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どちらとも言えません 奥田英朗

作家の方には大変無礼な言い方かもしれないが、私としては、この作家、小説よりもエッセイの方が好きになってきてしまった。小説を全部読んだわけではないのでそう感じてしまうのかもしれないが、ひねりのきいた思考を文章にして楽しく読ませてくれるエッセイは結構どこにでもあるような気がするが、何故か他とは違う魅力を感じてしまう。そうは言っても、本書のように面白いエッセイを読めば読むほど、正直な気持ちとして、面白い小説をもっともっと書いて楽しませてほしいとも思う。本書を読んでいると、スポーツというものについて「ああでもないこうでもない」と色々話ができる、我々がそうした話をしたり聞いたりできる環境にある、それを楽しく再確認できる、それだけでスポーツというものの存在意義があるように感じてしまう。(「どちらとも言えません」 奥田英朗、文春文庫)

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