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道化師の退場 太田忠司

本屋さんで見つけて面白そうなので読んでみた。著者の本は何冊も読んでいるが、本書に登場する探偵が主人公の作品を読んだ記憶がないので、これがシリーズ作品の1つなのかどうか今ひとつ分からない。題名から考えてその探偵が主人公と思いきや、その探偵は余命半年を宣告されていてほとんど寝たきりで、実際に謎を解く鍵となる情報を集めるのは別の青年。ストーリー的には完全にこちらが主人公だし、話全体を魅力的にしているのもこの青年の方という不思議な設定だ。話の大筋は、その青年が自分の母親にかけられた殺人犯の汚名をはらうために彼女の過去を探っていくというものだが、調べていくうちに彼女の周りでいくつもの事故死や殺人事件が起きていたことが判明、さらに青年が謎を追う中で新たな殺人事件が勃発したりする。最後に行き着く真相は、まあ普通の謎解きミステリーと言っていいのだが、本書の最大のびっくりは、余命宣告された探偵に関わる最後の謎。この部分はミステリーの謎解きとは無関係なので、ミステリーのルール違反とかではないが、あまりにもとんでもない結末らしきもの(?)に正直唖然としてしまった。(「道化師の退場」 太田忠司、祥伝社文庫)
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