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贋物霊媒師 阿泉来堂

アシスタントに「霊とコミュニケーションはできるが、降霊も除霊も行う力のないインチキ霊媒師」と揶揄されつつも、この世に未練を残して彷徨う霊を見事に鎮めていく主人公の活躍。有無を言わさず力づくで霊を退治してしまう「北風」のやり方が一般的な「除霊」だとすると、主人公の手法は霊が未練を断ち切るためのサポートして納得して成仏してもらうという「太陽」戦略ということになる。そう考えながら読み進めていくと、インチキというよりはむしろそっちの方が正しいだろうと思えてくる。ストーリーの中でたまに披露されるホームズばりの推理力、読者の意表をつく種明かし、着地の見事さ、どれを取ってもすごい作品だと思う。書評誌によれば、続編は新しいキャラクターも登場してさらに面白くなってきているらしい。(「贋物霊媒師」 阿泉来堂、PHP文芸文庫)
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