忘れられない猫

たった一度だけ会ったアメリカの友人とこの猫が忘れられない猫になってしまった。なんというか、なんでもわかってる秘書のように、わがままも控えめにしか出さず、かといって媚びるわけでもなく、散歩に行こうと言えばちゃんとわかってるふうに歩いていく。おなかがすくと友人の大きな肩によじ上ってくる、そんなかわいい猫なのだ。その子と犬がリードにひかれて、もう一匹の猫ちゃんが後ろからついて毎日散歩している姿は近所でも珍しい光景として人々の目を引いていたとのこと。私も一度その姿見てみたかった。私が一度訪ねたときは、わんちゃんは死んでたし、もう一匹の普通の猫は姿を現さなかったから。

溺愛する気持ちわかるよね。その猫ちゃんとの出会いというのは、本当に神様が遣わしたかのようにある日彼の家の前にちょこんとたたずんでいたというのである。最近数週間で死んだ猫ちゃんもそうだったらしいが。家に入ると言ったら入ってきて、そのままいついて大切な家族になったということである。その後玄関のドアを開けて出て行くか様子を見たが出て行かなかったというから猫ちゃんの自由意思が尊重されたことになる。