「世の中、ちょっとやぶにらみ」

本音とたてまえ使い分け、視点をかえてにらんでみれば、違った世界が見えてくる・・・かな?    yattaro-

「秋の海」

2017年09月24日 | 季節の移ろい・出来事

                    

秋の三題噺ではないが、「秋の風」「秋の色」とくれば次は「秋の海」が登場するのが自然であろう、などと勝手に考える。
ただ、秋の海といえば、先ずはトワエモアのあの歌を思い出して、寂しさが募る思いがする。
  ♬ 今はもう秋 誰もいない海 知らん顔して 人は行き過ぎても ・・・ ♬ と続く歌詞。

ところが昨日・今日と、我が住む町の沖合1kmあたりに目をやると、20艘以上の釣り船が寄り集まり、海上の秋祭りでもやっているのかと思わせる賑わいを見せている。あそこにはトワエモアの歌など入り込む余地はないようだ。
まさにあの広い海のただ一角だけに、ひしめくように釣り船が群がっている眺めも、壮観ではある。

何はともあれカメラに収めてから、漁師の権利を持つ友人に訳を問うてみた。
「小イワシが湧いてきて、それを狙って集まる、タイ、ハマチ、スズキなどを釣りに集まっとるんよ」という回答であった。
なるほど、ガッテン!!太刀魚釣りにしては早すぎだよな~ と思っていたこの感もまんざら外れではなかった。

この頃ではどんな小さな漁船でも魚群探知機を備えている。その魚探を頼りに船を流していると、当然ながら一つの方向に集まってしまうという寸法。それにしても実に面白い光景である。「あんなに集まって結構釣れるんかねー」と先の友人に尋ねると、「そんなに釣れるもんじゃない」と笑っていた。そりゃそうだよねー。こんな鏡面のような穏やかな海で、苦労もせずに大漁になっては、ホンモノの漁師さんや魚屋さんはたまったもんじゃないよねー。

ついでながらここで、金子みすずの世界を思い出した。『大漁』である

    朝焼け小焼だ、 大漁だ
    大羽鰮(おおばいわし)の 大漁だ。

    浜は祭りの ようだけど、

    海のなかでは 何万の、
    鰮(いわし)のとむらい するだろう。

こうしてみると、やはり「秋の海」は賑わうというより、一人静かに遠くを眺めるのが似合っているようだ。

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