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畑に吹く風

 春の雪消えから、初雪が降るまで夫婦二人で自然豊かな山の畑へと通います。

連載138「カツライス」(その2終わり)

2018-02-04 05:08:50 | 食べ物

     カツライス(その2終わり)

 なんと、豚カツとご飯はそれぞれ別の大皿、そして手前にはナイフとフォークが置かれているではないか。

田舎者の私が驚くにはそれだけでも十分だと言うのに、誘ってくれた同級生はさも慣れたと言わんばかりの手つきで、

左手のフォークの背に右手のナイフでご飯を盛りつけ、スムースに口元に運ぶではないか。


 「初めてだ」とはとうとう言い出せなかったが、手つきと戸惑ったさまで十分に初めての経験だと言うことは、

伝わった事だったと思う。今では長岡の名物と知られた洋風カツどん「洋カツ」だと後日知ったのだが。


 帰宅し、その話を母にして、ナイフとフォークの購入を早速頼んだ。

当時スプーンはフォークはまだしも、ナイフなど一本も無かった我が家だったのでしたから。


 それからは軟派を気取って同い年の従姉を誘いだし、映画を見たり、

どきどきしながら喫茶店に入ったことなども懐かしい。

その頃は田舎出の高校生の私も喫茶店デビューも果たしていたのです。

            (終わり)

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