卒業シーズンだ。ここ1週間ほど、出退勤の時間に袴姿の女子大生とすれ違うことが何度もあった。
着物の柄もそうだし、鮮やかな色をした小さなダリアを思い出させる沢山の髪飾りを見ると、私まで華やかな気持ちになってくる。
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毎朝、出勤前に聴いているラジオでも、今週は卒業式に歌われる歌がかけられている。
大地讃頌、巣立ちの歌・・・私も卒業式に歌った歌だ。
巣立ちの歌は多分小学校卒業の時、自分達が卒業記念に木彫りした校歌(一枚一枚は小さい木彫りなのだが、全部合わせると校歌になるという大作だ)の前で歌ったはずだ。
そして中学生の卒業の際は皆で大地讃頌を歌ったような気がする。(合唱コンクールだったかもしれない。もう記憶は曖昧だ。)
高校の卒業式では、校歌だけを歌う予定だったはずなのだが「卒業式らしい歌を歌いたい」という意見が私たち学生の中から自然発生的に盛り上がり、「ぜひ仰げば尊しを歌わせてほしい」と先生たちに直談判が行われた。
先生たちも、その積極さに当初は面食らったらしい。ただ「君たちがそんなにいうなら・・・」という事で、式次第を変更し、私たちが仰げば尊しを歌えるようにしてくれた。ただ、「2番は歌って欲しくないという先生がいるので、2番を抜かし、1番と3番だけ歌って欲しい」という逆リクエストがあった。
当時、私たち学生は、仰げば尊しが3番まである事を知らず、『なんだか良く分からないけれど、とりあえず歌えるようになってよかった』と言いながら、1番と3番を放課後練習して卒業式に臨んだのだ。
実は、なぜ2番を歌って欲しくないと言われたのか、今日までその理由を深く考えた事はなかった。先ほどウィキペディア先生で確認し、なんとなく事情を理解したのだが・・・
2021年の今、仰げば尊しを卒業式で歌う学校はほぼないという話を聞き、少しだけ寂しく思う。
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