--いま、なぜこの悪質な組織の欺瞞性を問題にするか--
創価学会・池田大作をブッた斬る
藤原弘達 1988=昭和63年 (日新報道/¥1,000)
------(P.54)---(以下、本文)-------
▼ 池田本仏論信仰にならざるを得ないシカケ
創価学会名誉会長・池田大作がこの組織における絶対的権力者であることは、改めてここでいうまでもない。公明党の実権を握っているのも池田大作なのである。
学会・公明党という聖・俗をコントロールする池田の権力は、どのような土台の上に築かれているのか。
一言にしていえば、それは数百万の無名・善良な大衆を中世的迷妄の世界に閉じこめた日蓮正宗信徒団体である。 本来、日蓮正宗信徒団体であるからには、池田も、学会員も、等しく本山・大石寺、“大御本尊”の前では本仏・日蓮の弟子であって、俗世の階層、身分は関係ない。
しかし、宗教法人・創価学会は、既に日蓮正宗・創価学会であって、大石寺宗門内にある他の信徒組織とは異質なものだ。
それでは、創価学会は日蓮正宗における別派として自立しうるかといえば、目下のところ、その条件は未だ満たされてはいない。本尊は大石寺、教義は創価学会流に止まらざるをえない。
このホンネとタテマエの使いわけで本山との関係を維持することは、絶対に不可能である。学会の本山離れ、つまり創価教の立宗計画は、今でも消えてはいないのだ。
学会内で本山離れの構想を聞かされたことを、元学会員の羽柴増穂が書いている。(羽柴増穂「創価学会からの脱出」三一書房)
「一宗一派の旗揚げ、つまり、池田教・創価王国構想に関しては、私も、五十二年当時受講していた“仏教大学四期生講座”で聞かされていました。ある日、宮本忠憲副教学部長から、そのころ、いろいろ論議されていた『仏教史観を語る』(編者注・五十二年一月第九回教学部大会における池田会長記念講演)の話のついでに、--
『ところで、キミたちは、創価学会にとっての最大の敵はどこか、知っているか?』
と質問を受け、ほとんどが、
『共産党ですか……』『国税庁ですか……』などと反対質問をしたところ、
『とんでもない--』と、しばらく 口をつぐみ、やがて宮本副教学部長は毅然として、
『キミらは、仏大生だから話してもいいだろう……』と、若干、言い淀みながらも、
『いいか、しっかり覚えておけ……。創価学会にとっての最大の敵は、宗門だ。つまり、お山だ--』
とはっきり言い放ったのです。一瞬、私たちは唖然としましたが、宮本副教学部長はなおも決然と、
『とにかく、日蓮正宗は、たしかに七百年の歴史と伝統はあるが、いまやまったく腐敗堕落し切って、僧侶たちは折伏もせず、もはや形核化している現状である。このときに当たり、池田先生がご出現なされ、現代に即応した新しい仏法を展開することになった。そして日蓮正宗を含めた一大宗教革命を行うため、すでに八王子に広大な土地を準備し、近く学会本部もそこに移ることになつている--』と言明したのです(当日のテープ保存)。
そのとき、私たちは、すごいショックを受けましたが、
『いいか、だからキミらは、どんなことがあっても、絶対、創価学会を守れるなッ。池田先生をお守りできるなッ……』」
日蓮正宗を含めた一大宗教革命を行なうなどという学会の大構想は、昭和五十四年の池田会長辞任、名誉会長就任で、ひとまず消えた。しかし、本山に詫びを入れ、会長から名誉会長に退いたのは池田流の雲隠れ戦術にすぎないのである。学会は本山を操りながら時至るのを待つのだという。
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