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ヒマローグ

毎日の新聞記事からわが国の教育にまつわる思いを綴る。

良いこと?悪いこと?

2016-11-25 08:09:28 | 我が国の教育行政と学校の抱える問題

「これは良いこと?」11月16日
 『反トランプ 高校生デモ ワシントン』という見出しの記事が掲載されました。しかも写真入りで、夕刊一面に掲載されています。記事によると、『トランプ氏のホテル前に1000人近い高校生らが集まり、シュプレヒコールを上げた』そうです。気になったのは、『正午すぎに授業を抜け出した高校生らはホテルまで行進』という記述です。
 それ以上の説明はないのですが、素直に読めば、午後の授業をサボってデモに参加していると受け取ることができます。それは、良いことなのでしょうか。この記事を掲載しているM紙は、選挙権が18歳から賦与されることを受け、繰り返し高校生向けの主権者教育の充実を主張しており、政治の実際に学ぶ米国の事例を、「モデル」として何回も取り上げてきています。今回の記事では、「評価」はありませんが、授業をサボってのデモについて、M紙の評価を聞きたいと思いました。
 我が国では、主権者教育について、積極的なリベラル派と慎重な保守派という形で議論が続いており、具体的には、郊外でのデモや集会への参加を届け出制にするか否か、という点について、教委や学校の対応も分かれているという状況です。私はこのブログで、届け出や許可は無用という立場で論じてきました。しかしそれはあくまでも、放課後や休日の活動という範囲での話でした。授業を抜け出して、となれば話は別だと考えています。
 しかし、議論が平行線をたどったまま、我が国でも「授業サボりデモ参加」という事態が起きないという保証はありません。最も考えられるのは、自衛隊の新任務「駆け付け警護」で死者が出たり、外国の民間人を射殺してしまう事態が発生し、それを契機に全国で反対デモが行われるというような状況です。そのとき、授業を抜け出して参加した生徒を処分するのか、主権者として当然な権利行使として認めていくのか、世論が分かれると思われます。処分派と良いことではないが処分すると政治的意見の表明は悪いことだと委縮させてしまう派という形になるでしょうが。
 これは政治家だけでなく、各教委や学校にとっても、事前に意思統一をしておくべき課題だと考えます。

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