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今回のケースの病態生理

2020-08-12 | 闘魂症例検討会
みなさん、こんにちは。
 
 
リチウムは腎の集合管細胞におけるアクアポリンチャネルの発現を阻害することによる水再吸収抑制によって腎性尿崩症を起こす。
 
長期リチウム投与患者の約半数が腎性尿崩症をきたすという報告もある。
 
リチウム中止後もしばらく尿崩症所見が残ることもある。
 
 
 
本ケースでは、多飲によって尿崩症所見がマスクされていた。
 
実際、リチウム服用者が術後に尿崩症症状をきたすことはよく報告されている。
 
また、高Ca血症があったので、多飲は高Ca血症によるものと考えられていたこともピットフォール。
 
 
 
また、リチウムは副甲状腺のカルシウムセンシング受容体を抑制する。
 
これにより、もともと存在していた副甲状腺腺腫への刺激による副甲状腺機能亢進症をみることもあり、あるいは副甲状腺過形成による副甲状腺機能亢進症をきたすこともある。
 
本ケースでは、前者の機序をとったと考えられる。
 
甲状腺腫瘍については、リチウム療法と直接の関連性はなく、偶発性のものであったと考えられる。
 
 
 
写真 医学生向けオンライン説明会

 

 

 

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