先日、地下鉄の駅で配っている無料の朝刊を読んでいると、ブレア首相が昔イギリスが行っていた奴隷取引について"sorry"と言った、ということが記事になっていました。sorryのところがチョンチョン(")で囲まれていたところをみると、相当思い切ったことを言った、というニュアンスの記事らしい。
「元々欧米人はsorryって言わないんじゃないの?」と思う人もいるかもしれません。実際、僕らも中学校くらいの頃に「謝るときは"I'm sorry"じゃなくて"Excuse me"だ。sorryを使ったらおかしい」と習いましたよね?
でも実際は違うんです。
街中でちょっと肩がぶつかったり、狭いところをすれ違ったりするときは、イギリス人なら間違いなくSorryっていいます。Excuse meなんて聞いたことない。それはどうやらアメリカ人の用法らしく、アメリカ人がイギリス人の英語を聞いてると、謝ってばかりのように聞こえるらしい。
ただ、そんな気軽な、大して悪くないようなときはsorryと言いまくるくせに、本当に悪いときは絶対にsorryを言わない、ってのもまたイギリス人です。
だいぶ前に交通事故の現場を目の前で目撃してしまい、一応警察が来るまで現場に残っていたんですが、加害者のほうは絶ーっ対に"sorry"とはいいませんでした。では何と言ったか。"Are you alright?"
「謝っても実害がないのなら謝りゃーいいじゃん。でも賠償とかが絡むときは絶対に謝んないぜ」的な、外交がうまいというか二枚舌というか(実際パレスチナでは二枚舌外交を展開した、って歴史の教科書にも載ってたな)、そんな国イギリスで国家元首が謝ったんだから、相当なもんだったのでしょう。
イギリスは外交がうまいってのもうなずけます。僕なんかは短気だもんだから、イギリス人同士あーでもないこーでもないと延々と議論をしてると「どっちでもええから早よ決めろや!」と言いたくなってしまう。
議論好き、かつ真っ向から相手のことを否定するわけではないけれども、なるべく自分の意見が通るように理論を展開するってのはイギリス人の特長みたいなもんで、そんな土壌で議論の技術が磨かれたら、そりゃー外交にも長けてくるでしょうな。日本人もちょっとは見習うべきですかね。
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