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総合診療医Dr徳田安春の最新医学情報集

ビタミンEの摂り過ぎについて

2015-10-15 | 総合診療ニュース

 ビタミンEはアンチエイジング効果があるとされ人気のあるサプリメントです。

 

 最近まで、大量に摂取しても害はないと考えられてきました。

 

 しかし、2005年にメタ分析という手法を使って19のランダム化比較試験研究をまとめた研究(患者数135,967人)が発表され、ビタミンEを1日400IU(600mg)以上摂取する人はそうでない人に比べて、死亡率が上昇する可能性が示されました。

 

 Miller ER 3rd Pastor-Barriuso R, Dalal D, et al.  Meta-analysis:highdosage vitamin E supplementation may increase all-cause mortality.  Ann Intern Med 2005;142:37

です。

 

 この結果が正しいのかどうかは最終的にはまだ確かめられていません。

 

 また、何故死亡率が上がるのか原因も分かっていません。

 

 ただ今の時点で言えることは、やみくもにビタミンEを大量に摂らない方が安全なようです。

 

 ビタミンEは脂溶性ビタミンであり、尿中にただちに排泄される水溶性ビタミンと異なって、体内に蓄積する可能性があります。

 

 同じ脂溶性ビタミンに属するビタミンDでは、その摂り過ぎによって高カルシウム血症をきたすことがあります。

 

 厚生労働省が公開している「第6次改訂日本人の栄養所要量について(2000)」にも、ビタミンEの許容上限摂取量は、12歳以上の男女で600mg/日とされています。

 

 過ぎたるは猶及ばざるが如し、との教えがあります。ヒトの進化は、さまざまな物質との相互作用が前提で進んできています。

 

 特定の物質のみを摂取するというのはリスクの高い行動の可能性もあるといえます。

 

 今回は以上です、今年は天候に振り回される年でした、10月に入りやっと落ち着いてきたかと思いきや、またまた台風の2個同時発生です、24号はいいとしても、25号は気になる進路をとりそうです、皆さん気象情報に気をつけましょう、では次回に。

 

 

ドクター徳田安春の養生訓―元気な100歳をめざせ
徳田安春
西村書店
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