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ほぼ週二 横浜の山の中通信

人と異なる視点から見る

消えた過去の多能性細胞、STAP細胞はこれからスタート台に

2014年02月22日 | STAP細胞

今回のSTAP細胞をめぐって、ネット上では誹謗中傷擁護嘆きが飛び交っていますが、専門家は当たり前ですが冷静なようです。

 なぜ冷静かと言うと、その理由の一つに、今までも新しい多能性細胞を発見したというニュースが何件かありましたが、「時間が問題を解決してくれた」ということでしょう。新しい多能性細胞を発見したという事実だけではダメで、その多能性細胞が社会のために役立つのか、あるいは新しい発見や理論の解明に結びつくのか、その細胞が安定して作成できるかなどで、その評価が決まってくるようです。

 それに、自ら再現実験をやろうという人は、国内では少ないのでは? 現在の自分の仕事を優先したい、あるいは、他人の追試の状況を見て、自分が手を付けるか判断するということでしょうか? 追試をしても、自分の業績にはならないし。

 最近報道された多能性細胞だけでも、ES細胞やiPS細胞の他に、MAPC細胞、VSEL細胞、Muse細胞があります。ES細胞とiPS細胞は、実際に広く利用されています。Muse細胞は、研究途上にあるというべきでしょうか。

・ES細胞:動物の胚から作成する多能性細胞

・iPS細胞:細胞に山中4因子を導入して作成する多能性細胞

・Muse細胞:2010年に東北大の出澤真理教授が発表。間葉系細胞の中に、元から存在する多能性幹細胞にストレスを与えることで選抜。骨髄の細胞約5000個に1個の割合で存在するが、培養しても約2週間で増殖は止まった。STAP細胞は、元の細胞から変化した細胞であるが、Muse細胞はもともと体の中にある稀に存在する幹細胞。

ネット上では、Muse細胞とSTAP細胞は同じ?という話が載っています。これは、STAP細胞が、弱酸で初期化したのではなく、既に存在するMuse細胞と見間違えたのでは?という推測です 

一方、MAPC細胞とVSEL細胞は、存在が怪しくなっています。

 ・MAPC細胞:現在では、捏造では無く、ミスと言うことになっている

論文は、2002年の”Nature” 誌に記載された。米ミネソタ大のキャサリン・バーファイリー博士が執筆。ネズミの骨髄の幹細胞から多能性幹細胞を作成したとするもの。他のチームが再現しようとしても、再現できなかった。2007年にミネソタ大のチームが否定した。

 ・VSEL細胞:

極小胚様幹細胞。2006年に報告。生体マウスの骨髄内で多能性を有している。

20137月にスタンフォード大と東大医科研のチームは、存在を否定する論文を発表。

 (まとめ)

過去にも有名雑誌に掲載されながら、後にその存在が怪しくなった例が複数ありました。STAP細胞も、スタート台に立っただけで、これからが勝負です。

 (追加)

下記の慶応大学・吉村教授のサイトには、STAP細胞の共同研究者の一人、山梨大・若山教授が「山梨では再現できなかった」ということが書かれています。情報源は書かれていませんが、本当だとしたら、他の人の再現は非常に困難と言うしかないです。先ず、共同研究者に再現してもらうのがスジです。

http://new.immunoreg.jp/modules/pico_boyaki/index.php?content_id=344

 (もう一つ追加)

22日現在、1月末から掲示されていた、理研のSTAP細胞に関するプレスリリースが削除されてしまって、見ることが出来ません。データや画像をチェックしているのでしょうか?

 2014.02.22

 

 (修正1)

Muse細胞の項で、「ネット上では、Muse細胞とSTAP細胞は同じ?という話も載っていますが、少なくともMuse細胞はもともと存在する細胞なので、STAP細胞とは異なる素性と言える」

と言う部分を

「ネット上では、Muse細胞とSTAP細胞は同じ?という話が載っています。これは、STAP細胞が、弱酸で初期化したのではなく、既に存在するMuse細胞と見間違えたのでは?という推測です」に書き換えました。

 (修正2

慶応大学・吉村教授の情報源は、「書かれていない」と書きましたが、前回にも報告している、海外のサイト ”Nature” 情報源でした。

http://www.nature.com/news/acid-bath-stem-cell-study-under-investigation-1.14738

の下の方、 Experimental protocolの所に書かれています。

 2014.02.24

 

 


STAP細胞に関する「もやもや」について

2014年02月17日 | STAP細胞

2014.02.14付の「山中教授が語るiPS細胞とSTAP細胞」の末尾に書いた(追加)の内容を改めてまとめました。

 

1)“Nature” 論文の画像が不自然?

215日の毎日新聞電子版に、「STAP細胞:「不自然な画像」指摘受け理研が論文を調査」という記事が出ていました。ネット上で

・論文の画像データの一部が過去の論文の画像を流用した可能性がある

STAP細胞から作ったとする胎盤の写真が使い回しされている

という指摘が出ているそうです。

これらに関しては、理研が調査し、公表するとのことなので、その経過を見守りたいと思います。

 

2)こんな時に、小保方さんを科技会議に招待するとは!

214日の時事通信には、「小保方さん、科技会議出席見送り」が配信されていました。政府の総合科学技術会議(議長・安倍晋三首相)が招待していたとのことです。

呆れました! こんな大変な時期に、じいさんやおじさんがミーハー(表現が古いかなあ)のようにはしゃいでいるのは、どうしたものでしょうか? こんなことで、政権の人気取りをするようでは、政権もネタ切れなのでしょうか?

 

3)論文の通り、STAP細胞が再現しない

論文公表から2週間余が経過し、あちこちでSTAP細胞の再現実験の結果が出てきているようです。

私が見た海外のサイト(英文)http://www.ipscell.com/stap-new-data/ では、8件のレポートの内、STAP細胞が再現した可能性があるのが1件、否定的な結果が7件です。また、ある研究者は、STAP細胞の“Nature” 論文には、十分なデータが開示されていないと、“Nature” 誌にクレームをつけたそうです。

 

また、上記3)の海外サイトに関して、ネット上では、

・こんなサイトに掲載するのは、STAP細胞の再現に失敗したから。STAP細胞を再現できた研究者は、こんなサイトで公開せず、今頃論文を書いているはず。⇒一理あるかも。

STAP細胞を再現できていない実験は、マウスのリンパ球で実験していない。⇒理研の説明では、リンパ球以外でもSTAP細胞が出来るので、この意見はおかしい。

 

 このサイトでは、” STAP stem cell”STAP幹細胞」と言う言葉がしきりに出てきますが、「STAP細胞」と「STAP細胞」を混同していないか、気になります。

 

(まとめ)

論文が公表されてから、まだ2週間ほどなので、今後の検証が待たれます。

ただし、論文に再現可能な充分なデータが記載されていないか、あるいは実験に関するノウハウは公表されていないので、再現実験は難しいのかも?

そうはいっても、他人が再現できなければ、STAP細胞はその存在を認められないので、出来れば日本国内の研究機関が率先して検証して欲しいものです。

 2014.02.17


山中教授が語るiPS細胞とSTAP細胞

2014年02月13日 | STAP細胞

iPS細胞研究所のホームページ http://www.cira.kyoto-u.ac.jp/j/index.html には、

2014.02.07 「iPS細胞の医療応用に期待してくださっている患者さんへ」

iPS細胞研究所のコメントと山中教授のビデオメッセージ

2014.02.12  iPS細胞とSTAP細胞に関する考察」

山中教授のコメントと、一番下にテレビ朝日「報道STATION27日「iPS細胞」生みの親、山中伸弥教授に聞く のリンク

が掲載されています。

 2~3日前に各新聞に掲載された山中教授のインタビュー記事と、これらのコメントを比較すると、メディアによっては、山中教授の思惑とはかなり異なった内容に思えます。

「報道STATION」の内容は、とてもまともです。

 上記①②のコメントには、iPS細胞とSTAP細胞に関して、新しい知見(ビックリ!)があるので、要約して紹介します。

iPS細胞について

1)がん化のリスクは大幅に減少している

その理由として、

・当初は、iPS細胞を作るために山中4因子と言われる4つの遺伝子を使っていた。現在では、その山中4因子の一つで、発がんに関連する遺伝子c-Mycは使っていない。別の遺伝子に置き換えている

・遺伝子が染色体に取り込まれないようにしている

2)作成効率は向上している

当初、作成効率は0.1%だったが、2009年には20%まで向上している

 

STAP細胞について

Nature論文を読んでの意見として、

1)STAP細胞とSTAP細胞の作成方法の違い

STAP細胞とSTAP細胞の二種類あるなんて、ビックリ!しました。今一度、理研のプレスリリースを読み直すと、確かにそのようなことが書いてあった。

STAP細胞の作り方

元の細胞にストレスをかけると、約8割が死滅し、残りの約半分の約10%がSTAP細胞になる

STAP細胞の作り方

STAP細胞を特殊な培地で培養することで、一部のSTAP細胞が増殖能を獲得し、多能性と増殖能の両方を持つSTAP細胞に変化する

STAP細胞の作成効率は低い

STAP細胞がSTAP細胞に変化する割合は、10回に12

 2)STAP細胞とSTAP細胞の性質の違い

この部分を、マスメディアは完全に誤解している。

STAP細胞

多様な細胞へと分化する能力(多能性)があるが、分裂を続ける能力(増殖能)が無い。

増殖能が無いので、STAP細胞をマウスに移して、いろいろな臓器に変化するのを確認しているのでしょうか。

ただし、STAP細胞は、iPS細胞やES 細胞よりさらに未分化な(初期の)細胞の性質を持っている。

STAP細胞とiPS細胞・ES 細胞を比較すべき

 iPS細胞・ES 細胞は、多能性と増殖能の両方を持つ細胞である

iPSESSは、Stem幹の略)

多能性と増殖能の両方を持つのは、STAP細胞

3)STAP細胞の作製時の課題

STAP細胞作成時の遺伝子の状態が未解明

半数以上の細胞が死滅するほどのストレス(酸など)がかかっている場合があるので、その時に遺伝子に変化はないのか?

4)再現性が課題

MAPC細胞も再現性が課題だった

2002年、同じNature誌に、多能性幹細胞の一つ、MAPC細胞の論文(ネズミの骨髄の幹細胞から万能細胞を作ったという内容)が発表された。しかし、他の人が作ろうとしても再現しなかったようで、現在では間違いと見られているようです。再現性と理論を如何に確保するかが課題。

5)従来の技術を使えるかによって、技術の進展が変わる

iPS細胞は、既存のES細胞技術を使うことが出来たので、技術の進展が速かった。しかし、STAP細胞で今までの技術が使えない場合、技術の進展には時間がかかると思われる。

 

(まとめ)

山中教授がSTAP細胞に関して、どのようなコメントを出すのか、興味あったので、今回のコメントはとても参考になりました。

 私の印象では、自己増殖機能を持ったSTAP細胞を作るより、iPS細胞より未分化なSTAP細胞を使って、いろいろな可能性にチャレンジしてみるほうが興味深いように思えました。理研のプレスリリースでも、そのような方向が読み取れます。

と言うことは、STAP細胞とiPS細胞を比べるのが無駄ということです。

そして、STAP細胞は、再現性の確保など、これからが大変というか、やるべきことが多過ぎるという印象を強くしました。

海外勢との競争の無いマスメディアや、暇人ばかりのネットなどうっちゃらかして、研究に集中できることを願っております。割烹着とか、「かわいすぎる・・・」などと、のん気にはしゃいでいる場合ではないです。

2014.02.13

2014.02.14 若干修正しました

 

 (追加)

215日の毎日新聞電子版に、「STAP細胞:「不自然な画像」指摘受け理研が論文を調査」という記事が出ていました。ネット上で

・論文の画像データの一部が過去の論文の画像を流用した可能性がある

STAP細胞から作ったとする胎盤の写真が使い回しされている

という指摘が出ているそうです。これらに関しては、理研が調査し、公表するとのことなので、その経過を見守りたいと思います。

 また、214日の時事通信には、「小保方さん、科技会議出席見送り」が配信されていました。政府の総合科学技術会議(議長・安倍晋三首相)が招待していたとのことです。

呆れました! こんな大変な時期に、じいさんやおじさんがミーハー(表現が古いかなあ)のようにはしゃいでいるのは、どうしたものでしょうか? こんなことで、政権の人気取りをするようでは、政権もネタ切れなのでしょうか?

 2014.02.15

(さらに追加)

幾つかのサイトで、論文の再現実験の結果が出てきているようです。私が見た海外のサイト http://www.ipscell.com/stap-new-data/ では、

8件のレポートの内、再現の可能性があるのが1件、否定的な結果が7件です。

論文が公表されてから2週間ほどなので、今後の検証が待たれます。ただ、論文に再現可能な充分なデータが記載されていたのか、どうかです。ノウハウもあるでしょう。他人が再現できなければ、その存在を認められないので、出来れば国内の研究機関が率先して検証して欲しいものです。

2014.02.16

 

 


STAP細胞は本物? 気になること

2014年02月01日 | STAP細胞

STAP細胞は本物?気になることを三つ。

 

①これでは、「贔屓の引き倒し」

STAP細胞の課題を130日の「STAP細胞は本物?」に書きましたが、ノーベル賞を取れるかどうかも含めて、STAP細胞の研究で日本が主導できるかは、これからの研究の成果にかかっています。研究を邪魔するような騒ぎで、「贔屓の引き倒し」にならないようにお願いしたいものです。

 

②ハーバード大教授の動き

留学していた時のハーバード大教授の動きが気になります。そのうち、誰が初めに着想を得たかで揉めそうな気がします。

 

③生後一週間のネズミでないとSTAP細胞が出来ない

報道によると、大人のマウスではSTAP細胞ができなかったそうです。これが何を意味するのか、気になります。もしかして、人でSTAP細胞を作る場合も、赤ちゃんから細胞を採取しないとダメということ?

 

また、STAP細胞の元となる細胞を人体のどこから採取するかも問題です。マウスのように、どこからでも取って良いわけではありません。(iPS細胞は、皮膚から作っています)

人でSTAP細胞を作る場合、この二つの課題をどのように解決するのか、気になります。

前出のハーバード大教授は、これらの問題を回避するために、猿で研究しているのでしょうか?

 2014.02.02 

2014.02.01に書いた文の③のみ、加筆しました)


STAP細胞は本物?

2014年01月30日 | STAP細胞

昨日129日から、理研などが発見した新しい多機能細胞を作製する方法、「STAP細胞」がメディアで大きく報道されています。理研のホームページにも、詳しく紹介されています。

http://www.riken.jp/pr/press/2014/20140130_1/

 しかし、直ぐには信じられません。雑誌”Nature” も一度は掲載を拒否したと報道されていますが、無理ない話です。

iPS細胞の時は、遺伝子の操作で細胞が初期化するという理屈が通る話でしたが、今回は弱酸による刺激で細胞が初期化するという話ですから。

今後は、

・弱酸による刺激で細胞が初期化するという現象の解明、その理論化

・人の細胞でも、「STAP細胞」が作れるのか?

・他の研究者による「STAP細胞」の作成

が必要でしょう。

 上記の3番目「他の研究者による「STAP細胞」の作成」は、直ぐに出来るので、それが確認されれば、すごい話になります。たとえ、人間でなくても。

 (追加)

既に、”Nature”130日号が、ホームページに掲載されています。”obokata”で検索すると、論文が出てきますが、有料です。

 2014.01.30