私の映画玉手箱(番外編)なんということは無い日常日記

なんということは無い日常の備忘録とあわせ、好きな映画、韓国ドラマ、そして
ソン・スンホンの事等を暢気に書いていく予定。

怪物

2023-07-02 19:29:25 | 映画鑑賞

クリーニング店で働きながら、一人で小学校高学年の息子を育てる母。息子に平凡でも幸せになって欲しい彼女の思いは、息子が学校でいじめを受けているのではという疑いを持った事から大きく揺れ始める。片方だけの靴を履く息子、普段使っている水筒の中になぜか入っていた泥水・・・シングルマザーの彼女を不安にさせるには十分すぎる事象だ。

事情を聞きたい、確認したいという母の思いは、校長をはじめとする教師たちの多くを語らずやる気のない形ばかりの謝罪の前に空回りするばかりだ。「誤解があった」という言葉だけでは分からない息子の学校での様子。

そんな単発的に語られる一つ一つの出来事が、二人の少年の目を通して、連続性を持ち鮮やかな色を持ったエピソードになって語られる後半。それぞれの事象が見る者によって全く違う真実として語られていくのだ。ただ、全員がその出来事に真摯に向き合うか否かは、また別の問題だ。

少年二人が自分たちなりにその出来事に向き合っているのと比べて、周りの大人たちの熱量にはばらつきがある。わざとばらつきがあるように描いているようでもある。勿論全員に熱量が必要なわけでもない。それが現実であるかもしれないが、それでももっと別の描き方もあるのではと思ったりもする。何故校長があんなにも不可解な言動を取るのか。そこに何か意味があるのか。それを見ている私が判断できる情報はあったんだろうか。自分で何かを探すべき映画であることは分かるし、私自身はそれ自体に全く拒否感はないのだが、ただもう少し何かヒントがあっても、・・・と思う部分があった事がちょっと引っかかった。

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諏訪をロケ地にして撮影された映画はとても多いとの事。私が見たことのある映画でも、「白ゆき姫殺人事件」、「俳優 亀岡拓次」は諏訪がロケ地だった。諏訪湖や霧ヶ峰と風光明媚な場所に恵まれ、晴天率の高い諏訪は、撮影と親和性が高いようだ。