毎年この時期に行われる、国際ソロプチミスト岩国による文化講演会。
今年は俳優「林隆三」さんを招いて「ふるさと・愛・平和を願って」と題した宮沢賢治の詩の世界を朗読。そしてご自身の生い立ち、俳優志望のいきさつなど。
それは講演という堅い感じとは程遠く、表情豊かな独り芝居の世界でもあった。
さすがにベテランで個性豊かな俳優さんならではのテクニックで、知らず知らずのうちに彼の話術の世界へ溶け込んでいく面白さ・楽しさを味わった。
時に迫力のあるあのドスの効いた大きな声を張り上げ、また静かに静かに声をひそめて聴衆の耳をステージに吸い寄せる心にくいまでの演出は、真似が出来ないだけに大きな大きな魅力を感じる。マイクを使う上で今後の参考になるひとときでもあった。
宮沢賢治の詩の世界と、自身の生い立ち、人間として成長していく過程の中で「身体で覚える」「実体験に勝る教育はない」との体験談が主題であったような。
豊かな人間を育てるのは、周囲の暖かな人間関係、いわゆる住んでいる周りの人々、すなわちふるさとであり、深い親の愛である。
母親の一言によって一大奮起した、俳優・役者としてのスタートに話が及ぶと俄然熱が入った。ここにも母親の力の偉大さを改めて見せつけられた思い。
ふるさと・愛・平和などと続くと、東日本大震災の傷跡と、人間の絆の大切さが想い起される。そういった言葉や感情だけが一人歩きしないよう自制する言葉も聞かれた。そして、それらの言葉の真価が問われるのはこれからである。という言葉に説得力を感じた。
ピアノの弾き語りでは「愛の賛歌」に共感をおぼえ、アンコールに応えた「千の風になって」にも、何かしら心打たれるものを感じたのは、あながち、あの声のファンだからだけではない思いが残った。今日もまた佳き一日。
なんともしびれるような声で、見事に物語を展開させるテクニック。
益々深みが増してくるようです。
追っかけも多いことでしょう。
隣のテーブル全員が「追っかけ」と聞いておどろいた記憶があります。
若い時から気になる俳優でしたが、年齢と共に
人間味が深まるように思います。
あの声にしびれる女性も多いようですよ。
そして、栗原小巻・大地喜和子・地井武男・夏八木勲・村井国夫などという錚々たる同期の仲間に揉まれて苦労した下積みの経験が、すごい幅のある人柄を感じさせました。
チャンスがあったら是非、迫力のある弾き語りを堪能されるといいですね~。
本当に大切になってくるのは、歳を重ねて来たこれからなんよねー。
独り芝居のような世界、優れた話術、そして実体験からくる氏の人間性が、この空間を満たしていたのでしょうか。
楽しまれたご様子がよく伝わります。
林隆三さんの「千の風になって」、ピアノの弾き語りとは聴いてみたい気がします。