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テッド・リンジー サイン NHL

NHLのデトロイト・レッドウイングスで40年代から60年代に活躍した伝説のプレーヤー、テッド・リンジーのサインである。彼は3年間の待機期間を待たずにホッケー殿堂入りを果たすという、これまでNHL史上10人しかいない栄誉を授けられた選手である(この待遇を受けた最後の選手は99年のグレツキー)。彼は、「ミスター・ホッケー」ことゴーディ・ハウのライン(愛称はプロダクト・ライン)の左ウイングとして活躍、50年代前半の5年簡に3度スタンレーカップを制覇している。しかし、彼自身の成績をみると、生涯通算ゴール300台で、年間100ポイントの記録も達成しておらず、歴史上10指に入る名選手という訳でもない。また、彼は気性が激しいことでも知られ、つけられたニックネームは「テリブル・テッド」である。
 彼は、こうした少しお行儀の悪い選手なのだが、NHLの世界で尊敬を集める大きな理由がある。それは、彼がNHLで初めて選手会を組織し、選手の待遇改善に努力したからだ。今でこそNHL選手の年俸は何十億円という他のプロスポーツと比較して遜色のないレベルになっているが、1950年頃のホッケー界は年俸が最高の選手でも数百万円程度と極端に待遇が悪かったという。こうした待遇を改善すべく立ち上がったのがテッド・リンジーで、言うなれば全てのNHL選手の現在の待遇の良さは、彼の尽力から始まったといっても良さそうだ。そうした彼は、当然経営側から疎んじられ、ついにはレッド・ウィングスを放逐されてしまった。こうした自分の犠牲を顧みずに同僚の選手達のために尽くしたことが、彼の大きな業績なのである。サインは「テリブル・テッド」という感じではなく、至って判りやすいきれいサインである。
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