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統一協会問題の闇 小林よしのり、有田芳生

漫画家小林よしのり氏とジャーナリスト有田芳生氏が「統一協会問題」について語りあった対談集。自分は事情を知らなかったので奇妙な組み合わせのような気がしたが、小林氏はオウム真理教事件に関する教団を告発する作品を発表したために教団の暗殺計画のターゲットにされ、統一協会問題では親族の家庭崩壊を目の当たりにしたというまさに当事者、有田氏の方も長年カルト教団の闇を追い続けてきたジャーナリストとのこと。2人によって語られる内容は、マインドコントロールによる過酷な献金の強制、合同結婚式の悲惨な実態、名称変更の問題、保守系政治家との癒着などすでにTVなどで報道されているものだけでなく、協会による銃器輸入事件、政治家の側近に信者を送り込むための女性信者に対する秘書セミナーなど、全く初耳なショッキングな内容が満載だ。協会の霊感商法が問題になった時から現在まで、ほとんど対策がなされぬままだった30年間を「空白の30年」として、政治の不作為の罪を糾弾する2人のぶれない姿勢は、全ページを通じて鬼気迫るものだった。(「統一協会問題の闇」 小林よしのり、有田芳生、扶桑社新書)
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