「与直し」の真実 「池田大作さん」政治軌跡の検証
野田峯雄 (2003/10 第三書館)
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◆私とノーベル賞と仏法西還
平壌を訪問し朝鮮半島の南北を敵対関係から話し合い関係へ動かした金大中韓国大統領(当時)は〇〇年十二月にノーベル平和賞を授与されました。
多くの日本人はノーベル賞にいかれています、最高だと信じきっています。ノーベル。なんという快い響きでしょう。ダイナマイト大量殺戮者の巨額遺産と平和賞の関係にはしびれまくリます。大量殺戮と平和の皮肉バランスの妙に驚愕せざるをえません。 たとえば、米軍による日本への核の持ち込みを秘密裏に承認し平然と国民を裏切っていた佐藤栄作さん(元首相)がノーベル平和賞を受賞したことはよく知られています。また〇二年には、前年からアフガン殺戮を続け、これでひどく調子付き「世界」を恫喝しながらイラク爆撃殺戮の準備をしてきたブッシュ米大統領がノーベル平和賞にノミネー卜されたリしています。そして、おらが池田大作さんですが、彼の「全人生」から睡眠と食事と排出とプロレスと政教一致と女性を除いたら何が残るでしようか。
このほとんどがノーベル賞絡みと思われます。彼はいままでにおびただしい数のメダルや勲章や各種名誉称号を収集してきました。が、それらはすべてノーベル賞入手の「リハーサル」だったのです。彼はノーベル賞獲得のため、毎年、毎年、有名人訪問・招待やカネのバラ撒きや泣き落としやおべっかや肩もみなど、あらゆる手管を弄してきました。言い換えると、池田大作さんは、卵を割って出てきたヒヨコが最初に見た動くものの後をどこまでもついていくように、ノーベル賞に異常執着し続けてきたのでした。
だから、池田大作さんは金大中さんのノーベル賞受賞にはさぞかし無念だったでしょう。私の敷設したレールを走っただけのトロッコ野郎の金大中がノーベル賞か。くそっ。レールを敷設したのは私なのに。それってあリかよ。
でもね、大作さん、レール敷設はあなたの妄想。南北会談とあんたは無関係。目を覚ませ。あなたは韓国で数億円を上手に詐取するような連中を育て(韓国SGI)、韓国のあちこちから名誉称号をまきあげただけのこと。目を覚ませ。目を覚ませ。と言っても、池田大作さんは枕にしがみつき目をギュッと閉じるでしよう。目を開けたとたんへーワ印の王冠をかぶった「私」が消えてしまう。
だが、〇〇年六月の南北朝鮮首脳会談のときの池田大作さんは元気でした(意気消沈してもすぐ元気になったリ、元気でもすぐ意気消沈するのが池田大作さんの特性なのです)。〇〇年六月十六日の聖教新聞が「池田大作さんによる南北首脳会談設定」というすこぶる元気な痴夢にまみれつつ、たとえば朝日新聞の天声人語などを模做した「名字の言」と題するオトボケ欄でこう語っていました。
「その姿に参加者のだれもが息をのんだ」
おやおや、これはまたおおげさな書き出しだこと。いったい何があつたのか。
「インド・サンスクリット教育学院から池田SGI会長に名誉学位記が贈られた式典での出来事だ」
はい。
「学院のミトラ副総長は、授章の辞を読み終えるや、SGI会長の前にひざまずいて、こう述べた。『池田博士は、大変な使命をもった方です。どうか、人類を導いてください』」
ミトラさん。池田大作さんからいくらもらったか知らないけれど池田大作さんに向かって「ひざまずく」なんて。なんという恐ろしいことを。あなたは無知だ。月刊ペン裁判の焦点になった例の四畳半情事の一件を知らないのか。あの人の前でひざまずくなんて。あたかもすっぼんぽんで熊と相撲をとるようなもの。危険だ。じつに危険だ。池田大作さんは反射的に自分のベルトを外そうとした、なんてことはないだろうね。「立て、立て、立て、総立ちだ」なんて叫ばなかったでしようね。いやあ、じつに危なかった。
「名字の言」がこう続ける。
「日蓮大聖人は、インドから中国、そして日本に伝わった仏法が、末法には、日本から中国、そしてインドへ還っていくと『仏法西還』を厳然と予言された。……(ミトラのひざまずきは)『だれが仏法西還を果たそうとしているのか』を雄弁に物語る儀式であったといえまいか」
◆黒い嫉妬の弾丸
池田大作さんこそがあリがたい仏法を西へ伝えるという予言(仏法西還)の真の対象者らしいのです。しっかしね、極東日本列島の選挙に淫している姿はじつに滑稽かつ奇妙。〇二年九月には「宗教弾圧の政治家は民主主義破壊の元凶“宗教団体が政治に影響を与えるのは当然”」などと完全に開き直っています。南北首脳会談の行なわれた〇〇年六月も彼らは衆院選(〇〇年六月十三日~二十五日)一色でした。
「公明の勝利が、民衆の勝利、新世紀の願望と言われる公明党たれ」(〇〇年五月三十日)。
「公明よ、自分でなく日本の為に立ち上がれ。これを創価の友は待っている。候補者と支持者一体の前進は政教一致じやない。当然だ。嫉妬の非難恐るな」(五月三十一日)
そして、衆院が解散しました。池田大作さんの興奮はいやがうえにも高まリます。まだ公示されていないのに自ら選挙突入の“ドンブ”。
「戦いはスピードが勝負。電光石火の行動で敵も味方もあっと言わせよ!」
また、青筋を立てて「村山の 勝利 勝ち取れ 断固して 鉄の団結 魔軍破りて」などと絶叫する。村山(東京二十区)で立候補した創価学会員は大野由利子さんです(落選)。つまリ大野ん由利子以外の三人の立候補者や同支援者は何がなんだかわからないうちに魔軍にされてしまいました。このあとも池田大作さんはしきリに「負ければ、悲劇であリ、不幸である。勝てば、喜びであリ、幸福である。ともあれ、君よ、黒い嫉妬の弾丸に当たって、死んではならない!」(六月七日)などとワケのわからないことを言い、正式に選挙が始まるや「公明よ支援者の期待に必死で応えよ」(六月十六日)と公明立候補者にムチを当て、ついに「極悪の仏敵は、断固として許さない。倒すまで戦う」(六月十八日)と剣?きわまリない雄叫び。これに「おっさん、政教一致行為をやめなさい」と口答えをしょうものなら即座に、「狡賢い陰謀に勝った。中傷非難の恫喝に、はつらつとして勝った」(六月十七日)
と、むやみやたら勝利宣言してしまう。要するにもう手がつけられません。彼はこの衆院選直前の創価学会第四十六回本部幹部会〈〇〇年五月)でこう語っていましたっけ。
「これからも私は戦う。今までの千倍、万倍、戦う決心である。力は、いくらでも、わいてくる」
15.オクサマと池田大作さん
◆かねさんは香峰子です
かねさんが大活躍である。「かね」とは何者か。自称幸福王者の池田大作さんがこよなく愛するカネ(財務など)のことではなくって、香峰子のことだす。かねは香峰子。たとえば創価学会=公明党と同じ仕組みである。後者は前者の仮の姿、偽称、仮面、ダミー。つまリ香峰子仮面をかぶったかねさんは、「名誉なんて何だ」と執拗に騒ぐ名誉コレクター池田大作さんの令夫人。約半世紀にわたる池田大作さんの女性関係があまリにも激しいナイアガラの滝ゆえ、あらかじめ鮮明にしておくと、かねは池田大作さんの第一夫人もしくは日本の戸籍上の妻です。彼女は一九三二年二月二十七日の東京都荏原郡蒲田町大字御園生まれ。白木薰次さんと静さんの次女。夫の池田大作さんとは四歳違いでいらっしゃる。ずっと創価学会員だが、しかし、めぼしい役職には就いたことがない。
とはいえ、創価学会(むろん公明党を含む)でセンセと呼ばれるのは池田大作さんだけだが、オクサマも一人しかいない、香峰子だけだ。頂におわしますのはセンセとオクサマのお二人。仮に秋谷栄之助さんが頂に登ろうと片足をかけても強烈キックで蹴リ落とされること必定。この頂点のセンセとオクサマのまわリにアル中ぎみとしか思えないバッタや力マキリなどが群れて巨大ピラミッドを形成し箒や掃除機(銀行振込など)でせっせと裾野の創価学会員たちのカネと票をかき集めている。
池田大作さんはこう言う。
「我らには名声とか富とか要望などもまったく関係ない」(〇〇年九月二十六日)
「私たちは虚栄の体面などは考えない」(〇〇年十月一日)
「堅苦しい見栄の人生を生きるな!」(〇〇年十月四日)
とにかく、香峰子とオクサマの実像はかねさんであリ、舞台の前面に立ってスポットライトを浴びニッと笑っているのは仮面の香峰子(オクサマ)のほうである。その香峰子(オクサマ)の出番が二〇〇〇年を境にやたら増えている。
---------(212P)-------つづく--