出張先のサマラの思い出を書いておこう。
キーワードは『ソビエト連邦』(ロシアじゃなくって)。
ソ連が崩壊したのは僕が高校生くらいのときだったので、もちろん僕自身がソ連に行ったことなどあろうはずもないんですが、ソ連の匂いをプンプン感じました。
とは言え、どこに行った訳でもなく、ただ空港とホテルを往復しただけなんですが。。。
唐突ですが、「google earth」ってご存知でしょうか?
平たく言うと、衛星写真を貼り合わせて作った地球儀なんですが、google earthでロシアの主要空港の写真を見ると、ものすごくいっぱい飛行機が停まってるのが見えます。
何も知らずにその写真を見ると、「ロシアも結構飛行機が飛んでんじゃん」と思ってしまいそうなんですが、実物を見るとその飛行機たちの大部分はジェットエンジンに蓋がしてあって、明らかにメンテもされてない、飛びそうもない、いわば「飾り」みたいなもんです。
第二次大戦の末期には、日本の空港にも(見せ掛けの軍事力として)飛行機のレプリカが置いてあった、と聞いたことがありますが、まさにそんな感じなのだろうか。
モスクワの空港には、曲がりなりにも機体が大きいやつがそれなりの数置いてあったんですが、サマラは少ない。。。(でも同じように飾りとして置いてはある)
モスクワとは違い、なんだか物資のなさを実感させられたような気がします。
物資のなさ、といえば免税店。
棚に商品が置いてない!こんなしけたduty free今までに見たことな~い!!
店員も売る気0。
90年代のソ連って、どの店に行ってもこんなんだったんだろうなぁ、と暗ーい気持ちにさせられました。。。僕らからすれば、「お店の棚には商品が置いてある」ってのはごくごく当たり前の感覚なんですが、その当たり前が通用しないところもある(あった)んだ、と考えさせられました。市場主義経済、ありがたいことです。
で、そんな重苦しい気持ちをひきづりつつ飛行機を待ち、搭乗時間にルフトハンザのエアバス319を見たときは、まさに救命ボート、芥川龍之介のくもの糸のごとく神々しく見え、「さあ帰ろう」というよりも、
『助かった…』
とさえ感じました。ホントに。
上に書いた飾りの飛行機やサマラ空港のビル、そして「救命ボート」エアバスの写真をここにupすべく写真をぱちぱち撮っていたところ、搭乗寸前のタラップのふもとにて空港の係員に、
「写真はとっちゃイカン。全部消せ。」
と、全部消されてしまいました。いいじゃねぇか、飛行機の写真くらい。
写真を取らせないところまで、ルフトハンザの飛行機に乗る1歩手前まで「ソビエト連邦」でした…。
もういや。あんな息苦しいところ行きたくない。
でも業務命令には逆らえんよな…。