・特に「宇治十帖」あたりは、なんとなく抹香臭いイメージがありますから、出家後の寺で書いてたんじゃないでしょうか」

と、レイカ。

「もちろん、こういうネガティブな言い方をするのは、「源氏物語」が素晴らしい美意識に彩られ世界的評価を受けている素晴らしい作品だから」

「その事に敬意を持ちつつ、だからと言って遠ざけるのではなく最も身近に感じて欲しいから、あえて言うのであって」

「そこはお汲み置きくださいね、タケルさん」

と、レイカ。

「もちろん、それは、わかっているさ。相手は懐の深い世界的評価も高い「源氏物語」だ。それくらい許してくれるよ」

と、タケル。

「しかし・・・やっぱり、女性の事は女性に聞くもんだね・・・今日一日で「源氏物語」について、いろいろな事がわかったよ」

「ありがとう、レイカちゃん」

と、タケル。

「どういたしまして・・・いつものタケルさんへの恩返しです、今日は」

と、レイカは目の笑う、いい笑顔でタケルを見た。


「さ、仕事はこれくらいにして、飲み行こうか、「知恵者」のレイカちゃん」

と、笑顔で立ち上がるタケルでした。

「はい。もちろん、お供しますわ」

とレイカは立ち上がり、赤縁のメガネを取り、髪を解いた。


(おしまい)


なるほど・・・今日は「源氏物語」についていろいろ勉強しちゃったような感じですね。

そういう意味では、「源氏物語」は少女教育様のレディコミだった・・・はすごい卓見だと思います。

いやあ、女性の事は女性に聞くもんですね。


ではでは。

本当の日本の政治家の条件!(だって、僕、お米大好きなんだもん!)

2014年09月30日 | 夜の日本学


一人の髪の毛の長い、背の高い細身の女性が机に座り、ノートパソコンを叩いています。

彼女の名はレイカ(31)・・・とある雑誌の取材記者です。

「えー、それでは、タケルさん、夜の日本学「対決、山本七平編」・・・お願いします。今日はどんな内容について語ってくれるんですか?」

と、レイカはノートパソコンを叩きながら、赤縁のメガネを手で直し、こちらを見つめます。

「うん。そうだな・・・」

と、タケルはテキストとしている「谷沢永一著 山本七平の知恵」という本をパラパラとめくります。

この本自体は、1996年12月に出版されています。

ただし、正しい「知恵」は時代を越えると僕は考えているので、その時代性の評価も一緒に話していくことになりそうです。

「んじゃ、この内容について話すか・・・「自己絶対化の為の二重のからくり」だそうだ。ま、相変わらず笑かしてくれそうだ」

と、タケルは笑顔になりながら、話し始めます。


今日の「夜の日本学」はじまり、はじまりー・・・・。


「まずは、山本七平氏の主張するところを抜書きしてみようか。それが無いとちょっと説明が出来ないからね」

と、タケルは笑うと彼の用意した紙の資料をレイカに渡す。

「えーと、これね。僕が相当意訳してるけど・・・」

と、タケルが説明すると、レイカはタケルの資料をゆっくり読み始める。


「当時、日本の国内問題は公害問題が最も沸騰していた。企業の利益の為なら日本国民がその企業の出す公害・・・この場合、カドミウムなのだが」

「そのカドミウムに汚染されてもいいのか!という文脈で国民は皆怒り心頭だったのである。少し前、国が儲ける為なら国民の年金の運用の失敗のつけを」

「国民が払わされる義務があるのか!と国民が怒り心頭だった・・・その状況と、とても似ている」

「ある連中がその企業に趣き、カドミウムを手にし、説明を続ける企業側の担当者に」

「「そんなに安全、安全と繰り返すなら、このカドミウムをお前自身で飲んでみろ」と迫った。それはまるで、生体実験の強要だった」

「しかし、その方法論にこそ、僕は日本文化を読み取る」

「これは「カドミウムには害がある」と言う真実を絶対化することで(後にカドミウムに害が無いことがわかるのだが)」

「「カドミウムを飲め」と迫る自己を絶対化することで、自分の言葉を絶対的に正しいものとし、その瞬間、絶対的権威となってしまうのである」

「自分の言葉は他のすべての人間を律する・・・その立場に立ったモノはまるで王様だ。その王様の言葉は、カドミウムを作った企業の担当者に反省を強要し」

「その担当者の人命にも、人体にも優先する絶対的価値を持ってしまうのである。しかし、そこに二重の虚構がある」

「この虚構とは、自分を絶対視したいが為に、「カドミウムは毒である」と言う絶対的虚構を仮に創りあげてしまうのだ。そして、その絶対的虚構」

「「カドミウムは毒である」と言う仮の真実を企業の担当者に突きつけている自分は偉いのだ、王様なのだ、絶対なのだ・・・という思い込みも虚構なのだ」

「企業の担当者だって、実のところ、カドミウムが毒であるのかどうかはわからないのである。上司に「これをあいつらの前で読んでこい」とシナリオを」

「渡され渋々自分の仕事をするために現場に現れたに過ぎない。そんな場で「じゃあ、これを飲め」と言われて「はい、わかりました」と飲める人間などいない」

「彼には妻もかわいい子供もいるのだから。それで彼が飲めなかったからと言って、生体実験を強要した人間が一時的に勝利したように見えても」

「結局、それはここに指摘したように二重の虚構の上での単なるパフォーマンスに過ぎないのだから、「カドミウムは毒でない」と判明した途端」

「この二重の虚構がバレてしまう・・・そういうわけなのである」



「随分長く意訳しちゃったけど、実はこれ、山本七平の文章だけでは、どうしても説明出来ないから、谷沢永一の解説を入れ込みながら作って作った文章なんだ」

「だから、上の文章は山本七平の文章と谷沢永一の文章を合作させて書いたモノだけど、僕自身も、これを書くまで、何を言ってるのか、なんだか、よくわからなかったよ」

と、タケルは説明する。

「でも、この方法論って、何かを信用し、その絶対性を主張する人間は誰でもやる方法論じゃないですか?日本文化と言うくくりではなく」

「世界のどこへ行っても、こういう方法論を取るとわたしは思いますけど」

と、レイカ。

「ああ、そうだ。この文章を書いている途中でそれはわかった。日本文化的な説明は後で僕がするよ。その前に、この話に決着をつけよう」

と、タケル。

「つまり、ここで言っている「二重の虚構」と言うのは、カタチ上はそうなるけど、要は、言葉の遊びみたいなモノでそんなに難しい事じゃない」

「例えば・・・「深夜のラーメンは毒だ」と主張したとしよう。そうするとどうなるかと言うと、実は深夜のラーメンが毒であろうとなかろうと問題ではなくなるんだ」

と、タケルは言う。

「は?どういうことですか?」

と、レイカ。

「大切な事は、「深夜のラーメンは毒だ」と思い込んでいる一派を僕が糾合出来ればいいって事だ。ま、どの国、どの文化でもこういう事をやる」

「近い話で言えば、「スコットランドは独立した方がスコットランドの為だ」と主張した人がいて、そう思い込んでいる一派を糾合した親独立派がいたと言うことだろう?」

「要はそこでも、「独立した方がスコットランドの為になる」かどうかはわからないんだよ。そんなのどうだっていい。言ってしまえばだけどね」

「要は、その主張「深夜のラーメンは毒だ」「独立した方がスコットランドの為になる」をいかに多くの人間に信用させるか?・・・そこに話は移行しているって事さ」

「ま、その話の方が僕的には、メインになるから、その話は後に、とっておこう」

と、タケルは笑顔で解説する。

「うーん、なんとなくわかってきましたけど・・・先を続けてください」

と、レイカ。

「「深夜のラーメンは毒だ」・・・これを主張する僕は「深夜のラーメンは毒だ」と言う主張をまず、絶対化することで、自身の言葉をも絶対化している」

「それだけの話なんだ。山本七平の主張は。つまり、「深夜のラーメンは毒だ」と言うことが間違いであれば、この主張は虚構になるし、それを主張している僕の言葉も」

「虚構になる。はい、二重の虚構・・・と言う事を言いたいだけなんだよね。これは、主張をする人間であれば、誰でもそういうカタチを取ると言う事だけで」

「単なる構造上の話に過ぎない。「自動車って基本4輪じゃね?」みたいな当たり前の主張なんだよ。どうも1970年代くらいの「知識人」と言われる人間って」

「こういう当たり前の話を、さも大げさに書いて、威張っているんだから、女性に嫌われるのも、むべなるかな・・・思考停止者の「俺偉い病」なんだから」

「こんなクズ人間に指導された日本の成長率が鈍化し、出生率がドンドン落ち始めた理由もわかるってもんさ。それは、こいつらクズ知識人のせいだ、完全に」

と、タケル。相当怒っている。

「ほんと、ただの馬鹿ですよね、こういうクズオヤジ達は・・・わたし、クズオヤジ達に責任とらせて、全財産を没収し、一生ただ働きさせてやりたいですよ」

と、レイカ。

「まあいい・・・話を戻そう。上の文章に関する、日本文化についてだ」

と、タケル。

「簡単に言えば、その主張「深夜のラーメンは毒だ」「独立した方がスコットランドの為になる」をいかに多くの人間に信用させるか?・・・と言う方法論において」

「日本と外国では顕著な差が見られるのではないか?と言う主張になるんだけどね」

と、タケル。

「スコットランドの場合では、スコットランド文化を愛する郷土愛カラーを全面に押し出した人達が」

「「北海油田の権益が損なわれ、イングランドにその利益が流れ込んでいるのが悔しい」と言った感情論でこの主張を推進しているようにも見えました」

と、レイカ。

「そうだね。それまでのヨーロッパ文化の流れではいわゆるEUの理念・・・ま、簡単に僕的に言葉にすると」

「「ま、人種も国家も文化も価値観も違うけどさ、だからこそ多様な知恵が出来るじゃん。それを前向きに捉えて、多様な知恵でもって皆でしあわせになっていこうや」」

「っつー理念とは全く逆行する流れだよね、スコットランドのあり方は・・・」

と、タケル。

「これはどういう事なんでしょう?スコットランド人の誇りやプライドと言ったモノが傷つけられている現状があるんでしょうか?」

と、レイカ。

「まあ、さっきも情報として出ていたけど「北海油田の利益がイングランドに流れている」と言う主張も彼らの誇りを傷つけている、ひとつの現象と言ってもいいね」

「でも、僕に言わせればある個人の行為や国家の戦略を評価する時には必ず」

「「事の善悪で考えるな、その行為や戦略が、結果的に経済的にペイするものなのか?の視点で考えよ」・・・と前回の火曜日の「夜の日本学」で勉強出来たからね」

「そういう視点でスコットランド独立を見た場合・・・やはりペイしないと考えた人間が優勢だったから独立は否決されたと見ているけどね・・・」

と、タケル。

「・・・となると、単なる郷土愛だけで票数を伸ばそうとしたスコットランド独立派と将来的な経済的衰退を主張した否定派の戦いが」

「否定派の勝ちによって収束した・・・そういうストーリーだったと見ていいわけですね、あの話は」

と、レイカ。

「まあ、そういう事になる・・・なにしろ、欧米は理性的にモノを評価する文化だ・・・好き嫌いで票数は伸ばせないんだ」

と、タケル。

「それに対して、好き嫌いで人間を評価する文化にある日本は・・・また、違ったカタチになるだろうけど、と言って郷土愛だけである県が独立なんて絶対考えないよ」

「歴史的経緯を見ても、日本人はちゃんとやるべき事は身を切り裂いてもやり抜く気概を持っている・・・維新政府は自ら、その知識者階級であった「士族」を削除」

「したんだから、そういう部分は果てしなく理性的だ・・・」

と、タケル。

「確かにどこまでも理性的、合理的判断ですよね・・・愛情のかけらも無い冷徹な判断です」

と、レイカ。

「しかしだ・・・話をカドミウムのパフォーマンスに戻そう。じゃあ、何故、親カドミウム派の企業戦士達に対して、反カドミウム派が結成されたかと言えば」

「現代で言えば、企業の利権派である親原発派と子供達の健康を考える、反原発派の戦いと構造上は同じなんだ。もちろん、原発問題は製造業国家日本の」

「電源問題と言う部分に行き着くから、その構造だけの戦いではないと言えるんだけど、ここは話の説明のモチーフとしてわかりやすくするために導入させてほしい」

と、タケル。

「はい、わかりました。女性としては、子供たちの健康を考える主婦同盟の反原発派に賛成したいところですけどね」

と、レイカ。

「つまり、好き嫌いでモノを判断したがる日本文化がここにある。子供はかわいい・・・その子供たちの為にも、原発は無くさなければならない」

「・・・この文脈だ。この文脈こそ、好き嫌いで判断する日本文化・・・そのものだろう?カドミウムだって、子供の健康の敵になるから、お父さんもお母さんも」

「必死に戦ったんだよ。「好き」な者を守る為に、お父さんもお母さんも毎日、必死に戦っているんだ。それが日本文化そのものだし」

「それが日本の普通の毎日なんだよ・・・」

と、タケル。

「だから、日本人は、好きな者、モノを守るパフォーマンスが有効になるんですね?」

と、レイカ。

「そういうことになる。だから、皆が好きな者、「今の子供の為に、将来の子供の為に」と政治家は呪文のように唱えるのさ。なんだっけ俳優出身のダメ政治家」

「がまず、最初に絶対に唱える呪文が「今の子供の為に、将来の子供の為に」っていうセリフじゃん。毎回同じ事しか言えないし、心が籠っていないんで」

「よくもまあ、俳優なんてやってられたと思うけど・・・そういや、その昔、ハマコーって言うパフォーマンス好きな政治家が国会にバリゲード築いた時も」

「「これは子供の為にやっているんだ。将来の子供たちの為に・・・」みたいな事をしきりに連呼してたけど・・・そういうからくりだったのね」

と、タケル。

「・・・と言うことは「将来の子供の為に、今の子供の為に」と日本人をたぶらかす呪文を常に唱える政治家には気をつけろ!そういうことですか?」

と、レイカ。

「そう見た方がいい。政治家はまず国士か、どうか?中国や韓国や北朝鮮の利益の為に動いている反日の政治家や組織は今後徹底的に糾弾され」

「その価値を失うだろう。ドンドン追い込みを掛けられ、ふしあわせスパイラル一直線だ。朝日新聞関連の組織なんて「俺偉い病」そのものと化しているからね」

「完全にふしあわせスパイラルに突入して、もう出られないよ。あとは消え行くのを、静かに見ていればいいと言う事になる」

と、タケル。

「政治家の評価として、まず、国士か?反日か?を評価基準に置きます」

「その次にこの「子供の為に」と言う「世間たぶらかし、主婦たぶらかし呪文」を唱える政治家には気をつけろと・・・そういう事ですね」

と、レイカ。

「要はこんな呪文しか唱えられない政治家は機能しないだろう、成果はあげられないだろうと言ってるんだ。あとは政策論争、それのみだね。その評価基準は」

と、タケル。

「好き嫌いで人を評価する日本文化だからこそ、「子供達の為にお父さんもお母さんも毎日戦っている日本の姿」があるんですね・・・」

「外国は理性で・・・働きの結果・業績で人を評価する文化だからこそ、普段は仕事にモーレツ、だからバカンスも必要で、そこでは何もしない・・・」

「そういう文化なのが、理性判断が好き嫌いより、先にくる外国文化・・・そういうことになるんですね」

と、レイカ。

「日本はそういう文化だからこそ、皆が大好きなお米・・・ま、若い女性はパンケーキの方がいいかもしれないけど、僕は朝はがっつり炊きたての米だねー」

「その日本人が大好きな、お米・・・このお米を作るお百姓さんこそ・・・日本で最も尊い人種になるんだ・・・言わば国民の主食製作の職人さんだからね・・・」

「日本で最も尊い仕事こそ、職人さんだ・・・その中でも、農家は、日本人の主食を作る職人さんなんだから」

「・・・その人達を守れてこそ・・・本当の政治家って事じゃないかな」

と、タケル。

「結論が出ましたね・・・米作り農家を守れてこそ、本当の日本の政治家・・・わたしも大いに共感します」

と、レイカ。


「しかし・・・カドミウムの話から、「虚構の二重性」という構造しか見いだせない山本七平と谷沢永一」

「それに対して、同じ材料から、本当の日本の政治家の条件を指摘したタケルさん・・・その能力の違いは歴然としていますね。ほんと、馬鹿は嫌いです」

と、レイカ。

「しかし、まあ・・・どうして「知識者」って、こんなにアホなんだろうねー。軽く言い負かせちゃうじゃーん。っていうか、何もわかっていないよ、こいつら」

と、タケルは言う。

「ま、こんな感じで、今後もやっていこう。言ったろ、全勝で勝つって」

と、タケルは笑う。

「まあ、とにかく、頭の悪い、ださいオヤジは見たものの事しかしゃべれないけど、「知恵者」は現象の元になった「原因」をしっかりと説明出来るのさ」

と、タケルは笑った。

「さ、飲みにでも行こうや、レイカちゃん」

と、机の上を片付けだすタケルでした。


(おしまい)


という感じになりました。

山本七平氏も谷沢永一氏も、何もわかっていませんね。

これが日本学の祖?最強の評論家?

笑っちゃいますねー。


やはり、「知識者」は頭が悪くて、だっさいよねー。


それが結論です。


ではでは。

戦国時代に突入した最初のきっかけは、女の浅知恵だった!「足利義政さん」!

2014年09月29日 | 夜の日本学


一人の髪の毛の長い背の高い細身の女性が机に座り、ノートパソコンを叩いています。

彼女の名はレイカ(31)・・・とある雑誌の取材記者です。

「えー、それでは、タケルさん、夜の日本学「先人考察編」・・・お願いします。今日は誰について語ってくれるんですか?」

と、レイカはノートパソコンを叩きながら、赤縁のメガネを手で直し、こちらを見つめます。

「うん。そうだな・・・今日は室町幕府第八代将軍「足利義政」をとりあげてみようか」

と、タケルは話し始めます・・・。


さて、今日の「夜の日本学」はじまり、はじまりー・・・・。


「今回は、この足利義政を通して「日本のトップとは何か?」と言う事について真面目に考えてみたいんだよね」

と、タケルは言葉にする。

「ここまで、足利将軍家の人間について見てきましたね。足利尊氏、義満、義教・・・この3人ついて改めて言葉にすると、どうなります?タケルさん」

と、レイカ。

「足利尊氏は、政治的知恵者「純思考者」なんだよ。結局、あの時、南北朝と言う、日本には絶対あってはならない体制を作り上げちゃうんだけど」

「それって、要は天皇家に対して光厳天皇(北朝)を擁立して、その光厳天皇の勅許を元に行動し、自分の立場を正式なモノとした尊氏の策がきっかけに」

「なってるんだよね。だから、よく勘違いされるけど、南北朝体制になったきっかけは、吉野に逃げ出した後醍醐天皇にあるのではなく」

「光厳天皇を引っ張り出してきて擁立した尊氏にあるんだ。それくらい、政治に対する「純思考者」だったんだ」

と、タケル。

「それに対して、後醍醐天皇は、自分の子供達を皇位につけたいだけの超わがまま「思考停止者」でしたけどね」

と、レイカ。

「「純思考者」と「思考停止者」の争いでは100%「純思考者」が勝つ・・・これは日本の以後の歴史が証明している」

と、タケル。

「では、日本における「政治的勝利者」とは、どう具体的に定義出来ますか?」

と、レイカ。

「それは「政治的な長期安定」・・・幕府及び将軍の権威が高まること、及び武力闘争が起こらない事が理想だが・・・それは江戸幕府において成し遂げられるけれど」

「この室町時代は、代替わり相続における武力闘争は日常的に起こっている。そもそも鎌倉幕府が出来た理由の中心は、土地訴訟問題に決着をつける裁判所としての役割」

「が主なモノだから、訴訟は日常的に起こっているのがこの時代の日本だ。ま、現代でもそうだけどね・・・」

と、タケル。

「それは日本の最高正義が「和を以て貴しとなす」だからですか?」

と、レイカ。

「そうだね。隣人同士、兄弟親戚同士でも訴訟は起こる。むしろ、血がつながっているからこそ、近親憎悪の状態が訴訟沙汰に発展する」

「だからこそ、幕府は「和を以て貴しとなす」を実現する装置として、この日本に存在している・・・当時の法律」

「・・・鎌倉時代、理想的な政治的「純思考者」北条泰時が「道理」の知恵をベースにして作り上げた、日本人の聖典「御成敗式目」が当時も使われていたんだね」

と、タケル。

「当時、日本人の財産と言えば、主に土地でしたものね?恩賞も土地だったし・・・」

と、レイカ。

「そう。その財産の保護こそが、幕府の存在理由と言ってもいいだろうね。それは現代の日本政府のあり方の本質とも変わらないよね?」

と、タケル。

「はい、そう思います」

と、レイカ。


「足利義満はそういう意味では、幕府の権威を最大限に高めた将軍だったといえるだろう。彼は守護大名の代替わり紛争に積極的に介入し」

「・・・と言うよりそれが幕府の長たる将軍の第一の役目なんだよ。目的とすれば、その代替わり紛争を周囲がすべて納得するようなカタチで治める事だ」

と、タケル。

「・・・これ、現代のヤクザのしのぎと同じですね。武力を背景に紛争を解決する。その際にヤクザにいくばくかのお金が支払われる」

「・・・そのヤクザの権威や信頼性が高まる・・・すごく相似形な気がします、ちょっと面白いですね」

と、レイカ。

「そう。その通りなんだよ。つまり、日本のストーリーはすべて「雨降って地固まる」なんだから、雨が降る(喧嘩が起こる)と調停者が中に入り」

「理非を検討し、公正な結論を出す・・・それが私人か公人かの違いに過ぎないわけよ。完全なる日本文化だね・・・」

と、タケル。

「この場合、もう少し、この件にツッコむと・・・喧嘩が起こると言う事は、その当事者2人は、要は「ケツの穴の小さい」・・・人間性の小さい人間二人なんだな」

「で、これはまごうこと無く「思考停止者」なんだよ。どちらかが「純思考者」であれば、理非を整然と述べる事が出来るから「思考停止者」も納得するんだ」

「要はこの世は人間性の大きな、そして人間性の強い「純思考者」と、人間性の超小さい、そして、弱い「思考停止者」によって構成されているから」

「「純思考者」は「純思考者」の男女に好かれ、「思考停止者」の男女にも愛されるから、彼らをリードしながら、「純思考者」及び「思考停止者」のコミュニティ」

「を作っていくから、そこに武力闘争の無いコミュニティが出来上がると言うわけ・・・この究極が「「純思考者」徳川家康に作られた「江戸幕府」」と言うことになるわけ」

と、タケル。

「・・・と言うことは、将軍家が「純思考者」の「最も大なるもの」であれば、将軍として守護大名達からも信頼され、幕府の権威を高められるけど」

「「思考停止者」であれば、守護大名からの信頼は地に落ち、ないがしろにされ、幕府の権威は失墜する・・・そういう構図ですか?」

と、レイカ。

「そういう事だね」

と、タケル。

「つまり、将軍も、ヤクザとやってる事は同じなんだよ。代替わり紛争が起こると、そこに介入し、理非を確認しながら、周囲の納得するようなカタチで」

「事を納め・・・うまく出来れば将軍その人、及び幕府の権威が上がるけれど、周囲の守護大名が納得出来ない判断を下してしまうとドンドン将軍その人への」

「信頼が揺らぎ・・・将軍としても幕府としても機能不全に陥る・・・つまり、代替わり紛争をうまく納め、「和を以て貴しとなす」を実現する事が将軍及び」

「幕府の第一の仕事だったんだよ・・・これが上手く出来る将軍は幕府の権威を高めた・・・下手な将軍は将軍としての信頼性が低下し、幕府の権威も失墜させた」

「そういう話なんだよ・・・結局は」

と、タケル。

「なるほど・・・将軍もヤクザも村長も、長屋のご隠居も、市長も県知事も、首相も、やってる事は、周囲が納得するように紛争事を平和裏に治めること」

「・・・それに尽きるんですね?」

と、レイカ。

「ま、そういう事になるね。もうひとつ言えば、この日本は「純思考者」と「思考停止者」の二種類の人間しかいないと言うことさ」

「「純思考者」は仕事の成果をドンドンあげ、信頼を獲得し、他人をドンドン笑顔にし、ドンドン収入を増やし、高みにドンドン登り」

「ドンドンしあわせになっていくのに対して、「思考停止者」は、仕事の成果はあげられず、周囲の信頼を無くし、他人から笑顔を消し、収入は増えるどころか」

「落ち込む一方で、ドンドン低きに流れていく・・・まるで、水のようにね」

「・・・そして、どんどんふしあわせになっていくと言う日本人にとって,非常に怖いお話になっていると言うことさ」

と、タケル。

「「純思考者」は「絶対しあわせ者」であるのに対し、「思考停止者」は「俺偉い病」と「逃げ込み者」ですものね」

「「思考停止者」が、ふしあわせスパイラル一直線なのはある意味、当たり前ですね・・・」

と、レイカ。


「さて、そういう目で見てみると・・・足利義満の子、神の子意識の足利義教は、守護大名達の信頼も高く、将軍の役目である「調停者」の役目は完全以上に完全に」

「務めていた・・・しかも、鎌倉公方征伐も成し遂げ、九州制覇も成し遂げ、その勢力範囲は足利将軍家として最大となったのだから」

「ある意味、足利義満を抜いて、トップの成果をあげた将軍と言ってもいいね・・・」

と、タケル。

「しかし、その変わり「純思考者」であったおかげか「俺偉い病」になってしまった・・・しかも究極の「俺偉い病」・・・「神の子意識」!!!」

と、レイカ。

「それが彼を暗殺させてしまった・・・将軍としては超有能だったのに・・・日本人は「こいつは生きていては有害。こいつを殺しても周囲皆が納得するはずだ」と」

「判断されてしまったら、殺されてしまう、こわい国と言う側面も持っているからね・・・つまり、将軍としては有能だったけど、「俺偉い病」が」

「それ以上に周囲の人間の眉を潜めさせてしまったんだ・・・」

と、タケル。

「・・・で、そう見てきて・・・その子、足利義政なんですけど・・・若い頃こそ、将軍の仕事「調停者」をやっていたようですが・・・」

と、レイカ。

「端的に言うと「調停者」としての能力が低かったんだよ。最初こそ、義政に「調停者」としての仕事を任せてるんだけど、すぐにボロが出ちゃったんだろうな」

「日本人は人の仕事の能力を見切ると・・・しかも「こいつ仕事出来ねー」と見切られるとその人間の意見はそのコミュニティにまったく反映されなくなる」

と、タケル。

「足利義政の父の兄、室町幕府第四代将軍、足利義持の資料を見ると、最晩年、次の将軍継承者を決めてくれと守護大名達がこぞって頼んでも」

「「どうせ守護大名達は俺の言う事など聞かないのだから、決めないよ。くじ引きでもすればー。それも俺の死んだ後にねー」と最後に守護大名に嫌がらせをして」

「死んでいっています。ま、意趣返しと言うわけですが、彼の寺通いは異常な数で、要は守護大名との人間関係が超ストレスになっていた彼は」

「ストレス解消の為に寺社仏閣廻りをしていたと言われています」

と、レイカ。

「さらに、彼は弟、足利義教と同じ性格をしており「短気で癇癪持ち」と言う記事が資料に見えます」

と、レイカ。

「うーん、人間関係でストレスを感じると言うことは簡単に言うとそのコミュニティの「ムードメーカー」になれていなかったと言うことだね」

「つまり、ムードメーカーとはそのコミュニティにおいて、最も人間性がデカく強い人間だけがなるもので、精神的に他を凌駕・圧迫出来る人間のみが」

「そのコミュニティのムードメーカーになれるんだ・・・その定理から見ると、足利義持は人間性が、守護大名より小さく、弱かった」

「・・・だから、「短気で癇癪持ち」になったと考えるのが自然だね。「何故将軍家である俺の意見をないがしろにする!」と切歯扼腕している様子が目に浮かぶよ」

と、タケル。

「足利義持と足利義教の「短気で癇癪持ち」と言うのは違う意味なんですか?足利義持の御世は28年で足利将軍家では最大になりますし」

「比較的安定した御世だったと言う後世の評価もあります。一方、足利義教は在位23年・・・まあ、短すぎると言うことはありませんね、暗殺されたにしては」

と、レイカ。

「足利義持の場合、多くのストレスを抱えていた事からもわかるように我慢の政治だったんだろう。だから、短気な「思考停止者」の多い守護大名連中の中にあって」

「「調停者」役に徹する事で比較的安定した政権運営も出来たのだろう。でも、ストレスを溜めてたんだから、人間性は大きくないと見れるだろうね」

と、タケル。

「一方、足利義教は、幕府の権威の復活、将軍家としての勢力としても最大にしたんだから、「純思考者」そのものだ」

「ただし、ありがちな罠・・・「知恵者」ゆえに普通の人間が馬鹿に見える・・・という「俺偉い病」の症状が出ちゃって・・・ああいう事になったんだ」

「彼の場合の短気・癇癪持ちは、知恵者ゆえ相手の底意をズバズバ見抜けちゃうから・・・という事に起因していると思うね」

「人間性について言えば、「待つ戦略」の出来る人間だったから、信長並に大きかったとは思う。ただ「神の子」意識がね・・・残念だね・・・」

と、タケル。

「・・・わたしは、この足利義持、足利義教と続いた足利将軍家にあって・・・足利義政は調停者としての能力を欠く人間だったからこそ」

「守護大名にないがしろにされた人間だったと思うんです。今までの流れから言うと・・・」

と、レイカ。

「確かに・・・足利義持は死の間際、嫌がらせをするくらいだからね。その弟、義教は言わばやりすぎ将軍で暗殺されちゃうし」

「安定こそ、日本の最高正義なのに・・・どうも守護大名と足利将軍家の信頼関係がこの二人によって、ガタガタにされてしまって・・・そこにあまり人間性の大きくない」

「・・・調停能力の無い、足利義政が出てきたもんだから、守護大名に馬鹿にされて・・・どんどん、ないがしろにされる結果になったんだろうね」

と、タケル。

「彼は後年、政治に関する興味を失い・・・などとされていますが、要は守護大名に相手にされなくなった・・・という事でしょうか?」

と、レイカ。

「そ。だから、応仁の乱の原因は、足利義政の調停能力不足・・・人間性の小ささ、弱さ、頭の回転の遅さにあると言えるね」

と、タケル。

「もはや、足利将軍家には、ムードメーカーの血は絶え、悪しき御所、足利義教の子では」

「・・・いろいろな怨念の思いもあり、足利義政はないがしろにされた・・・場の空気を読む側でもなく、場にすら出ない、場に触れるのすら、嫌がる」

「要は、「調停者」としての職場放棄をした・・・血の劣化将軍、足利義政と言えると言うことでしょうか?」

と、レイカ。

「そういう事になるね。彼は、足利義教42歳の時の子なんだけど、足利義教は47歳で死んでいるから、義政が5歳の時に父の死に出会っていると言えるね」

「彼はその後、将軍として暗殺されないような、つまり父義教のように、知恵深く、果断に物事を決められる人間でなく、優柔不断な人間に育てられたと」

「言われているんだ。つまり、他人には従順で我が強くなく・・・つまり、将軍として、その育成に失敗したといえるんじゃ無いかな」

と、タケル。

「そういう人間にムードメーカーにして調停者役が求められる将軍家は務まりませんよ・・・」

と、レイカ。

「そ。つまり、足利将軍家育成システムそのものが、劣化し、将軍家がムードメーカーにして、調停者だと言う本質を、忘れてしまったと言う事だろうね」

「ま、要は日野家・・・ここがいらん浅知恵を出したのさ・・・」

と、タケル。

「それが応仁の乱という悲劇を生むことになり、それが全国規模に及び、戦国時代が来る」

「・・・結局、室町時代において、その頂点にムードメーカー役にして調停者である将軍家が君臨している時代は、日本も「和を以て貴しとなす」が出来ていたのに」

「その将軍家の役目を見誤り、将軍家に相応しくない人間を日野家が育成したから」

「・・・すべての秩序が崩壊し、新たな秩序作りを必要とした戦国時代に突入したと言えるんですね」

と、レイカ。

「そうだよ。すべては、足利義政と言う個人の命を生かす為にオンナの浅知恵で、将軍家をタダのぼんくらに育て上げてしまった事に起因しているよ」

「女性の悪口は、言いいたかないけどね・・・そういう例、現代の日本にもたくさん散見されるじゃん・・・オワコン世代なんて、そのいい例だよ・・・」

と、タケル。

「・・・と言う事は、足利将軍家は尊氏を筆頭に義教までは「純思考者」にして、コミュニティのムードメーカー役が出来る「調停者」業が出来ていた」

「しかし、足利義政が「思考停止者」として育てられてしまった事が、当時の日本の秩序の崩壊、戦国時代への突入のきっかけになった現象と言えるんですね?」

と、レイカ。

「ああ、そのきっかけこそ、足利義政個人の生死にのみこだわった女性の浅知恵に起因するのさ」

と、タケル。

「なんだか、すごい結論ですね・・・でも、こんな結論、見たこともないから・・・おもしろいです、やっぱり歴史って」

と、レイカ。

「それも結論になるんじゃない、今日の、ね・・・」

と、タケル。


「さて、結論も出た事だし、レイカちゃん、今日も飲みに行こうか」

と、タケルは言葉にする。

「はい、どこまでもお供します」

と、レイカは言うと、赤縁のメガネを取り、髪を解いた。


(おしまい)


戦国時代に突入した、最初のきっかけは女の浅知恵だった・・・。

すごい結論が出ちゃいましたけど、将軍家の役割の「ムードメーカーにして「調停者」」という本質を忘れてしまった事が、

秩序の全崩壊を生んだんですね。


そりゃー、結論を出せない優柔不断な「思考停止者」は、調停者になれないし、誰も話を聞きませんよ・・・足利義政もある意味、被害者だな。


だから、教育とか躾って大事なんですね。


ではでは。

男女の歌のやりあいって、実際、どんな感じなん?(それは現代文でもいい!)

2014年09月26日 | 夜の日本学


一人の髪の毛の長い背の高い細身の女性が机に座り、ノートパソコンを叩いています。

彼女の名はレイカ(31)・・・とある雑誌の取材記者です。

「えー、それでは、タケルさん、夜の日本学「歌入門編」・・・お願いします。ええと、歌入門編の日は、割りと楽しくやっていこうということでしたよね?」

と、レイカはノートパソコンを叩きながら、赤縁のメガネを手で直し、こちらを見つめます。

「そうそう。日本においては「歌の前の平等」という事が言われているから、まずは入門して、あれこれ語りながら、理解を深める感じかな」

と、タケルは話します。

「ということなら、私も楽しく参加させて頂きますわ。じゃあ、ミルクティーなど飲みながら、のんびり始めていきましょう」

と、レイカはミルクティーを用意しています。

「ま、金曜日だし、のんびり行きたいね」

と、タケルは笑顔になりながら、言葉にするのでした。


今日の「夜の日本学」はじまり、はじまりー・・・・。


「この歌入門編については、まず、多くの歌を鑑賞し、「いい歌って僕らにとってどういう歌?」と言う疑問に答えられるようになり」

「次にさらに歌の鑑賞を続け、歌が進化していった道程を辿りながら、僕らの歌作りの腕を磨き、最終的には納得の出来る歌を自ら歌えるようになる」

「と言う目標を持っています。無論、まだまだ、先は長いし、途中、正岡子規さんの「歌詠みに与える書」なども実際に鑑賞して、彼の言い分を聞いたり」

「しながら、歌人としての自分の能力を毎週少しずつ磨いていこうと言う、結構壮大な目的を持っています」

と、タケルは言葉にする。

「そうですね。今は、古今和歌集を鑑賞し終わり、いい歌はたくさんの恋を経験したオトコマエの男女の歌・・・手練手管を知り、嫌な相手にはきっぱりと嫌と言える」

「素敵な女性や、相手の気持ちを知りながら、甘えてみたり、知らないふりをして相手の恋を思い通りに燃え上がらせる事の出来る素敵な男性の」

「「そうそう、そういうことするんだよねー、女性って」「そうなんだよ。しかもさー」なんて話の盛り上がる」

「同性や異性に、共感を覚えさせる事の出来る恋のエピを持つ、恋のベテランの男女の歌こそ、最高・・・と、前回、そういう答えが出たところです」

と、レイカ。

「で、今回は・・・まあ、新古今和歌集へ行く前に、ちょっと遊んでみようと思うんだ・・・お互いそういう恋のエピを出し合ってみない?」

「前回の「清原深養父(きよはらのふかやぶ)」さんの記事を使って自分の恋のエピを思い出してもいいし、男性としての恋のエピ、女性としての恋のエピをあげて」

「それを歌に詠む前段階まで、持っていく遊びをやってみよう」

と、タケル。

「なるほど・・・文字数とか、合わせるのはなしで・・・恋のエピとその時の感情を挙げてみる・・・そういう事ですね」

と、レイカ。

「そう。まずは、僕から、やってみようかな・・・前の記事の誰かの歌を参考に・・・少し考えてみるかな」

と、タケルは、これまでの記事をプリントアウトした資料を見ながら、ふむふむと唸っている・・・。


「女性だらけの仕事場に顔だす時、必ず寄っていた、差し入れを買っていたスイーツ屋の女性と仲良くなったけど」

「出会ってから、1年あまりした日に、彼女が来月、転職するとわざわざ言ってくれたので、最後の日に、レジで彼女に花束を渡しました」

「彼女の好きな赤いバラをメインにして・・・女性は男性以上に嬉しそうで・・・ドキドキしながら贈ったけど、最後に笑顔で別れられてよかったなと思いました」


「これ実話です・・・僕、お店のお姉さんと仲良くなるのが、サラリーマン時代から、得意中の得意で・・・でも、これに近い話」

「在原業平さんが、歌にしてたよねー・・・あれを思い出して、エピと感情を表現してみました・・・どうでしょう?」

と、頭を掻きながら、タケル。

「女性としては、つい笑顔になるエピですね・・・これ相手の女性は何歳くらいなんですか?」

と、レイカ。

「これは、21,2歳って感じだったなー。なんかパティシエの勉強してて・・・本格的に大きな店で師匠について修行するみたいな話で」

「東京から、神戸に行っちゃうんで、もう、会えないって話だったんだ・・・」

と、タケル。

「でも、女性の気持ちをよーくわかっていますね、タケルさんは。女性は男性から贈られる花束がすごく嬉しいですから・・・」

「その女性もタケルさんに会うの毎週楽しみだったんでしょうね」

「だから、自分がいなくなる理由と日付をきっちり、タケルさんに教えておきたかった・・・そしたら、自分の好きな赤いバラを中心とした花束をくれるなんて」

「タケルさん、素敵な大人の男性ですよ・・・サラリーマンの男性じゃあ、こうはいかないでしょー。恥ずかしいから、みたいな言い訳に逃げて・・・」

と、レイカ。

「僕は、そういうの嫌なの。人生後悔したくないから。僕が恥をかくくらいどうって事ない。それより、花束を渡せなかったらそっちの後悔が先に立つもん」

「僕はそうやって人生を渡ってきたからね・・・」

と、タケル。

「だから、「今、在原業平」って、言うんです、タケルさんの事を・・・在原業平さんも、そういう男性だったと思いますよ・・・」

と、レイカ。

「きっと、その花束・・・彼女のいい思い出になっていますよ、人生の中でも・・・」

と、レイカ。


「わたしが大好きだった男性が「カレーを作るのが得意だ」って言うから、「わたし食べたい」って手をあげて言ったら」

「次の週、会う時に4つのタッパーに作っていれて持ってきてくれて・・・もちろん、冷めてるから、そのタッパーを持って夜、わたしのマンションまで来てくれて」

「そのカレーを使って、作ったカレーライスを酒の肴にしながら、わたしのマンションでお酒を飲めたのがとっても感激でした」

「あんなに感激したり、あんなに嬉しかったことは・・・その頃、まだ、20代だったし、始めてだったかもしれない・・・そんな淡い思い出があります」

と、レイカ。

「って、それ俺じゃん。つーか、2年半くらい前だっけ、それ」

と、タケル。

「だって、本当に嬉しかったんだもん。ちょっとスパイシーだけど、やさしい温かさに溢れたマイルドさも感じられた美味しいカレーでしたね。あのカレー」

と、レイカ。

「当時はカレー作りに燃えてた時期だったからね。今は少し、火が弱くなったけど、あの時は、ボーボー燃えてたから」

と、タケル。

「でも、確かにタッパーにいれてまで、持ってきたのは、レイカちゃんの為だけだったんじゃないかなー、当時」

と、タケル。

「でしょう?それを同僚の女性に聞いて・・・それはすごく嬉しかったし・・・なんだか、ワクワクした気持ちだった事を思い出しますね」

と、レイカ。


「でも、今回、この遊びをやって思ったんですけど・・・わたし、あまり過去の恋愛の生々しい話をタケルさんにしたくありません」

と、レイカ。

「だって、タケルさんとの話をしたいし、それ以外の話なんて、蒸し返すのさえ、嫌」

と、レイカ。

「なるほど・・・女性はそういう風に感じるものなのか・・・それは参考になるな・・・僕は割りとへーきで歌えるけど・・・過去の恋でも」

と、タケル。

「だって、女性は今大好きな男性の事で頭が一杯になって・・・過去の男性への思いなんて、とうに消え去ってる動物ですもの・・・」

と、レイカ。

「なるほどね・・・そうか、そこが女性と男性のハッキリとした違いなんだね・・・」

と、タケル。


「二度目に出会った、その女性は新しいピンヒールを履いていた・・・その彼女はその日から、僕の為にピンヒールを履くと決意した女性らしかったから」

「僕は素直に思ったこと「その白のピンヒール、綺麗だし、君によく似あってる」って言ったら、泣き出しそうな顔をした、その女性だった」

「僕は「素直すぎるのも、男性として、間違いなのかな?」っとちらっと思った・・・」

と、タケル。

「じゃあ、こういうのは、どう?」

と、タケル。

「それ、何年か前のわたしじゃないですか・・・奮発してジミー・チュウを買って・・・今も履いてますけど・・・」

と、レイカ。

「そっか・・・こういう即興もいいんでしょうね。目の前にいる女性の気持ちを上手く、浮つかせる効果があるし・・・」

「タケルさん、ますます、今在原業平ですよ!」

と、レイカ。

「なるほど・・・こういう事なんだ。歌を詠むって・・・」

と、タケルは納得した。

「なんとなく、歌をやりあう、雰囲気だけは、つかめましたね・・・うん、おもしろかったです。今日のこの遊び・・・」

と、レイカ。

「別に歌は、現代文でもいいんだよ・・・こういう雰囲気を掴むことが大事なんだ」

と、タケル。

「さ、次回からは、新古今和歌集へ移行していこう。うん、今日のはいいアクセントなイベントになったね」

と、タケル。

「はい。存分に楽しめました」

と、レイカ。


「ま、勉強は始まったばかり・・・焦らずのんびり、言葉にしていこう」

と、タケルは言うと、

「さ、レイカちゃん、飲みに行こうか」

と、タケルは机の上を片付け始める。

「はい。お伴します」

と、レイカはメガネを取り、髪を解いた。


(おしまい)


金曜日の夜・・・まあ、こういう日は楽しく飲むに限りますね。

焼き肉なんかやりながら、ビール。

ま、レイカちゃんと楽しく飲んじゃお!ってなところで、

週末に繰り込んでいく感じですかねー。


ではでは。

「知恵者」の素敵な知恵は時を超える!「血のプライド型俺偉い病」は破滅する!「お市の方とその娘たち!」

2014年09月24日 | 夜の日本学


人の髪の毛の長い背の高い細身の女性が机に座り、ノートパソコンを叩いています。

彼女の名はレイカ(31)・・・とある雑誌の取材記者です。

「えー、それでは、タケルさん、夜の日本学「先人考察(女性編)」・・・お願いします。今日は誰について語ってくれるんですか?」

と、レイカはノートパソコンを叩きながら、赤縁のメガネを手で直し、こちらを見つめます。

「うん。今日はちょっと政治家としては小粒な女性達を・・・戦国に咲いた美しい花達「お市さん」「淀君」「お江与の方」を見ていこう」

と、タケルは話し始めます・・・。


さて、今日の「夜の日本学」はじまり、はじまりー・・・・。


「お市さんは柴田勝家に嫁いだ後、羽柴秀吉に攻められ北の庄城にて柴田勝家と共に自害する前、娘の茶々、初、お江に「浅井の血と織田の血を絶やさぬように」と」

「その肉声を発しているんだね。そして、その母の死後、茶々は初、お江の二人の妹に「そなた達は名族近江浅井家の姫である。見苦しき振る舞いがあってはならぬ」と」

「その肉声を発しているんだね」

と、タケルは言葉にする。

「名族の血へのプライドが高い・・・お市と茶々の言葉のニュアンスは微妙に違うように感じますね。「血を絶やさぬように」と言う言葉は」

「・・・「よき男ノ子に愛され、子供をたくさんもうけよ」と言うニュアンスですものね・・・でも、茶々の意識はプライドに向かっている・・・」

「なんか、イメージ的には、お市の方が求めたのとは、正反対のあり方のように感じますね、女性としては」

と、レイカ。

「うん。実際、茶々は豊臣の血さえ、絶やしてしまった・・・これに対して、お江与の方は、浅井、織田の血を現代の今上天皇の血につなげている事実がある」

と、タケル。

「お市の方の薫陶を守った、お江与の方と守れなかった淀君・・・なんて対照的なんでしょう」

と、レイカ。

「ま、そのあたりの原因も含めて・・・この3人の存在とは何だったのか、考える契機にしてみよう、今回を・・・」

と、タケル。


「まず、お市の方だけど、彼女は「絶対の知恵者」信長さんに最も愛された女性と言われているんだね。となると彼女はオトコマエ3要素「好奇心旺盛」」

「「チャレンジングスピリッツ旺盛」「サービス精神旺盛」をエンジンに持ち、その人間性をデカく強くした織田信長さんに非常に近い資質を持っていた」

「と言えるだろうね」

と、タケル。

「男性が女性を愛する場合、また、逆も同じですけど、要は自分と似た資質を相手に見るから、好きになる法則がありますからね・・・」

「相手に自分と同じ匂いを感じると言うか・・・」

と、レイカ。

「さらに言えば、お市の方は、信長の覇業をその間近で見ていた一人だ・・・彼のやさしい性格も知りつつ、その覇業の目標の遠大さゆえの苦労も人一倍感じているはずだ」

「だからこそ、彼女は家臣の8割が朝倉派だった浅井家を織田家の味方に引きつけておくための織田家から出張した外交官としての役目」

「・・・浅井家家臣の織田派を増やす工作が主任務なその難しい役目を引き受けたんだろうね・・・」

と、タケル。

「最も難しい主任務だったからこそ、それこそ信長の最大の信頼・・・愛情だと感じたお市の方は、その任務を受け入れた・・・そう考えた方が自然ですね」

と、レイカ。

「うん。浅井家が織田家を裏切り、朝倉家と共にこれを挟み撃ちにしようとした時、このお市の方が両結びの豆の袋を信長の元へ送ったと言うエピがあるけど」

「学者連中は低能で馬鹿だから、こういう知恵のあるエピを全部、後世の創作にしちゃうけど、ここにこそ、「絶対の知恵者」信長さんに信頼され」

「その愛情に答えようとした、聡明なお市の方の片鱗が見えるじゃないか・・・僕はあえてこのエピを実際にあったエピとして捉えたいね」

と、タケル。

「彼女は最後まで、織田家の外交官としての役目に徹しきったと言う事ですね?」

と、レイカ。

「そういう事だ・・・しかし、その大好きだった信長は本能寺の変で死んだ・・・彼女は生きる気力を無くし、柴田勝家に嫁いだ」

「聡明な彼女なら、この結婚の仲介役を買って出た羽柴秀吉の意図を読みきっただろう。戦国の世を第一線で見てきたバリバリのワーキングウーマンだぜ」

「柴田勝家に精神的ダメージを与える策ではあることは当然見抜いているだろうし、それは将来的に羽柴秀吉が柴田勝家を圧倒する気満々だったことすら」

「わかるってもんだろう・・・」

と、タケル。

「でも、それを知りつつ、お市の方は、柴田勝家に嫁いだ・・・何故です?」

と、レイカ。

「織田家の血を残すことを第一の義としたお市の方だ・・・形の上だとは言え、三法師の元、一致団結すると言うのが当時の織田家のお約束だったから」

「そういう目で見れば、お市の方が柴田勝家に嫁ぐのは、その自然な流れの上での出来事と捉えれば捉えられない事ではない」

「三法師の元、筆頭家老にお市の方が嫁げば・・・万事上手くいくはず・・・そういう思いがお市の方にあったとするのが自然だろうね」

「それに彼女には、3人の娘・・・それこそ、浅井と織田の血を継ぐ子らがいたから・・・その嫁ぎ先を考える上でも、その位置は必要だったと思うよ」

と、タケル。

「しかし、お市の方が最初に予見したように現実は進み、柴田勝家は、羽柴秀吉により、織田家から取り除かれてしまいますね」

「この時の彼女の思いはどうだったでしょう?」

と、レイカ。

「彼女は羽柴秀吉なら・・・現今の最高実力者である、秀吉なら、3人の娘に最高の嫁ぎ先を用意出来ると踏んだんだろう」

「その時に自分のこの世での役目はすでに終わった・・・今はほんの瞬間でも愛しあった柴田勝家と共に、大好きだった信長・・・あるいは浅井長政に会いに」

「天国へ旅立つ事だけが、彼女の仕事になっていたんだ・・・」

と、タケル。

「それは女性として、納得出来る状況ですね・・・お市の方は、満足してあの世へ旅立っていった・・・わたしにもそう思えますね・・・」

と、レイカ。

「で、だ・・・お市の方は自分の美貌にそっくりな茶々が秀吉に嫁ぐ事すら、予見していただろう」

「それを予見出来たからこそ、彼女は安心して旅だった・・・そう見ていいと思う」

と、タケル。

「そして、茶々を娶る為には、他の二人の姉妹にも、素敵な嫁ぎ先を用意するだろうとも、理解していた?」

と、レイカ。

「そうだ・・・だから、お市の方には、何の心配事はなかったんだ・・・だが、その思いは大きくハズレることになる・・・」

「それは茶々が思いの外、血にプライドを持ちすぎたと言う事実だった・・・」

と、タケル。

「これ、いつものように茶々がかかった病に名前をつけるとすれば、どんな病気になるでしょう?」

と、レイカ。

「血の価値に価値を起きすぎ、その血にあぐらをかいちゃった「血のプライド型「俺偉い病」」と言う名になるかな」

と、タケル。

「彼女が最もやっちゃいけなかった政治的手法は、秀吉が死んだ後、北政所を大阪城から追い出しちゃったことだな」

と、タケル。

「例えば、この日本においては、自分の政治上の最大のライバルは必ず味方につける必要がある。秀吉が自分の母の大政所まで、家康の元に送って」

「家康を味方につけたのは、この日本のお約束を知り抜いていたからだ・・・それによって日本の最高正義「和を以て貴しとなす」が完成するからだ」

「家康が秀吉の臣下となり、秀吉の政治に協力するとなれば、家康よりチカラの無い大名達はそれこそ、秀吉に協力する以外に選択肢が無くなるからね・・・」

と、タケル。

「現代だったら、安部首相がその政治上の最大のライバル・・・石破茂氏を閣内に置いているのと同じ構図ですね?」

と、レイカ。

「そ。最大のライバルこそ、味方につけよ・・・それが「和を以て貴しとなす」を実現する最大の条件となる・・・この知恵を秀吉も安部首相も知り抜いているのさ」

と、タケル。

「でも、淀君は、その知恵を持っていなかった・・・むしろ、「血のプライド型「俺偉い病」」だったから、何処の馬の骨ともわからない血を持つ北政所を」

「大阪城から追い出した・・・そういう事ですか」

と、レイカ。

「そういう事だ。これが結局、北政所を中心とする清須派と淀君を中心とする近江派との確執の遠因になっていくんだから」

「豊臣家の没落のきっかけになった関ヶ原の戦いを主導したのは、淀君だったって事になるんだよ」

と、タケル。

「その戦いに乗じて天下を取った徳川家康は、清須派と手を組むために北政所によくしていますもんね?」

と、レイカ。

「そういうことだ・・・彼女には、その母、お市の方の聡明さは受け継がれていなかったんだ・・・悲しい事に、ね」

と、タケル。

「その後、徳川家に臣従するように徳川家から申し入れがあった時、淀殿は「そんな事をするくらいなら、秀頼を殺して自殺する」と言うなど」

「「浅井と織田の血を残せ」と言ったお市の方の訓戒など忘れてドンドン悪い方向へ豊臣家を主導して行った淀殿は、結局、徳川家に似たような形を取らせてしまうんですね」

と、レイカ。

「いつの時代も「俺偉い病」は身の破滅を招くんだよ。そのいい例だね、淀殿は・・・」

と、タケル。

「一方、お江与の方は、途中、他の男性に嫁したりしたんですが、最終的に家康の子にして二代将軍、秀忠の正室となり、その子、家光を生み」

「三代将軍としているんですね。将軍の正室が将軍を生んだ唯一の例だそうです・・・」

と、レイカ。

「お江与の方は、なにかと誤解される女性だけど、2男5女を秀忠との間にもうけているから、仲はよかったんだろうね」

「つまり、彼女こそ、母お市の方の聡明さと美貌と「浅井と織田の血を残せ」と言った母の訓戒を正直に守った女性だったんだよ・・・」

「やっぱり、女性は聡明さがなければ、男性に愛されないからね・・・」

と、タケル。

「秀忠と言えば側室を持たなかった事であまりにも有名ですが、女性として逆に考えれば、それだけお江与の方が魅力的だったって事でしょうね」

「聡明だったから、よく年下の秀忠を男として将軍として立ててあげたんでしょうね」

と、レイカ。

「そ。それ、一番大事だね。男は立ててうまく機嫌をよくしてあげて、なんぼ・・・そこをわかっている女性は聡明だよ」

と、タケル。

「賢い女性は男性より、一歩引く事が大事・・・この手法、タケルさんなら、どんな名前をつけます?」

と、レイカ。

「男の機嫌をよくする・・・「賢いオンナの一歩引き戦術」ってな感じかな・・・そのまんまだけど」

と、タケル。

「きっと、その戦術・・・お市の方も使ってましたよ、確実に・・・」

と、レイカ。

「そうだな・・・その「知恵」がお江与の方に伝わったからこそ、浅井・織田の血が現代まで残ったんだ・・・素敵な「知恵」は時を超える・・・そういう結論だ」

と、タケル。

「女性としては、見習いたい素敵な「知恵」です。お市の方とお江与の方・・・彼女達は「知恵者」だったんですね。だから、時を超えられた・・・」

と、レイカ。


「さ、女性向けな結論も出たし、仕事はこれくらいにして、飲み行こうか、「知恵者」のレイカちゃん」

と、笑顔で立ち上がるタケルでした。

「はい。もちろん、お供しますわ」

とレイカは立ち上がり、赤縁のメガネを取り、髪を解いた。


(おしまい)


巷にも「知識者」の女性、「知恵者」の女性がいろいろいますよね。

「知恵者」の女性って、頭の回転が速くて常にコロコロ笑っているから、僕も大好きですね。

人生大切なことは、どこまでも「知恵者」であることです。

そういう女性達と楽しく生きていきたいですね。


ではでは。

足利将軍家を暗殺させたのは、その行き過ぎた「神の子」意識!「足利義教さん」!

2014年09月22日 | 夜の日本学


一人の髪の毛の長い背の高い細身の女性が机に座り、ノートパソコンを叩いています。

彼女の名はレイカ(31)・・・とある雑誌の取材記者です。

「えー、それでは、タケルさん、夜の日本学「先人考察編」・・・お願いします。今日は誰について語ってくれるんですか?」

と、レイカはノートパソコンを叩きながら、赤縁のメガネを手で直し、こちらを見つめます。

「うん。そうだな・・・今日は室町時代の将軍家「足利義教」をとりあげてみようか」

と、タケルは話し始めます・・・。


さて、今日の「夜の日本学」はじまり、はじまりー・・・・。


「この足利義教の肉声として伝わってるのは訴訟に対して「御沙汰を正直に諸人愁訴を含まざる様に御沙汰ありたき事なり」と言う言葉なんだよね」

「だから、この足利義教と言う将軍は、正直者と言うか、武家や農民などの庶民の生活で悲しませないようににする事を考えていた人・・・と言うのが僕の印象になるねー」

と、タケルは言葉にする。

「足利義教と言えば「万人恐怖」の独裁者・・・と言うイメージが強いですが・・・よく織田信長と比較されますよね?」

と、レイカ。

「信長と本質的に違うのは、彼は将軍と言うある程度、確立された権威を、これにはもちろん、幕府の権威も入るんだけど、それを強化することに」

「もっぱら意を用いたと言うところかな。信長は、尾張の4分の1程度の小領主から、日本征服の野望と言うか・・・平和な日本にしてやろうと言う」

「大きなサービス精神を持っていた人間だから、本質的に違うんだよね。信長は究極のやさしい人でサービス精神旺盛だけど」

「足利義教は、ま、究極の「俺偉い病」の人間だったからこそ、暗殺されてしまったと言う点は、全然違うと思うね・・・」

と、タケル。

「記録によると、酒の注ぎ方が悪いと言うので、罰せられて尼にさせられた婦人までいたとか」

「・・・足利義教は、自分は神に選ばれた将軍なのだと言う意識だったようですね?」

と、レイカ。

「例のくじ引き将軍と言う名称だね・・・でも、これ、僕は単なるパフォーマンスに過ぎないと思っているけどね」

と、タケル。

「最初から、天台座主「義圓」を将軍にする予定で、それを周囲、特に公家達を説得する小道具に過ぎなかった「くじ引き」・・・そういう話ですか?」

と、レイカ。

「もちろん、そうさ。いくら当時の人間が神慮を信じていたと言っても、「次の将軍を誰にするか?」と言う人事については、やはり」

「人物を見るべきだろう?で、当時、天台座主としても逸材と言われていた「義圓こそ、然り」と決めた管領達の衆議で決まってたんだと思うよ」

「だから、くじ引きは、単なるパフォーマンスさ・・・」

と、タケル。

「これ、面白いのは、将軍、足利義教自身も、神慮を信じていたらしくて、庶民の訴訟で・・・土地問題中心ですけど、例の「湯起請」を判断材料に使っているんです」

「でも、人事にだけは、それを使う事はなかったそうです・・・」

と、レイカ。

「そりゃ、そうだ。人事こそ、政治そのものだからね・・・足利義教は、人事は上手い政治家だったと思うよ。人を見る目があったと言う事さ・・・」

と、タケル。

「ある人物の政治を結果から判断する場合、この日本では、いかに安定した政治を行ったかが最大の判断材料になる。足利将軍家の場合は、最も安定した政治を現出」

「させた将軍家は、これはもう足利義満になるんだけど、あと2点、判断材料を示すとすれば、室町時代を通じて、最大領土を獲得したのは誰かと言う事と」

「足利将軍家の権威を最大にしたのは、誰か・・・という点が挙げられる・・・将軍家の権威として最も高かったのは、足利義満だけど、足利義教は、それに継ぐ」

「評価を与えていいと思うし、最大領土に至っては関東及び九州を制覇した足利義教に最大の評価を与えていいと思う」

と、タケル。

「じゃあ、政治家としては、足利義満には劣るけど、並びかけた将軍家とも言えるとも?」

と、レイカ。

「覇王としては、足利義教に軍配が上がるだろうね。客観的に見て・・・。なにしろ、兄達が失墜させた足利将軍家の権威を見事に復活させたんだからね・・・」

と、タケル。

「・・・ただ、日本の政治家として見た時・・・「俺偉い病」化が激しすぎましたね・・・」

と、レイカ。

「ああ・・・足利義教と比較した場合、織田信長さんは、普段は女性にやさしいオトコだったんだよね。だから、侍女が信長さんが出かけている内に」

「職場放棄して遊びに行っちゃうエピがあった・・・いかに普段信長さんが待女達にやさしいかって事がわかる証左だよね」

と、タケル。

「でも、足利義教は、信長とは対照的に、まるで癇癪持ちのように、普段からプリプリ怒っていた・・・」

と、レイカ。

「だから、周囲もピリピリしているし、待女達も緊張して、粗相をしちゃう羽目になるわけ・・・言わば義教が悪いんだよね」

「待女が粗相する原因を作り上げている「俺偉い病」状態の義教なんだからさ」

と、タケル。

「頭がキレ過ぎる上に、人のアラが見えすぎる程、見えるから、始終プリプリ怒る羽目になるんだよね・・・しかも、自分の将軍家と言う権威は神慮により」

「選ばれし者と言う意識が強いから、「俺偉い病」になる材料が揃い過ぎているんだけどね・・・」

と、タケル。

「義教のエピで、彼の側室が子を生んだ時、その側室の兄を賀した客達がいたらしいんですけど、この客達すべてが罰せられているんですよね」

「まるで、「王権神授説」を義教が信じているような行動ですよね?」

と、レイカ。

「いや、まさにその通りだと思うよ・・・「価値のあるのは、くじ引き将軍として天慮により、天から選ばれし、将軍である自分のみ」と言う意識が垣間見られるね」

と、タケル。

「それが義教の「俺偉い病」の正体ですか?」

と、レイカ。

「そ。まさにその通りさ・・・ただ、その意識が行き過ぎたと言えるだろうね。彼は比叡山と対峙し、比叡山の門前町である坂本の町を焼き討ちにしている」

「この時、比叡山側は降伏を申し入れ、和議が整うんだけど後日、比叡山の使節を手元におびき寄せ、これを殺している。山門側は激昂し」

「24名の焼身自殺者が出たんだけれど、その時に根本中堂にも火がかけられてるんだね。つまり、山門側が義教の非道とも言えるやり方に抗議の意味を込めて」

「根本中堂を焼いたんだ・・・」

と、タケル。

「信長とは全く逆の構図ですね・・・比叡山焼き討ち・・・でも」

と、レイカ。

「信長さんは「絶対の知恵者」にして、好奇心旺盛、サービス精神旺盛、チャレンジングスピリッツ旺盛のオトコマエ3要素を持っていた、やさしいオトコだった」

「しかし、義教は、全く逆のあり方だ。王権神授説を信じる「神の子意識」を持った究極の「俺偉い病」の癇癪持ち・・・そりゃ、殺されるよ・・・」

と、タケル。

「日本人は話の通じない相手と見るや、サムライ化して相手を殺しちゃいますからね・・・怖い戦闘民族です・・・」

と、レイカ。

「ま、その話に行く前に・・・足利義教と言えば鎌倉公方足利持氏を討伐した功もある。持氏を朝敵に指定して関東の諸将を糾合し、持氏を討ったんだね」

と、タケル。

「確かに・・・それを出来た足利将軍家は足利義教ただひとりと言うことになりますからね・・・」

と、レイカ。

「だから、政治家としては一定の成功を収めているんだけど、日本人としてはダメだったんだ。日本の最高正義はどこまで行っても「和を以て貴しとなす」だからね」

「「神の子意識」と言う究極の「俺偉い病」にかかった足利義教は、常に和を破壊する存在になってしまったからこそ、暗殺されてしまったんだね・・・」

と、タケル。

「わたしも義教みたいな人間の傍には、いたくありませんもの・・・それはやっぱり・・・」

と、レイカ。

「僕も嫌だね・・・だから、彼は生前、蛇蝎の如く嫌われていたと思うよ・・・裏ではね・・・」

と、タケル。

「日本人は周囲の人間に嫌われたら、終わりって事ですね?」

と、レイカ。

「そういうこと・・・それが今日の結論になるね・・・」

と、タケルは笑顔で言った。


「さて、結論も出た事だし、レイカちゃん、今日も飲みに行こうか」

と、タケルは言葉にする。

「はい、どこまでもお供します」

と、レイカは言うと、赤縁のメガネを取り、髪を解いた。


(おしまい)


日本の文化は他人の評価を好き嫌いで判断するところまで辿り着いています。

ま、だからこそ、嫌われたら終わっちゃうんですね。

ま、仕事は出来るけど、嫌われている人って巷にいますからね・・・。


そうならないよう、毎日笑顔で生きていきましょう!


ではでは。

宇宙一になりたければ、人間性を極力磨け!「春日局」さん!

2014年09月17日 | 夜の日本学


一人の髪の毛の長い背の高い細身の女性が机に座り、ノートパソコンを叩いています。

彼女の名はレイカ(31)・・・とある雑誌の取材記者です。

「えー、それでは、タケルさん、夜の日本学「先人考察(女性編)」・・・お願いします。今日は誰について語ってくれるんですか?」

と、レイカはノートパソコンを叩きながら、赤縁のメガネを手で直し、こちらを見つめます。

「うん。そうだな・・・最近は政治家の女性が好きだから・・・政治力と言ったらこの女性「春日局」さんを見ていこう」

と、タケルは話し始めます・・・。


さて、今日の「夜の日本学」はじまり、はじまりー・・・・。


「この春日局と言う人物の手紙が西本願寺で見つかってるんだけど、自分の奉公人の母が西本願寺に奉公していると聞いて、西本願寺に」

「「自分の部下をその母と一緒に奉公させて欲しい」と頼み込んでいる手紙で、当時としてはそういう高位の人間(従二位)がそういう手紙を書くことは異例で」

「そこに春日局のやさしさや神経の細やかさ、母性などが見られるんだね・・・」

と、タケルは言葉にする。

「従二位と言うと、女性では北条政子や平清盛の妻、時子などが挙げられますね」

と、レイカ。

「うん。それだけ政治力が高ったと見るべきだろうね」

と、タケル。

「そういう神経の細やかさが政治力の高さにつながったんでしょうね、やっぱり」

と、レイカ。

「それはあるだろうね。ガサツで何事にも気づかないような人間は、政治力なんて発揮出来ないよ・・・」

と、タケル。

「春日局は、明智光秀の重臣、斎藤利三の娘ですよね?山崎の戦いの後、逃亡したものの捕まり、磔にされた・・・」

と、レイカ。

「そうだね」

と、タケル。

「そういう女性が何故徳川将軍家の乳母になれたんでしょう?もちろん、それには家康の承認が絶対に必要なはずですよね?」

と、レイカ。

「まあ、一般には父の死後、彼女が三条西公国に養育されて、公家の素養である書道・歌道・香道等の教養を身につけていた事と」

「夫の稲葉正成が関ヶ原で主人の小早川秀秋を説得して東軍に寝返りさせた手柄とを鑑みてと言われているようだけど」

「僕的には、彼女は逆賊の娘として子供の頃から扱われていたから、何苦楚魂が成長して、逆境に強い精神力が発達して、オトコマエな女性になってたんじゃないかな」

と、タケル。

「だから、非常に魅力的な大人の女性になれていたと?」

と、レイカ。

「うん。それに徳川家康は、明智光秀を尊敬する事大だったと言われているから、そういう縁故関係もプラスされて、家康に覚えめでたくなったんじゃない?」

と、タケル。

「もちろん、そもそも、人間性がデカイ上に神経も細やかなオトコマエな女性だったから、家康に気に入られたんだよ・・・苦労人の家康の事だ」

「人間はどこまでもデカイ人間性と強い人間性を持った男女こそ、本当の大人だと言う事に気づいていただろう、家康なら・・・」

と、タケル。

「逆境こそ、デカイ人間性と強い人間性を生みますからね。もちろん、神経も細やかになる・・・ですもんね」

と、レイカ。

「そういうことさ・・・逆にけつの穴の小さい、弱い人間性の男女は神経もがさつだし、何より頭が悪いからね・・・春日局は、それとは逆のあり方だったんだよ」

と、タケル。

「そういえば、家康さんも少年時に人質として育てられ・・・逆境の中で成長したから、細やかな気配りの出来る男性になったんですものね」

と、レイカ。

「家康は春日局に自分と同じ性格・・・細やかな気配りの出来る大きな人間性と強い人間性を持つ女性・・・を見たんだろうね」

「だから、家康は春日局の人間性を買っていて信頼していたんだよ・・・もっとも後年、駿府にいる家康の元へ春日局が直訴したと言うのは創作だと言われているけど」

「・・・僕はそういう強い人間性とデカイ人間性を持つ春日局だからこそ・・・家康に気に入られている事はわかっていたからこそ、直訴したんじゃない?」

「僕は創作じゃなくて、実際にあった話のように思えるけどね」

と、タケル。

「創作、創作って、結局、歴史学者って、頭悪いし経験値も乏しいから、結局、「燕雀いずくんぞ鴻鵠の志を知らんや」状態になってるから」

「「知識者」には「知恵者」の行動は理解出来ないんですよね・・・」

と、レイカ。

「そ。ちょっとドラマチックな展開が見えるとぜーんぶ「創作」にしちゃうからね・・・あるいは家康が春日局に会った理由のひとつに「春日局に家康のお手がついたから」」

「って理由で・・・それくらいしか考えられないから、学者って馬鹿だっつーの。春日局って天然痘のあばたがひどかったらしいし、何を好き好んであばたの後家に手を」

「つけるんだよ・・・僕は同じ人間として、家康は春日局に、苦労人として同じ匂いを感じたから、乳母として、オッケーを出したと思うし、春日局も同じ匂いのする」

「家康だけは信じられるし、わかってもらえるととわかっていたから、駿府まで直訴に行ったんだと思うよ。僕は創作じゃないと見るね・・・」

と、タケル。

「そうですね・・・やっぱり乳母候補って当時、何人もいたはずですものね・・・その中で抜きん出ると言う事は余程、大御所様に気に入られる必要がありますから」

「一番は人間性を見るでしょうから・・・家康からすれば、春日局は、圧倒的に自分に似てた・・・と言う事でしょうね・・・苦労人である家康に・・・」

と、レイカ。

「僕も親友がいるけど、大学時代同じ匂いを感じて・・・今、相手も脱サラした「独立者」やってるしね・・・そういう人間同士が合い通じるんだよ」

と、タケル。

「なるほど・・・家康と春日局は親友同士のように信じ合えてたと言う事ですね・・・だったら、行ってますね、駿府」

と、レイカ。

「じゃあ、あのエピは・・・春日局が夫、稲葉正成と離婚する際・・・その離婚の原因は夫の浮気が原因だった為、春日局が浮気相手の女性を殺した・・・と言うエピは?」

と、レイカ。

「それこそ、レベルの低い創作だろう。神経の細やかな苦労人の女性が同じ女性を殺せるわけないじゃん・・・」

と、タケル。

「じゃあ、後水尾天皇に春日局が譲位を迫ったと言うエピは?」

と、レイカ。

「まあ、いろいろ言われているよね?従二位と言う天皇から見れば位の低い春日局に譲位しないように説得された事に嫌気がさして譲位した・・・とか」

「・・・でも、やっぱり、後水尾天皇の意図は、明正天皇を天皇にすることで徳川の血を絶えさせる狙いだったんじゃない、よく言われるように」

と、タケル。

「天皇にされてしまえば女帝は一生独身・・・子供が産めない理屈ですもんね・・・」

と、レイカ。

「それに明正天皇の御代は父、後水尾天皇が院になっても実権を手放していないから・・・止めようとした春日局にカチンと来た後水尾天皇と言う構図」

「が、やっぱり当たりなんじゃないの・・・でも、そこから見えてくるのは、大御所様並みの人間性のデカさ、強さをもった春日局こそ」

「幕府の政治的交渉人としての最後の切り札だったと言う事実だよ・・・やっぱり日本人は人間性を評価するからね・・・権力と言うのは、人間性があるからこそ」

「ついてくるものだ・・・これ、よく家光の乳母だから権力があったと勘違いされてる春日局だけど、彼女のデカくて強い人間性や細かい気遣いこそが」

「政治力、ひいては権力につながっているんだよ・・・家光有りきじゃないんだ・・・」

と、タケル。

「春日局は、「絶対の知恵者」でもあったんですね。弟の国松・・・後の駿河大納言忠長を死に追いやっていますものね」

「さらに言えば、男色家だった家光に、尼僧を還俗させて与え、家光をたちまち女好きに変えちゃうし、跡継ぎも生まれて」

「大奥を実質的に取り仕切っていたんだから「光るの姫の目」による「サル山の女王力」も持っていたんでしょうね、春日局は」

と、レイカ。

「つまり、元々人間力が相当鍛えられていた春日局だから、家康の目にも適ったし・・・そういう人間性のデカイ、人間性の強い苦労人の女性だったからこそ」

「どんどん信頼され、どんどんのし上がっていったんだね。権力と言うのは、その過程で手中にしていくものだから、ただ、家光の乳母だから権力者になれたので」

「はなく・・・そういう高い人間力を持っていたからこそ、結局、権力が後からついてきた・・・そう見るべきなんだね」

と、タケル。

「・・・と言う事は「苦労は買ってでもしろ」と言うのは、本当の事・・・だと言う事ですね」

と、レイカ。

「宇宙一になりたければ、自分の周囲のネガティブを苦労してでもすべてポジティブに変えること・・・そういう話になるね」

と、タケル。

「なるほど・・・なにより、人間はデカイ人間性と強い人間性、細やかな気遣いが出来る事・・・なんですね」

「それが今日の結論になりますね?タケルさん」

と、レイカ。

「そういうこと。さ、仕事はこれくらいにして、飲み行こうか、「知恵者」のレイカちゃん」

と、笑顔で立ち上がるタケルでした。

「はい。もちろん、お供しますわ」

とレイカは立ち上がり、赤縁のメガネを取り、髪を解いた。


(おしまい)


結局、権力とは人間性のデカくて強い人間、そして、細やかな気遣いの出来る人間にあとからついてくるものなんですね。、

宇宙一になりたければ、人間性を磨くこと・・・この一点に尽きますね・・・。

ま、がんばっていきましょう!


ではでは。