みなさん、こんにちは。
「ショックで頻呼吸を伴う」場合、常に「敗血症性ショック」の可能性を考慮する理由は、次のとおりである。
1)敗血症による乳酸アシドーシスにより、代償性の呼吸性アルカローシスを惹起する。
2)敗血症で増加した血中のさまざまなサイト . . . 本文を読む
みなさん、こんにちは。
安静仰臥位でとくに痛み刺激などが無い状態でも、すでに脈拍数がベースラインから毎分30以上増加している場合には、500ml以上の脱水または出血があると示唆される。
立ちくらみや失神などの失血による症状は、出血の速度や量に依存する。
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みなさん、こんにちは。
この場合、「血圧低下あり+脈拍増加あり」は通常、低容量hypovolemia(脱水や出血)であるが、「血圧低下あり+脈拍増加なし」は神経原性低血圧(自律神経障害や迷走神経性反射)であることがある。
ただし、ベータ遮断剤などを服用している症例や徐脈性心疾患有する症例では、脱水で . . . 本文を読む
みなさん、こんにちは。
今回も Volume status の評価についての続き。
仰臥位で血圧の低下を認めない症例の場合、体位性低血圧(起立性低血圧)の有無を確認すると有用である。
チルトテスト tilt test とも呼び、臥位から座位(または半 . . . 本文を読む
みなさん、こんにちは。
重症脱水はしばしば血圧の低下、すなわち低血圧をきたす。
この「低血圧」に加えて「重要臓器循環不全」による症状や徴候(気分不良、めまい、尿量低下、意識障害)が加わると、臨床的に「ショック」の状態とよぶ。
ただし、「ショック」=「脱水」ではない。
次に挙げる4大原因をつねに念頭に置きながら、ショックの鑑別診 . . . 本文を読む
みなさん、こんにちは。
さて、前回ケースの診断は?
東南アジアから帰国した直後に、悪寒戦慄を伴う発熱、頭痛、倦怠感、関節痛、体幹部にピンク色小紅斑、比較的徐脈、脾腫、白血球減少、とくれば……
そう、「腸チフス」だ。
この症例では、来院時の血液培養からSalmonella typhiが検出され、 . . . 本文を読む
みなさん、こんにちは。
最後の項目は「環境」である。
これは見えない病原体との遭遇を意味する。
山に入ると、ダニや蚊に刺されるリスクが高くなる。
ネズミの尿で汚染された川や池に素足で入ると、レプトスピラ症のリスクが高くなる。
温泉やサウナではレジオネラ症、という具合である。
今回の症例では、 . . . 本文を読む
みなさん、こんにちは。
旅行中はグルメとなる可能性が高いので、先に登場した渡航歴では生肉などのメニューに加え、サラダや現地の水道水などの摂取について聞く。
先に挙げた、旅行医学の教科書 によると、「低ランクホテルと4つ星以上ホテルのレストランで、下痢症発症のリスクは変わらない」という。
今回の症例では、詳細な渡航中の病歴聴取により、現地で「サラ . . . 本文を読む
みなさん、こんにちは。
動物との接触は臨床上重要な遭遇である。
猫との接触では猫ひっかき病、猫の咬傷ではPasteurella multocida感染、犬の咬傷ではCapnocytophaga carnimorsus感染、ネズミの咬傷では鼠咬熱(rat bite fever)感染、羊や子猫との接触ではQ熱、などが有名。
動物の生 . . . 本文を読む
みなさん、こんにちは。
旅行医学の教科書 によると、「旅行者の10%は旅行中に新たなパートナーを相手に性行為を行い、約半数は無防備性交」という。
そうすると、前に登場した性行為歴とリンクすることになる。
旅行中に、どこでどのような行為をしたのか、という詳細を把握することも重要である . . . 本文を読む