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黒龍荘の惨劇 岡田秀文

作者の明治時代を舞台にしたシリーズの第2作目。明治という時代設定を上手に生かして、科学捜査に頼らない探偵が登場、本格推理小説にありがちなある種の不自然さを回避しているのが特徴だ。登場人物はあまり多くないにもかかわらず最初の100ページで3人が殺されてしまってびっくりしていると、その後も次から次へと思いがけない展開に。事件の全体像が全く見えないまま、最後に明かされる真相は、動機も含めて予想をはるかに上回る意外なものだったが、巻末の解説で、その結末が実際の事件を借景にしていると知って絶句した。(「黒龍荘の惨劇」 岡田秀文、光文社文庫)

 

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