私の映画玉手箱(番外編)なんということは無い日常日記

なんということは無い日常の備忘録とあわせ、好きな映画、韓国ドラマ、そして
ソン・スンホンの事等を暢気に書いていく予定。

雪虫、破弾、熱欲

2010-11-03 20:51:40 | たまに読んだ本
新聞社に勤務しながら大量ともいえる作品を書き続け出し続けている堂場瞬一の刑事鳴沢了シリーズの三冊。

私は鳴沢シリーズの後に始まった警視庁失踪課・高城賢吾シリーズから読み始めたので、一旦時間を遡って読み進めていることになるのだが、失踪課シリーズにはない重さと勢いがあって、なるほどこれなら話題になるはずだというのが今更のように頷けるのだ。

新潟で父も祖父も刑事として生きた家に生まれ、自分は生まれながらの刑事と思った男が、50年前の事件のせいで心の中に傷を残す。その傷を癒すべき道を探すために出てきた東京。しかしその東京で既に過去の出来事として捕らえられている30年ほど前の事件にとらわれている人と出会い、更に新しい傷を負う男。
しかし自分が生きていられるのはこの世界だけと刑事を続けることを選ぶが、男の新しい仕事は殺人ではなく、詐欺だった。しかし詐欺の世界も事件は見えるところだけで行われているのではない。
芽を摘んでも根が残っていれば、また犯罪は起こる。。。。。

三冊分の感想をまとめて書いているのは、読み出したら止まらなくなったせいだ。
特に雪虫は非常に重い展開に驚くが、年月の重さと人の想いを感じた。
このまま、この勢いが続くのか、それともどこかで失速してしまうのか、既に答えは出ているのだが、私はまだシリーズの三分の一にも達していない。これからゆっくり自分の目で確認したいと思う。
今はまだそう思わせるものが沢山ある。

*****
警察が舞台となる小説が好きなのは、登場人物たちが事件以外のことに囚われていることも多く、読んでいてもどかしいせいかもしれない。
性格的にはすっきりする展開が好きなのだが、生活の中ではもどかしいことも、何で?と思うことも多い。
刑事にとっては犯人を捕まえることはある意味一つの正解だが、人間としてはそれが正解なんだろうかと思い悩むこともあるだろうし、自分の中での譲れない価値観の中で悩むこともあるだろう。
私の生活の中に犯人は出てこないが、もどかしい思いが毎日続くのは一緒だ。
自分で自分の気持ちを整理し、犯人逮捕の中に自分の正解を見つけようとする刑事達の振る舞いに格好よさを感じ、ちょっと憧れてしまっているのだろう。





雪虫 (中公文庫)
堂場 瞬一
中央公論新社


破弾 (中公文庫)
堂場 瞬一
中央公論新社


熱欲 (中公文庫)
堂場 瞬一
中央公論新社


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