就活地獄に若者が苦しむ姿もよく韓国ドラマで描かれるテーマだ。
このドラマの主人公ジュヌンもそんな就活生の一人。最終面接までたどり着き、今度こそと思ってみたものの、相手は強力なコネを持った学生だったのだ。勝ち目はない。そんな時に漢江に飛び込もうとしている人を助けてしまい、自分がこん睡状態に陥ってしまう。
死神が出演するドラマも同じように韓国ドラマで好まれるテーマ。このドラマはこの二つがミックスして描かれるドラマなのだ。
死神のちょっとした手違いにより現世ではこん睡状態に陥ってしまったジュヌン。予定だと3年後に目覚めるということらしいのだが、「ここで働けば6か月で目覚める」ということで、冥途の世界の独占企業@走馬灯(亡くなる際に自分の人生が走馬灯のように目の前に現れるということからか・・・)にインターンのような契約社員として、危機管理チームの一員として働くことになったジュヌン。名簿管理だの業務が分業制になっているものの、冥途の世界らしく、最後の引導を渡すチームがエリートチームで、冥途の世界故、ジュヌンが所属することになる自殺を止める危機管理チームはやや異色のチームなのだ。
地獄出身(!)の何かわけがありそうなチーム長ク・リョンの元で仕事を始めるジュヌン。
自殺の可能性のある人物にはアラームが点滅し、そのアラームの点滅を何とか食い止めるのが危機管理チームの仕事。
インターン生のジュヌンは、立場故、直接的に手出しできないことにいら立ちを覚えるものの、冥途世界の企業にはその企業なりのポリシーがあるのだ。過去のいじめがトラウマとなり、自殺を考えるほど追いつめられる放送作家。どう考えてもいじめている方に非があるのだが、正当な方法では加害者を裁くことができない。いじめのトラウマを克服できないという彼女に、自分で乗り越えろと叱咤激励し、チーム長のク・リョンはこっそりと必殺仕事人的な超法規的な活動で彼女の恨みを晴らしてやるのだ。
「恨みを晴らすことは変わりにしてあげるが、自殺をしたいという思いは自分で克服するように・・・」というのがどうやら危機管理チームの行動規範らしい・・・
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以前、韓国語を教えて貰っているSさんに「なぜ韓国ドラマには死神(韓国語的には冥途の使者)が出てくるドラマが多いのか?」と聞いたところ、逆に「なんで日本には死神が出てくるドラマが多くないのか?」と質問を返されてしまった。私としては『悔しくて死んでも死にきれない』『悔しいから死んで汚名を晴らす』という「恨みという感情にフォーカスすることが多い韓国ならではの特徴」だと理解することにした。