ひまわりの種

毎日の診療や暮しの中で感じたことを、思いつくまま書いていきます。
不定期更新、ご容赦下さい。

福島は子育ての先進県!

2015年10月24日 | 子どもたち
週末、首都圏のある大学の、幼児教育を専門とする学科が主催の、
「子どもの遊び」をテーマにしたシンポジウムに招かれてきた。
「子どもの遊び環境デザイン」をライフワークになさっている建築家の方の御講演の後、
幼稚園・保育園の園長先生のお話・わたし、の3人がそれぞれの立場での話をした。

建築家の先生のお話は約1時間とたっぷりあったのだけれど、
淡々と話すその内容はとても興味深く、あっという間だった。

幼稚園と保育園の園長先生のお話も面白かった。
子どもたちには無限の可能性がある、そう信じられる内容だった。

今回のシンポジウムを依頼されたのは、福島の小児科医として、ということだった。
「遊び」がテーマだったけれど、震災・原発事故・放射線のことを抜きには
「福島の小児科医として」の話はできないし・・・、
かといってあまりテーマからはずれてはいけないし・・・。
すごく迷って、シンポジウムのレジュメは放射線に関係することを中心にまとめ、
実際にお話しするスライドは、遊びや心に関する内容を多く盛り込んだ(つもり)。

わたしの順番は3人の最後だった。

 震災の当初は閉じこもらざるを得なかった子どもたちも、
 今ではみんな元気に外遊びをしていること。
 県産のものは怖がっていた親御さんたちも、
 気にせず食べられるようになっている方々が増えていること。
 何よりも、県民健康調査の結果からは、子どもたちの健康被害は無いに等しいこと。
 今後は肥満や生活習慣病対策も必要で、そのためにも「遊び」は大切。
 福島は、一度壊れてゼロというよりマイナスからのスタートだけれど、
 これからも福島の子どもたちの成育を見守っていきたい。

・・・おおざっぱにはこんな内容のことをしゃべってきた。

この4年半、気にしないようにはしていたけれど、
やっぱり、叩かれるのはつらかった。
つらい、っていうより、恐怖、といったほうがいいかな。
だから、首都圏の方々を前に少しでも放射線に関することをしゃべるのは、
ほんとうはちょっと怖かった。
でも、大学の学生さんも含め、学校関係の方々や一般の方々など、ほとんどの方々に、
福島の本当の現状について、好意的に聴いていただけたように感じた。

最後のまとめで、建築家の先生が次のような内容のことをおっしゃった。

 福島は、今回のことで、子どもの健康について皆がより関心を持つようになりました。
 だから、子どもの健康・子育てに関しては、むしろ福島は先進県になるのだと思います。

ああ・・・。
そうか・・・。
マイナスからのスタート、じゃなくて、先進県。
そういうとらえ方をすればいいんだ。

日頃、お母さんたちにも、このブログでも、
「ものごとのとらえ方」を変えることで気持ちが変わりますよ、
なんて言ってたけれど、まだまだだなぁ、わたし。

園長先生方の明るく楽しい子どもたちのお話と、
建築家の先生の含蓄のあるお話と、
主催した学科の先生の優しいお心遣いに触れて、
あたたかく満ち足りた気持ちで帰路についた。



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2 コメント

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ずいぶん (なおみ)
2015-10-26 17:08:14
ためてましたね~。
いっぺんにこんなに出して(笑)。

今年は秋が長い気がしませんか。
いい季節ですね。
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Unknown (kakkou)
2015-11-03 21:26:09
久しぶりにお訪ねしたら、嬉しくなるような文が載っていました。ご無沙汰していてごめんなさい。
今年は、私も秋が長い、、と感じています。昨年は9月末まで暑かったから秋があっと言う間でした。
でももう11月ですよ。早いですね、、寒い季節がもうすぐやってきます。ご自愛下さい。
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