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水鏡推理2 松岡圭祐

新しいシリーズの第2作目。第1作目では、世のなかの学問的な権威と呼ばれる存在を次から次へと成敗していく主人公の姿が痛快だった。本書でもそのコンセプトは変わらず、世の中には胡散臭い権威というものがいかに多いかを痛感させられる。本書でも、現実の事件を下地にしながらも全く新しいストーリーが展開されるが、ここでもその現実の事件とフィクションの親和性がますます強くなり、その境界もさらにあいまいになっている気がする。読みながら読者の考えはどうしても現実の事件の方にいってしまうが、その現実の事件も、色々な可能性が考えられるし、もしかするとこの作品の謎のように案外単純なのかもしれないなどと妄想してしまう。次の作品があるのかどうかはっきりとは判らないが、次はどんな事件を下地にした作品が読めるのか楽しみだ。(「水鏡推理2」 松岡圭祐、講談社文庫)

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