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雪煙チェイス 東野圭吾

超人気作家の文庫書下ろしという贅沢な一冊。内容は、著者の1つのジャンルにもなっているゲレンデもの・スキーもの。このジャンルは、作家自身の趣味が色濃く反映されていて、どちらかというとミステリー色よりもサスペンス職の強い作品が多かった。読んでみると、予想通り、自分の容疑を晴らすために奔走する主人公とそれを追いかける特命をおびた警察官の追跡劇だ。著者の本だけに、はらはらドキドキの連続だし、スキー場という特殊な場所を上手く物語の展開に織り込んでいて、最後の最後まで読者を引っ張っていく。但し、スキー場で行う結婚式を盛り上げようとする仲間とか、主人公を助ける友人の行動はどうも嘘くさいし、対する警察官の行動もかなり無理が多い。作家自身の趣味は趣味として、著者にはもっとリアリティのあるミステリー要素の強い作品を書いて欲しいと感じた。(「雪煙チェイス」 東野圭吾、実業之日本社文庫)

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