韓国ドラマを見ていると、傷心の人がやり直そうとする場所が済州島であることが多い。ソウルを離れ、済州島の海辺で心穏やかに静かに過ごせるカフェなど開いたり・・・。あるいは母親が一人暮らす故郷が済州島だったり・・・
私は行った事がないけれど、何度もそういうドラマを見てきたせいか、風が強く天気が突然変わる済州島は、都会で疲れた心を癒しに帰る場所というイメージを持つようになった。
このドラマはその済州島に住んでいる人々が主人公だ。済州島で生まれ育った人にとっては、狭い島故、誰かの友達は自分の友達で、皆どこかで誰かとつながっているという、お互い秘密のない場所だ。
女子高生が「済州島で暮らす事は時々息が詰まりそうになる・・・」と思う事はある意味当然だろう。更に同級生の恋人との間に子どもが出来てしまったのだからなおさらだ。制服の下で大きくなりつつあるお腹を隠し、インターネットで堕胎薬を購入しようとするのも、ネット時代に生きる高校生らしい考えなのかもしれないが、当然そんな薬はまがい物に決まっている。
手術には親の同意書もいる。そして何より子どもはどんどん大きくなり心音まで聞こえる位になっているのだ。
父親同士は学生時代からの腐れ縁。そんな中での妊娠だ。都会なら人の波に紛れて隠れる事が出来ても、小さい島の中、小さいコミュニティーの中では隠れる事も出来ないそんな中で子どもを産む事を選択する二人。私に子どもがいないせいなのだろう。やや無責任だとは思うのだが、無鉄砲な若者に「若さでなんでも乗り切ってほしい」などとエールを送りたくなってしまう。。。
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夫と離婚後、一人で子どもを育てていたソナも、元夫が一度は手放した息子の親権を取り戻そうとしていることに傷つき済州島に戻ってくる。うつ病を患っている母を気遣う「お父さんは僕の友達だけれど、お母さんは病気だから僕と遊べない」という息子の言葉。世の中的には息子を一人で育てられるような状況にはない彼女。済州島に戻ってきても、昔の思い出が彼女の助けにはなってくれないのだ。
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ドラマを見ながら、行ったことのない済州島のあれこれに思いをはせてみる。