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パイロット・フィッシュ 大崎善生

本書を読み終わった後、表紙の裏に印刷された著者の経歴を見て、昔読んだ「聖の青春」「将棋の子」の著者であること知った。夭逝の天才棋士村山聖を描いた「聖の青春」、日本将棋連盟の奨励会の子供達の過酷な生活を描いた「将棋の子」の2冊を読んだのが10年くらい前になると思うが、あの本の著者がこのような小説を書くようになっていたというのに正直驚いた。著者が将棋連盟を退職したというのは、ある意味での告発本「将棋の子」を書いたのだから当然として、その後小説家に転身していたとは知らなかった。ドキュメンタリー作家のままでいて欲しかったと思わないでもないが、前の2冊は将棋連盟にいたからこそ書けた本であり、それはそれで良かったという気もする。本書については、雰囲気のある青春小説という感じだが、はっきり言って時間の流れが19年前に戻ったり現在に戻ったりで判りにくくて困った。内容的にもこういう一見クールそうにみえて実は多感という人物ばかりの話はもう飽きたという感じである。(「パイロット・フィッシュ」大崎善生、角川文庫)
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