創価学会-池田大作をブッた斬る 藤原弘達 1988=昭和63年
(日新報道/¥1,000)
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◆ “創価学会効果"“池田効果”
昭和六十三年七月十七日、創価学会名誉会長・池田大作が八王子の創価大学へでかけるというので、新聞、週刊誌カメラマンが取材にかけつけた。池田大作が創価大学へでかけるのが事件というわけではない。事件ではないが、池田大作の行く所、マスコミ、特に写真週刊誌が盛んに追いかけ走る。
雑誌編集者、カメラマンが、“絵になる”という言葉を口にする。“絵になる”とは要するに、雑誌のグラビア頁にのせるのに見映えがする、いわゆるカツコいいのだ。映画やテレビの人気タレント、美男、美女、人気野球選手、プロゴルファー等々と、この連中が“絵になる”とみられている。
政治家、財界人の場合だと、話題性でカメラの標的になる。これだって、ダサイのはあまり追っかけられぬ。ラスベガスで名を売った男などは、特異なキャラクター故、レンズを向けられた方である。
ところが、池田大作に至っては、カッコいいというわけにいかず、話題性といっても、いつもきまりきった按配だ。イメージは創価学会の独裁者、好色家とくる。にもかかわらず、池田の行く所力メラマンありとは、やはりそれなりに目の離せない人物ということなのだ。
池田の方も、マスコミに追い回されるのは不愉快であろう。そこで、カメラをシャットアウトする。学会私設SPが身辺を固めるのだ。 この連中、忠誠心の余り、過剰反応を起こすこともしばしばであるという。
というのも、単なる池田のカメラ嫌いからではなく、真相は最近、右翼がにわかに学会、池田大作を仇敵視し始めたことにある。池田創価学会もそれなりに右翼にパイブがあるそうだが、右翼も各派いろいろとなれば、全部にパイプはつながるまい。ソ連へ出かけて十月革命を讚美してみせるから、右翼民族派にマークされる。連合赤軍浅間山荘事件に起きたリンチ事件当時、「赤軍派、よくないが、よくやる。若いんで可哀相だ。逃してやりたかった」(昭和47・2・19、第58回社長会)といったりする。
大物ぶったつもりかどうか知らないが、こういう無責任とも意図不明としかいいようのない発言が池田には多い。
さて、七月十七日のことに戻す。事件でもないのに池田を創価大学まで追った雑誌カメラマンを池田のボディガードが襲って、ケガ人続出となった。過剰反応の例である。
ところが、八月二十五日、右翼が創価学会本部に銃弾をブッ放す事件が起きた。このため、翌二十六日、病死した副会長の葬儀の警備は厳戒を極めた。池田大作は姿を現わさなかったが、週刊誌はこう書いた。(「週刊文春」63・9・8号)
「……取材にきた記者・カメラマンを、警備の学会員が丹念にカメラに収めていく。学会では『反学会系ジャーナリスト図鑑』でも作ってるんだろうか。
……普段は会館の警備にあたるが、池田名誉会長が来る! となれば『いざ、嫌倉』の心境で馳せ参ずる。
さらに警視庁SPが二人ついているとか。そのうえ、池田名誉会長直属の『特別警備』なるセクションがあり、常時七、八人が名誉会長の身辺をガードする。バッジをつけて、トランシーバー片手に警護官をきどる姿はまさに“SPごっこ”。
池田名誉会長は学会員の前にしか、姿を現わさない。学会員のカメラマン以外に撮影をさせない--この方針を学会は総力をあげて、かたくなに守っていくつもりのようだ」
プロ野球で、ベナントレース、日本シリーズ優勝チームがでると、地元は数十億をこす景気に湧く。デパート、商店街、飲食店街、銀行、ソープランドまで波及する経済効果で、例えば西武効果、中日効果といった具合に呼ぶ。お祭景気である。
この流儀でいくと、創価学会関連効果も測定できはしないか。池田好色裁判の時、池田記事をのせた週刊誌の売上げ部数、ルポライターの稿料、カメラマンの稿料、原告、被告双方の弁護士報酬、裏で動いた金……創価学会“効果”、池田“効果”とも呼べそうである。
創価学会は、マスコミの取材をシャットアウトしてはならない。学会“効果”や池田“効果”のためではない。国民の側の知る権利の故にだ。学会や池田大作がプライバシーを楯にとるのは理由にならぬ。池田に警視庁SPがついたのは、竹入が公明党委員長時代に手を回したことだという。
政党委員長にはSPがつく。公明党の竹入が自分だけにSPをつけられては池田先生に畏れ多い、といったとかいわぬとか。そんなことはさて措き、創価学会名誉会長にSPをつけるとは、筋が通らない。筋を通さずにやっているとすれば税金ドロボーである。それとも、名誉会長、池田大作の立場が身辺警護を必要とする理由を明らかにして、一般国民の諒解を求めることができるのか。
私が学会“効果”、池田"効果"などをもちだしたのは、学会も池田大作もマスコミの取材を拒否してはならないことをいうのである。 現在、学会・公明党は積極的、意図的に言論出版妨害を行なってはいないだろうが、危険な兆候なしとはし難いものがある。私が大橋敏雄代議士や藤原行正都議の告発、批判の公開をそれなりに評価するのは、その意味においてだ。
---------(109P)-------つづく--