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無人島の2人 山本文緒

2021年10月にすい臓がんで亡くなった著者による余命宣告されてから4か月あまりの日々を綴った日記。抗がん剤治療の辛さ、自分でできることが少なくなっていくことの悲しさ、夫への感謝、以前飼っていた猫への想いなどが素直に語られていて胸を打つ。最後の数日のところを読みながら、数年前に乳がんで亡くなった姉とのことを色々思い出した。長く抗がん剤治療を受けていたが、泣き言は滅多に言わなかった。亡くなる数日前、最後に緩和ケアの病室で、頭がボーッとするとか、思考が少し混乱してきているとかニコニコしながら話していた姉の頭に去来していたものがどんなことだったのか、本書を読んで初めて知ったような気がして、本当に有り難かった。(「無人島の2人」 山本文緒、新潮社)
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