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目には目を 新川帆立

好きな作家の最新作。著者の本はエッセイを含めて7冊目だが、読むたびに違う世界が描かれていてその幅の広さに驚かされる。本書は、殺人を犯した少年Aが少年院退所後に被害者の母親に殺されるという事件を描いたもの。少年犯罪ということで少年Aについては氏名や退所後の住所などが公表されていないことから、同時期に少年院にいた少年Bが密告したとされる。物語は密告して復讐事件を幇助した少年Bが誰なのかという謎を追うジャーナリストの目線で進むが、その過程で、懲罰よりも更生に重きをおいた少年犯罪に関する法律と被害者家族の心情の折り合いの付け方の難しさ、罪を犯した少年たちの様々な事情、復讐感情の連鎖を断ち切るような司法のあり方など、幾つもの問題提起が描かれる。最後の結末はかなり早い段階で気づいてしまったので驚きはなかったが、重厚な内容で大変読み応えのある一冊だった。(「目には目を」 新川帆立、角川書店)
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