F1の小部屋 NEO

F1のリザルトについてあれやこれや好き勝手にコメントしてみようと思います。レース終了後1週間以内に更新(目標)。

ROUND 10 HUNGARIAN GP

2009年07月30日 22時20分40秒 | Weblog
1位 L.ハミルトン マクラーレン・メルセデス
2位 K.ライコネン フェラーリ
3位 M.ウェーバー レッドブル・ルノー
4位 N.ロズベルグ ウイリアムズ・トヨタ
5位 H.コバライネン マクラーレン・メルセデス
6位 T.グロック トヨタ
7位 J.バトン ブラウン・メルセデス
8位 J.トゥルーリ トヨタ

 夏の風物詩、ハンガリーGPがやってきました。一般の人にとっての夏の風物詩といえば、花火とか祭りとかになるのでしょうが、やはりF1ファンとしてはハンガリーGP!これは欠かせません。ええ、何しろ夏の季語になっているぐらいですから(なってる訳ないし何で俳句にF1が登場するのかと小1時間………以下略)。それでは気持ちを切り替えまして、まず予選ですが、あわやという事故が起こってしまいました。バリチェロのマシンから脱落したサスペンションのスプリングが、後方を走っていたマッサの頭部に直撃。260km/hで走行中に800gの物体がぶつかった衝撃は凄まじく、マッサはその衝撃で意識を失い惰性のままコースオフして、タイヤバリアに激突しました。事故後、ブダペスト市内の病院に搬送されたマッサの診断は頭蓋骨骨折と脳挫傷という深刻なもの。しかし、マッサは手術後に意識を取り戻したということで最悪の事態は避けることができました。カーボンファイバー製のヘルメットと防弾シールドが、マッサの命を救ったのは間違いありません。さて、注目のバトンですが、予選8位、決勝7位と実に平凡な結果に終わっています。今回は特に見せ場をつくることも無く中盤に埋もれてしまいました。先頭グループと比較するとスピードが不足しているのは明らかで、完全に追い越されてしまった感があります。唯一の救いはバトンが全レースで入賞していることぐらいですが、現在のレッドブルの勢いを見る限り風前のともし火。1ヶ月後のヨーロッパGPまでにマシンを大幅に進化させないとかなり厳しい戦いになりそう。という訳でブラウンGPのスタッフは夏休み返上で働くことに決定です(んな勝手に。汗)。さて、エアロパッケージを大幅アップデートして以来好調のレッドブルですが、期待した程の結果は残せませんでした。前回の初優勝で今回も、と期待されたウェーバーですがスターティンググリッドと同じ3位という結果に終わっています。そして、バトン追撃の筆頭、セバスチャン・”やんちゃ坊主”・ベッテルですが、スタート直後の1コーナーでライコネンと接触。マシンにダメージを負いますが何とか走行を続けます。しかし、接触で痛めたサスペンションが音を上げてリタイア。今回ノーポイントで終わった為、ポイントランキングでチームメイトのウェーバーに逆転されました。注目のブラウン勢とレッドブル勢が伸び悩む中、今回主役の座をかっさらったのはハミルトン。予選4番手ながら、スタートでベッテルをかわし3位に浮上。そして、5周目にウェーバーをかわし2位に浮上します。先頭を快走していたアロンソは、あろうことかピットクルーのミスにより右前輪のナットが締まっていないままコースに復帰してしまいました。直後、異変を感じたアロンソがスピードを抑えて、マシンをだましだまし走行を続けますが無常にも途中でタイヤは外れてしまい、コースの上をバウンドしながら転がっていきました。このトラブルでアロンソは優勝争いから脱落。一方のハミルトンはその後も快走を続け、今シーズン初勝利。シーズン序盤は無様な姿を晒していたマクラーレンですが、ここに来て急浮上。やはり名門と呼ばれるだけありますね。ここまでのシーズンの流れをみると、序盤無敵の強さを誇っていたブラウンが失速。代わりに台頭してきたと思われたレッドブルですがここに来て伸び悩み、マクラーレン、フェラーリ等のトップチームが調子を上げてきました。ここ数戦、実に毀誉褒貶の激しい状況が続いていて、今後の予測がつかない展開となっております。ブラウンは資金不足でヤバいのかな、と思いつつもあのロス・ブラウンがこのままくすぶっている筈もないし、レッドブルは名デザイナー・エイドリアン・ニューウェーがいるだけあって開発能力には目を見張るものがあるし、マクラーレンとフェラーリは実力のあるチームだからやはり盛り返してきたなあ、とまあ色々考えることはあるのですが、とりあえず、マッサの代役でシューマッハが復帰する(!)ヨーロッパGPが要注目なのは間違いなさそうです。

ROUND 9 GERMAN GP

2009年07月16日 21時34分52秒 | Weblog
1位 M.ウェーバー レッドブル・ルノー
2位 S.ベッテル レッドブル・ルノー
3位 F.マッサ フェラーリ
4位 N.ロズベルグ ウイリアムズ・トヨタ
5位 J.バトン ブラウン・メルセデス
6位 R.バリチェロ ブラウン・メルセデス
7位 F.アロンソ ルノー
8位 H.コバライネン マクラーレン・メルセデス

 「役者やのォー」。これは嗚呼!花の応援団という漫画の決めゼリフです(ていうか、この漫画知っている人いるんでしょうか?滝汗)。応援団・親衛隊長の青田赤道という青年がハチャメチャなことをする漫画です。時々、いい話の回もあるのですが基本的に下品です、下ネタ満載です。興味を持った方はこれを覚悟の上で自己責任で読んでくださいね(苦笑)。6~7年前にコンビニでダイジェスト版みたいのが売られていたので、古本屋で探せばまだまだ見つかると思われます。前置きが随分長くなってしまいました(滝汗)。………で、誰が役者なのかというと、ロス・ブラウンとニック・フライ!この2人ですヨ。話は過去に戻りまして昨年12月、ホンダがF1からの即時撤退を発表しました。ニューマシンも完成間近だというのに、こんな発表をされたのだからお先真っ暗。これからどーすんの?となったことでしょう。ホンダはチームの閉鎖も考えていましたがブラウンとの話し合いの結果、チーム運営を引き継いでくれるところに権利を譲渡することに決定しました。ホンダは「言い値で権利を譲る。資金がおぼつかないのであれば2009シーズンの活動資金は援助する」との条件を発表します。そして、実際の交渉のテーブルにつくのはロス・ブラウンとニック・フライ。買い手の判断はこの2人に委ねられることになりました。しかし、ホンダから提示された権利譲渡のあまりの好条件に、この2人は次第にチームを自分で手に入れたいと思う様になります。「チームの売却については複数と交渉している。売却先はすぐに決まるだろう」とうそぶくニック・フライ。そして実際の交渉のテーブルでは、あれやこれやと条件を付けるので中々話がまとまりません。まあ、譲渡する気が無いのですからまとまる訳もありませんね。年が明けても譲渡先は決まらず、関係者のイライラはつのるばかり。特にバーニー・エクレストンは気が気でなかったに違いありません。なにしろ、グリッドに20台のマシンが並ばなかった場合、TV局に違約金を払わなければならないと噂されていたのですから。そして、さらに時間は流れ「もうホンダのマシンは出走不可能」と誰もが思っていた矢先、ロス・ブラウン自身がチームを買い取ると発表。「何ィーーーーッ!?そうきたかーーーー!」この発表を聞いた誰もがそう思ったに違いありません。ホンダが参戦を継続させた場合、ニック・フライは解雇される運命にあったのですが、ロス・ブラウンが彼のことを重用していたので、突然撤退を発表したことに対する負い目からか、ホンダも文句が言えなかったのではないでしょうか。そして、ニック・フライは類稀なる才能を発揮して交渉人達を煙に巻いたのです。果たして、ロス・ブラウンとニック・フライはホンダの資産をタダ同然で手に入れることに成功。ロス・ブラウンの策士ぶりはサーキットの外でも遺憾なく発揮されました。それにしても、ロス・ブラウンの人の使い方の上手さといい、ニック・フライの名交渉人ぶりといい、ブラウンGPというのは役者が揃うべくして、揃ったチームなんですね。一方のホンダも企みには気付いていた様なのですが、チームの閉鎖は避けたかったので、ロス・ブラウンからの申し出を断らなかったのではないでしょうか?お互いに腹の探り合いをやっていた、ということなのでしょう。さて、ドイツGPです。ここまで連戦連勝で飾ってきたバトンですが、前回のイギリスGP同様、突如失速。スタートでミスを犯し、挽回することもなく5位フィニッシュ。ランキング2位のベッテルとの差が縮まってきました。チームメイトのルビーニョもフロントロウ・スタートで序盤先頭を走るも、徐々に順位を落としていき6位フィニッシュ。今回は勝てるチャンスを生かし切れなかったばかりか、終盤のピットストップでバトンに順位を逆転されてしまったことに、チームに対する不満を公然と展開しました。まあ、ピットストップでバトンに逆転されるというケースはこれが初めてではないので、悔しい気持ちは判らなくもないんですけどね。絶不調のブラウンGPとは対照的に絶好調だったのがワンツーフィニッシュのレッドブル。特にウェーバーはキャリア初の優勝を成し遂げました。何と131戦目にして初優勝です。ルビーニョの125戦目で初優勝というのもスゴいと思いましたが、この記録を破るドライバーが出てくるとは思いませんでした。初優勝のウェーバー、記録上はポール・トゥ・フィニッシュですが、実に危うい展開でした。スタートでルビーニョに幅寄せをしたのですが、勢い余って体当たりを食らわせてしまいました。まるでカートレースの様な、何の迷いも無いぶつけ方は逆にスガスガしいとさえ感じさせるものがありましたが(苦笑)。この幅寄せによりウェーバーはドライブスルーのペナルティ。ウェーバー、オワターと思われたのですが、もともとペースが速かったということもあり徐々に挽回して優勝してしまったのです。フィニッシュ後、無線で初優勝の喜びを絶叫で表現する様は、期待されつつも結果を残せなかった今までの不遇の時代を耐えてきた鬱憤を一気に晴らすかの様で、実に感極まるものがありました。さて、ブラウンGPが失速してしまった感のあるここ2戦。ブラウンGPが遅くなったというよりは、他のチームが速くなったという方が表現としては正確でしょう。次々と新パーツを投入してくる他のチームに対して、資金の無いブラウンGPは他のチ-ム程開発を進めることができません。開幕戦では圧倒的優位に立っていたものの、ここにきて完全に追い越されてしまった感があります。次のハンガリーでは大幅なアップデートを図るということですが、これが復活の起爆剤になるのかどうか。ブラウンGPの一番の課題は大口スポンサーの確保なのではないでしょうか?ヴァージン・グループの支援はささやかなものであり、その支援もドイツGP限りで終了することが決定しており、まだまだホンダの資金に頼っている状態です。また、ルビーニョのマジギレからも判る様に、チーム内の調和も失われつつある様に思われます。衝撃デビューを飾ったブラウンGPですが、一転厳しい試練の時を迎えてしまいました。