行政マン・コーチのはじめの一歩

自治体職員でストレングスコーチ&ファシリテーターの丸本です。
人と組織の持つ強みを活かして、応援を続けています。

ブレイクスルー思考(1)

2006年01月28日 | 自己啓発
私が出会ったアイデアを出す方法に、「ブレイクスルー思考」というのがあります。
変な人形が出る旭化成のコマーシャルで、「イヒ!=ブレイクスルー!」というのがありましたが、その「ブレイクスルー」するための思考法です。

1990年代に当時のワークデザインの考え方を広げて、ナドラー博士・日比野博士の二人が出版した「Breakthrough Thinking」で発表した考え方です。

「アイデアを出す方法」と書きましたが、もちろんこの思考法を使って、多くの製品開発や自治体のまちづくりがなされていますが、それと同時に、このブレイクスルー思考は、仕事の仕方自体であり哲学ともいえるものです。


ブレイクスルー思考には7つの原則というのがあります。

1 ユニーク“差”の原則
 「万物にはユニークな差がある。たとえ非常に似た状況でも、目的、それに関わる人間、文化、時代など全てが違う。この事実は「類似問題や事例から解決策を学ぶことには限界がある」ことを教えている。」というもの。
 私たち役所の仕事の仕方の一つに、「先進地視察」というものがあります。真面目に勉強をしにいくのですが、得てして自らの環境・風土の違いを忘れ、真似に走るくせがあります。「ユニーク差の原則」は、その過ちを教えてくれるものです。

2 「目的展開の原則」
 「目的の目的、さらにその目的を問うという根源的議論をすることにより、本質を捉え、大所高所から解決策を考える。」というもの。
 課題に取りかかるとき、急ぐあまりその課題自体が真なるものか検討をすることはありません。しかし、もしその課題が本当の解決策につながらない課題だとしたら、その努力は無意味なものになります。解決策を捜すとき、そもそもその課題・目的は正しいのか、考える必要があります。
 また、「手段」が「目的」になりがちな役所の仕事に陥らないためにも、常に「その目的は何か」を頭で問い続けることが大切です。

3 未来から学ぶ「あるべき姿」の原則
 「激しい変化のため、現代は「過去の延長線上に未来がない」現象が多発している。本質である目的をベースに未来の「あるべき姿」をデザインし、そこから学びながら現状を変えてゆくことが大切である。」というもの。
 解決策を探すとき、得てして現状分析や問題点探しから取りかかります。そして、過去の成功体験に基づく手法を持ち出しがちです。しかし、環境の変化が激しく、過去の蓄積と取り組もうとしている現状が乖離しているとき、過去の成功体験や、現状のアレンジでは通用しない場面が多くなりました。現状から積み上げるのではなく、あるべき姿を描いて、そこから「今」へ引っ張ってくる考え方が必要だと思います。

(つづく・・・多分)
コメント
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