私の映画玉手箱(番外編)なんということは無い日常日記

なんということは無い日常の備忘録とあわせ、好きな映画、韓国ドラマ、そして
ソン・スンホンの事等を暢気に書いていく予定。

エブリシング・エブリウェア・オールアット・ワンス

2023-03-12 18:59:23 | 映画鑑賞

コインランドリーを経営し、父の介護をし、そして今時の娘の行動を理解し難いエブリン。夫は頼りなく、税務署には会計のずさんさを指摘され、心休まる時はないのだ。これ以上問題が起きても対応不能と思われる彼女に更なる問題が降りかかる。「僕は別のユニバースから来た。悪に苦しむ宇宙を救えるのは君だけだ」と、突然の夫からの告白。

*****

マルチバース(多元宇宙)は無限の可能性を秘めた世界だ。マルチバースには何人もの自分がおり、まったく別の人生を生きている。それらの力の自分にチャージして、悪を滅ぼす事が出来るのは、アメリカに西海岸でしがないコインランドリーを経営し、伝票の整理に追われる自分だと指名されるのだ。

マルチバースは、いくつもの「IF」を無条件に吸収し、別人の力をチャージするために必要なお下劣なおふざけも全て飲み込む。なるほど・・・・マルチバースは無限の可能性がある世界だと思わなければ、映画についていけない。少なくとも私は早々に「これはなんだ?と思ったらいけないんだ」と思い、とりあえず、全部を「なるほどね」と思う事にした。そして無限の可能性を秘めた世界の中で繰り広げられる家族の物語を楽しむ事にする。

*******

各マルチバースを渡り歩く際に各種の「IF」にかなりな情報量があり、なかなか字幕では全ての情報を入手する事が難しい。そもそもマルチバースに突入する前の家族のやり取りも、妻と夫は中国語(いわゆる普通語)と英語のミックス、介護が必要な父親の母国語はおそらく広東語、そして娘と恋人のやり取りは当然英語。それだけでも情報量が半端ないカオスだ。もともとの設定がカオスであるのに、字幕では処理しきれない細かい情報の抜け落ちが、更なるカオスを作り出しているではないかと思う。。。

*****

カンフースター、映画女優等等、何人もの彼女の姿はエブリンを演じるミシェール・ヨーのこれまでの出演作品に繋がっていく。これらも彼女が歩んで来た道なのだ。やや頼りない夫を演じるキー・ホイ・クァンの雰囲気、そして驚くような貫禄を見せるジェイミー・リー・カーティス。各種マルチバースを歩き渡る映像の中に彼らの歩んで来た歴史も観るような気持ちにもなる。

 

****

追記

主演女優賞を受賞した60歳のヨーは女性たちに「レディース、『あなたが一番輝ける時期はもう過ぎた』なんて誰にも言わせないで。絶対諦めないで」とスピーチ。

 



最新の画像もっと見る