行政マン・コーチのはじめの一歩

自治体職員でストレングスコーチ&ファシリテーターの丸本です。
人と組織の持つ強みを活かして、応援を続けています。

惻隠の情

2006年01月26日 | 名言・格言
「そくいんのじょう」と読みます。

孟子の言葉で、「相手の気持ちを忖度(そんたく)できるような寛く深い愛情に裏打ちされた思いやりの心」を意味します。

引用の引用ですが、経団連の奥田前会長が、「惻隠(そくいん)の情こそ、日本が世界で尊敬される道だ」と言われたそうです。

ネットで検索すると、30年ほど前のロッキード事件の際、政界で「惻隠の情」という言葉が使われていたそうです。
ロッキード事件で田中角栄前首相を追及する当時の三木首相、稲葉法相の“冷たい”姿勢を「惻隠の情がない」と批判したことがきっかけで、「惻隠の情」という言葉がはやったそうです。

今のホリエモンを代表するような時代風潮には理解できないかもしれませんが、グローバルスタンダードではなく、ジャパン・オリジン・スタンダードのベースになる思想として、大切にしたい言葉です。

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北海道庁のスト(2)

2006年01月26日 | ニュース記事
道庁スト回避、職員の月給10%削減決まる (朝日新聞) - goo ニュース

少し遅ネタですが、フォローの意味で。

結局、ストライキは中止になったようです。
当初提案していた退職手当5%、期末・勤勉手当(ボーナス)15%の削減をおおむね撤回し、給与削減も2年間に限ることでお互い妥協したようです。

しかし、2007年までに1800億円の赤字が見込まれ、人員削減で浮く予算が800億円ということでは、一件落着というわけにはいきそうもありません。

今の自治体の財政状況は、三位一体の改革で収入の柱となる交付税・国の補助金が減らされ、一方で税収は思うほど伸びない(逆に地方では減少する)という厳しい状況であり、財政状況が改善する見通しはありません。
多くの都府県が、2,3年後には赤字再建団体(民間での倒産)に陥る瀬戸際といったところです。

都府県がこければ市町村がこける道理であり、先の見通しがつかないのは全国的に地方に言えることです。

今の組織と仕事のやり方では、地方自治体はやっていけない。しかし、新しい姿を見つけられない、変われないというのが実情です。

一つの提案として、新しい地方自治体の姿を提示した団体に、埼玉県の志木市があります。

前市長の穂坂邦夫氏の時、地方自立計画を策定し、市職員は50名程度で課税・戸籍などの警察権的な仕事やプライバシーに深く関わる仕事だけを行い、それ以外は市民の有償ボランティアで運営しようとされました。
(そのために退職者は補充せず(新規採用なし))

それ以外にも、予算の査定に市民委員会を加えるなど、行政を市民で運営する仕組みを提案されています。

この試みは、穂坂氏が1期で退かれたため見直しが進められていますが、「今の予算の半分で市役所が仕事をするためにはどうすればいいか」という一つの回答を示していると思います。

現在の財政状況は、多少のケチケチ運動でやり過ごせるものではありません。仕事の仕方、役所のあり方自体を全く新しい発想で再構築しなければ切り抜けることは出来ないと思います。

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