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ポピュレーション戦略

2016-08-08 | 総合診療ニュース

ポピュレーション戦略

 

 これまでの古い概念では、「健康人と病人との境界線は明瞭である」とされ、この境界線により、病気(危険因子)のある病人にのみ焦点を絞り、治療や予防介入がなされてきました。

 

 そして「健康」といわれる大多数の人々には責任はないとされていました。

 

 それに対して、この新しい「ポピュレーション戦略」は、社会全体に対しての予防的対策をおこなうことで、社会全体として人々の健康をよくするという考えです。

 

 リスクの高い個人を直接ターゲットにするハイリスク戦略に対して、集団全体にかかるリスクをよい方向へ誘導する戦略です。

 

 ポピュレーション戦略では、社会全体を対象として、一次予防対策を実行していくものです。

 

 例として、すべての加工食品で塩分や脂肪含有量を制限する、公共の場での全面禁煙、そして自動車使用を制限する政策、などがあげられます。

 

 ここでは、塩分摂取量への効果についてみていきます。

 

 まず、旧石器時代の人類の塩分摂取量は一日あたり一・五g程度だったといいます。そして、塩分を一日約三gしかとっていない国では高齢になっても血圧はほとんど上がっていません。

 

 現在の日本人の食塩摂取は約12gであります。

 

 最近また上昇している原因は、最近のレトルト食品の普及などといわれています。

 

 一人の高血圧患者が塩分摂取量を一gだけ減らしても大きな臨床効果はありませんが、日本人全体で一日平均塩分摂取量を一gだけ減らすと、脳卒中患者は年間約一万人減り、死者は約四五〇〇人も減るといわれています。

 

 今回は以上です、では次回に。

 

 

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