「占拠」2月4日
評論家中野剛志氏が、米国の経済政策について「金融の成功者が官僚より賢いとの誤解」という副題で、評論を書かれていました。中村氏によると、米国ではウォール街の利益と米国の利益とが混同され、ウォール街とワシントンは太い人材のパイプで結ばれるようになり、政治がカネの論理で動くようになってきたのだそうです。
中村氏は、そうした状況を踏まえ、『「カネ」で動いてよい世界とそうでない世界との厳格な峻別が重要だというのは、政治倫理だけの問題ではない。昨今、政府への民間人の登用や公共サービスの民間開放が推奨されている。民間の手法による行政の効率化が、その目的だ。しかし、その際には、「カネ」で動いてもよいビジネスの世界と、そうでない行政の世界とを混濁しないよう、十分に注意することが必要だ。もし、政府の民間人登用が、行政に「カネ」の論理を持ち込むことになるなら、それは、ウォール街に占拠されたワシントンと同じ結果を招くだろう』と述べています。
卓見です。学校教育にも、民間人校長、民間企業経験者の積極的採用などが進められています。その理由も、民間のコスト意識や業績評価感覚などを学校に取り入れることであり、大変似ています。ということは、企業論理とは別の原理で動くべき学校教育が、民間=企業の論理に過剰に汚染されてしまう危険性があるということです。
しかし、学校教育の民間開放を唱える人たちには、こうした危険性に対する危機感は乏しいように思われます。長い間続いてきた学校文化には、よいものもあります。欠点を正すつもりで長所を殺してしまうことがないよう、常にチェックを怠らないことが望まれます。
評論家中野剛志氏が、米国の経済政策について「金融の成功者が官僚より賢いとの誤解」という副題で、評論を書かれていました。中村氏によると、米国ではウォール街の利益と米国の利益とが混同され、ウォール街とワシントンは太い人材のパイプで結ばれるようになり、政治がカネの論理で動くようになってきたのだそうです。
中村氏は、そうした状況を踏まえ、『「カネ」で動いてよい世界とそうでない世界との厳格な峻別が重要だというのは、政治倫理だけの問題ではない。昨今、政府への民間人の登用や公共サービスの民間開放が推奨されている。民間の手法による行政の効率化が、その目的だ。しかし、その際には、「カネ」で動いてもよいビジネスの世界と、そうでない行政の世界とを混濁しないよう、十分に注意することが必要だ。もし、政府の民間人登用が、行政に「カネ」の論理を持ち込むことになるなら、それは、ウォール街に占拠されたワシントンと同じ結果を招くだろう』と述べています。
卓見です。学校教育にも、民間人校長、民間企業経験者の積極的採用などが進められています。その理由も、民間のコスト意識や業績評価感覚などを学校に取り入れることであり、大変似ています。ということは、企業論理とは別の原理で動くべき学校教育が、民間=企業の論理に過剰に汚染されてしまう危険性があるということです。
しかし、学校教育の民間開放を唱える人たちには、こうした危険性に対する危機感は乏しいように思われます。長い間続いてきた学校文化には、よいものもあります。欠点を正すつもりで長所を殺してしまうことがないよう、常にチェックを怠らないことが望まれます。