私の映画玉手箱(番外編)なんということは無い日常日記

なんということは無い日常の備忘録とあわせ、好きな映画、韓国ドラマ、そして
ソン・スンホンの事等を暢気に書いていく予定。

特捜部Q ―檻の中の女―

2012-02-26 18:48:32 | たまに読んだ本
捜査中の事故で同僚を失い、自分も瀕死の重傷を負った警部補。
復帰後は自分とシリア人移民の助手一人という特捜部を任される警部補。
結局のところは、上層部による厄介払いと補助金目当ての人事なのだが、ミッションとして課された未解決事件の調査にあたる警部補。

2002年と2007年を行き来する展開から事件の謎の一角はすぐに分かる。
しかし事件の謎もさることながら、何とかして助かりたいという2002年の女性の思いと、2007年の今、何を糧に生きていけばいいのか毎日悩み悩みながらも捜査するしか生きる術を持たない警部補の痛みが交互に感じられる展開に思わず引きずり込まれてしまう。
読み飛ばしたくなる位凄惨な表現が続いても、読み続けてしまうのは、助かると思えない状況でもあきらめない2002年の女性に敬意を感じずにはいられないからだ。

2007年に未解決事件を捜査する警部補も強面なところがあるかと思えば、シリア人の助手のプライベートを尊重しつつ、距離を取りつつ付き合おうと苦心する。そしてカウンセラーの女性に必要以上に興味を覚えたりする。
強面の警部補というだけでない顔がちょっとずつ見えてくるのが非常にリアルで、次はどんな顔を見せてくれるのだろうと読み続けてしまうのだ。

デンマークの作品だが、ドイツでも多大な人気を集めているとのころで、この作品もドイツ語からの翻訳らしい。

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特捜部Q ―檻の中の女― (ハヤカワ・ポケット・ミステリ 1848)
クリエーター情報なし
早川書房


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