わくわく活動日記

山本ゆきこ~子どもこそ未来

恒例の社民党金沢の泊まり込み学習会ー交通政策について

2011-12-06 01:44:44 | 視察・研修
 11月4日(日)から5日(月)朝にかけて、石川県青少年研修センター(常磐町)で社民党金沢の第7回学習討論集会が開催されました。私は幹事長として講師との連絡、資料印刷等、少し忙しかったです。資料は50ページにもなりました。午後1時半から5時半までびっしりのスケジュールで学習会、その後、夕食交流会、そして、深夜にかけての交流会でも講師を囲みさまざまな論議を交わしました。

・テーマは「地域から考える私たちの公共交通」
・基調講演は 「社民党の交通政策」
         社民党全国連合政策審議会 横田 昌三さん
・地域からの報告は 「市民の公共交通再生プラン」
            金沢・LRTと暮らしを考える会代表 谷内 昭慶さん

 社民党は、1989年参院選政策として交通基本法の制定を提唱し、2002年に国会に法案提出するなど、どの政党よりも熱心に交通基本法策定に取り組んできました。2009年の政権交代で当時の社民党出身・辻元 清美国交副大臣主催の「交通基本法検討会」が正式発足しました。その後、小委員会で検討が重ねられていますが、現在のねじれ国会では法案の審議入りすら不明という状況です。

<社民党の交通政策の基本>
・あらゆる人の「交通権」の保障
 誰もが、いつでも、どこからでも、どこへでも、安全、安心、平等、快適に移動できる権利ー公共交通の充実が必要
・すべての人が利用しやすい交通バリアフリーの実現
・環境に優しい安全で快適な交通
・地域生活交通の確保

<21世紀は公共交通の時代>
①規制緩和先進国の教訓:公共交通政策重視へ
 ・イギリス「バスウオー」の教訓
 ・アメリカ「私たちは月に行けるようになった。しかし、隣の町には行けなくなった」
 ・ヨーロッパ「車がこのまま増大したら、quality of life(生活の質)が低下する」

②公共交通の見直される多様な意義
 ・環境問題・エネルギー問題に貢献
 ・モータリゼーションの負の問題(排ガス、騒音、渋滞、交通事故、地域コミュニティの活力喪失等)の解決
 ・高齢化問題、福祉の手段:「交通弱者」の足をどう確保するか
 ・まちづくり・地域活性化と公共交通

 ◎「クロスセクター・ベネフィット」
 (公共交通は赤字でも福祉などほかの分野で便益を生む」
 バス事業への補助率は、欧州では50%前後であり、数%という我が国とは大きな差がある。
 武蔵野市では「ムーバス」により、高齢者の義手つを保障し、寝たきりが減少した。
 公共施設にアクセスできる権利→路線バスは動く公共施設

<地域から考える公共交通>
・北陸鉄道石川線・浅野川線の存続問題
・新幹線開業に伴う並行在来線の存続と二次交通の活性化

・LRT
 富山市ではLRTの導入が好スタートを切っています。LRT導入は、単なる路面電車の復活にとどまるものではなく、まさに「都市の装置」として、公共交通を活性化させ、住宅政策をも再編成させ、エネルギー転換と環境保全に貢献する新たな都市戦略といわれています。
 「LRTと暮らしを考える会」から、LRT導入に関する創造的な提言を受けました。LRTの導入が、並行在来線、石川線・浅野川線、さらには金沢都市圏全体の人の往来の活性化にとって、いかなる役割を果たしうるのか、まちとくらしを考える現実的な構想について議論を交わしました。

 公共交通政策について初めて系統だった学習の機会を得ました。公共交通はすなわち「まちづくり」であり、「移動権」という新しい権利の重要性についても認識を新たにしました。市場原理や規制緩和にまかせっきりでは危険だと思います。欧州ではバス事業への公的支援が50%前後であることからも、公共交通は施策としての位置づけを高める必要があります。

 8日(木)に議会開会、翌日が発言通告で、議会質問に明日から本格的に取り組まなくてはなりません。焦りを感じながら、今から入浴、就寝です。