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死んだ山田と教室 金子玲介

書評誌で2024年上半期のベストワンに選ばれた一冊。クラスの人気者の高校生山田くんが不慮の事故で帰らぬ人となった数日後、何故か彼は所属していた2年E組の教室のスピーカーに憑依してしまい、クラスメイトとの音だけの不思議な交流が始まる。誕生会を企画して成仏できない彼を励ましたり、逆に前向きな彼に励まされたりしていくが、どんなに明るく振る舞っても彼我の違いは時間と共に大きくなっていく。予感される悲しい結末の中、最後まで明るさをまとった展開に心を揺さぶられる。巻末に早くも次回作の告知が載っていて、今から読むのが楽しみだ。(「死んだ山田と教室」 金子玲介、講談社)
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