goo blog サービス終了のお知らせ 

燃えるフィジカルアセスメント

総合診療医徳田安春の最新医学情報集。問診、フィジカル、医療安全、EBM、臨床研究に強くなれます。

ショックと頻呼吸

2023-04-14 | 闘魂症例検討会
みなさん、こんにちは。       「ショックで頻呼吸を伴う」場合、常に「敗血症性ショック」の可能性を考慮する理由は、次のとおりである。       1)敗血症による乳酸アシドーシスにより、代償性の呼吸性アルカローシスを惹起する。       2)敗血症で増加した血中のさまざまなサイト . . . 本文を読む
コメント

消化管出血時の脈拍評価

2023-04-13 | 闘魂症例検討会
みなさん、こんにちは。       安静仰臥位でとくに痛み刺激などが無い状態でも、すでに脈拍数がベースラインから毎分30以上増加している場合には、500ml以上の脱水または出血があると示唆される。       立ちくらみや失神などの失血による症状は、出血の速度や量に依存する。       . . . 本文を読む
コメント

起立性低血圧のピットフォール

2023-04-12 | 闘魂症例検討会
みなさん、こんにちは。       この場合、「血圧低下あり+脈拍増加あり」は通常、低容量hypovolemia(脱水や出血)であるが、「血圧低下あり+脈拍増加なし」は神経原性低血圧(自律神経障害や迷走神経性反射)であることがある。       ただし、ベータ遮断剤などを服用している症例や徐脈性心疾患有する症例では、脱水で . . . 本文を読む
コメント

起立性低血圧のみかた

2023-04-11 | 闘魂症例検討会
みなさん、こんにちは。       今回も Volume status の評価についての続き。       仰臥位で血圧の低下を認めない症例の場合、体位性低血圧(起立性低血圧)の有無を確認すると有用である。       チルトテスト tilt test とも呼び、臥位から座位(または半 . . . 本文を読む
コメント

脱水とバイタルサイン

2023-04-10 | 闘魂症例検討会
みなさん、こんにちは。   重症脱水はしばしば血圧の低下、すなわち低血圧をきたす。   この「低血圧」に加えて「重要臓器循環不全」による症状や徴候(気分不良、めまい、尿量低下、意識障害)が加わると、臨床的に「ショック」の状態とよぶ。   ただし、「ショック」=「脱水」ではない。   次に挙げる4大原因をつねに念頭に置きながら、ショックの鑑別診 . . . 本文を読む
コメント

再び症例へ

2023-04-07 | 闘魂症例検討会
みなさん、こんにちは。   さて、前回ケースの診断は?   東南アジアから帰国した直後に、悪寒戦慄を伴う発熱、頭痛、倦怠感、関節痛、体幹部にピンク色小紅斑、比較的徐脈、脾腫、白血球減少、とくれば……     そう、「腸チフス」だ。   この症例では、来院時の血液培養からSalmonella typhiが検出され、 . . . 本文を読む
コメント

Environmental Exposure:環境曝露 (山、川、池、温泉など)

2023-04-06 | 闘魂症例検討会
みなさん、こんにちは。   最後の項目は「環境」である。   これは見えない病原体との遭遇を意味する。   山に入ると、ダニや蚊に刺されるリスクが高くなる。   ネズミの尿で汚染された川や池に素足で入ると、レプトスピラ症のリスクが高くなる。   温泉やサウナではレジオネラ症、という具合である。   今回の症例では、 . . . 本文を読む
コメント

海外のホテル・レストランと下痢症発症のリスク

2023-04-05 | 闘魂症例検討会
みなさん、こんにちは。   旅行中はグルメとなる可能性が高いので、先に登場した渡航歴では生肉などのメニューに加え、サラダや現地の水道水などの摂取について聞く。   先に挙げた、旅行医学の教科書 によると、「低ランクホテルと4つ星以上ホテルのレストランで、下痢症発症のリスクは変わらない」という。   今回の症例では、詳細な渡航中の病歴聴取により、現地で「サラ . . . 本文を読む
コメント

Animal Contact & Intake:動物との接触・生肉の喫食

2023-04-04 | 闘魂症例検討会
みなさん、こんにちは。   動物との接触は臨床上重要な遭遇である。   猫との接触では猫ひっかき病、猫の咬傷ではPasteurella multocida感染、犬の咬傷ではCapnocytophaga carnimorsus感染、ネズミの咬傷では鼠咬熱(rat bite fever)感染、羊や子猫との接触ではQ熱、などが有名。     動物の生 . . . 本文を読む
コメント

旅行と性生活

2023-04-02 | 闘魂症例検討会
みなさん、こんにちは。       旅行医学の教科書 によると、「旅行者の10%は旅行中に新たなパートナーを相手に性行為を行い、約半数は無防備性交」という。     そうすると、前に登場した性行為歴とリンクすることになる。     旅行中に、どこでどのような行為をしたのか、という詳細を把握することも重要である . . . 本文を読む
コメント